YOCOHAMA-CITY

富田金太夫

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Prequel of SMILE-PUNK

ep1:Children, designed to supplant them. To help them... end.

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カワサキ・シティ。

“日本列島の暗黒面”と呼ばれるカナガワ共和国において治安の悪さでは首都ヨコハマ・シティを凌ぐ混沌都市。

カワサキ・シティ、カワサキバラに属する東京湾に浮かぶ複数の埋め立て地の一つ“プロヴァー・アイランド”。ここは国家機密を抱えた科学研究施設が軒を連ねるアンタッチャブル・ゾーンだ。
そんな危ない研究施設の一つ“チドリ・バイオ・ケミカルズ株式会社”。そのメイン・プラントでは今まさに、生物学倫理の禁忌に迫る研究が行われていた。

紫色の蒸気を吹き出す大量の配管や緑色に光る液体が流れる多数のチューブがプラント中央に設置された三つの小型培養ポッドに集約している。
三つのポッドにはそれぞれ『Over Human 01』『Over Human 02』『Over Human 03』と書かれている。
ポッドの中には青緑色の培養液。
その液の中にはさらに小さな培養カプセルが浮かび、ポッドの底から伸びる糸のように細い管と繋がっている。
ポッドの周りには白い防護服と防毒マスクで身を固めた研究員達が六人。
その内の一人がポッドの下の機械を操作すると青緑色の培養液の中に赤い薬液が注入された。
すると突如、ポッド内の培養カプセルが発光、液が泡立ち、みるみるポッド内部が赤紫に染まり、さらに変色して黄色い光を放ち出した。
輝く培養ポッドを固唾を飲んで見守る研究員達。
やがて光が治まると『Over Human 01』の黄色い培養液の中に浮かぶカプセルが胎動を始めた。
騒然とする研究員達。
カプセルは胎動を繰り返しながら徐々に膨れ上がり、人間の胎児の形へと変貌した。
研究員達は皆一様に感嘆の声を漏らし誰にともなく拍手を送った。
直後に『Over Human 02』の培養カプセルも膨張し胎児の形に変化し、続け様に『Over Human 03』のカプセルも同じように姿を変えた。
さらに大きな拍手と歓声がプラント内に響き渡った。
機械を操作していた研究員が防毒マスクを着けた顔をポッドに近付け三体の胎児をまじまじと見詰めた。
三体の胎児達は自分らを指差し手を叩き感嘆する防護服姿の研究員達を半開きの虚ろな目で無感情に見据えていた。


六年後。
“チドリ・バイオ・ケミカルズ株式会社”敷地内に設けられた児童館。
その一室で三人の子供達が思い思いに遊んでいる。
赤毛の女の子は絵を描き、黒髪の男の子は粘土をこね、金髪の男の子は本を読んでいる。
室内の様子を外から窺えるマジックミラーの前に二人の男女が立っている。
一人は白衣を着た壮年の女。もう一人は黒いスーツ姿の初老の男。
「女の子の名前は“メルキオーラ・ルー”。粘土遊びをしている子は“バルサザール・ジョー”。本を読んでいる子は“キャスパール・デュー”です。皆とても強靭で聡明、尚且つ特殊です。私の最高傑作ですよ」
嬉々として三人の子供達を黒服に紹介する白衣の女。
「何ができる?」
黒服の男は無感情な顔で子供達を眺めながら尋ねる。
「メルキオーラは身体能力と記憶力が非常に高く、一度見た他人の動作を完璧に模倣できます。また三人の中で最も強靭な肉体を持っており、常人より遥かに早い自然治癒力と銃弾をも通さない強固な皮質を有しています」
白衣女の説明を聞き黒服男は顎を少しだけしゃくって感心の意を示した。
「バルサザールは肉体的には三人の中では脆弱ですが、それでも常人に比べればとても優れた身体からだを持っています。さらに言うと彼の真価は肉体ではなく“特殊能力パワー”です。彼は強力な“念動能力サイコキネシス”を使います。その力は年々増大し続け、計算上では四年後には今確認されている中で最も強い“念動能力者サイコキネシスト”になるでしょう」
「ほう・・・」
得意になって早口で捲し立てる白衣女の説明に黒服男は感嘆の声を漏らした。
「キャスパールは非常に頭の良い子です。知能指数は現段階で370以上。さらに複数のESP能力を保有しています。現在確認されているのは“念話能力テレパシー”、“予知能力プレコグニション”、“感受能力サイコメトリー”、“透視能力クレヤボヤンス”。またそれらを複合的に使用することでさらなる能力を開発できると我々は考えています」
「なるほど。素晴らしい」
黒服男はここへ来て口の端に微かな笑みを浮かべた。
「あとどれぐらいで実用化できそうだ?」
黒服男に問われた白衣女はニヤリと笑い、三人の子供達を眺めた。
「彼らは我々の予測を遥かに上回る速度で成長を遂げ、目覚ましい能力を発揮しています。我々は実用段階へ移行させるにはあと十年程かかると思っていますが、それも単なる予測に過ぎません。もっと早く実用化の目処が立つ可能性は十二分にありますよ」
「・・・まぁ、いいだろう」
黒服男は白衣女を一瞥してすぐに子供達に視線を戻した。
「量産は可能か?」
「資金さえあれば、もちろん可能です」
「コイツらの経過次第では考慮しよう・・・」
ふと、黒服男は眉間にシワを寄せた。
「・・・あの金髪の子供、私達を見ているのか?」
マジックミラーの向こうでキャスパールが黒服男と白衣女の方を見据えていた。
「先ほど申しましたようにキャスパールは“透視能力クレヤボヤンス”を使います。こちら側が見えているのでしょう」
「なるほど。能力は確かなようだが、少々気味が悪いな」
「恐らく私達の会話も聴かれていますよ。会話以上に私達の思考すら読まれているかも」
白衣女は嬉々とした口調で呟いた。
「・・・コイツらもそうだがやはり、お前も大概気味が悪いな“ドクター”」
黒服男は踵を返しマジックミラーに背を向けてその場を去った。
「私のようなマッドサイエンティストにとってそれは褒め言葉ですよ“大佐”」
白衣女は恍惚の溜め息を漏らしながら自らと子供達とを隔てるガラスを撫でた。


十年後。
フロート・アイランドとオーギ・アイランドの隙間から覗く夜の東京湾を眺めながら白衣の女と黒服の男はブランデーグラスを傾けている。
「あの子達の様子はどうだ?」
黒服男が厳格ながらも柔らかい口調で尋ねた。
「みんな良い子ですよ。メリーは少々ガサツな所もありますが弟達の面倒をよく見ています。バリーは奔放ですけど面白いことを考える子です。キャスは引っ込み思案ですけど賢くて思いやりがあります」
白衣女は慈愛に満ちた笑みを浮かべて答えた。
「・・・そうか」
黒服男はブランデーを一口煽って椅子の背もたれに頭を預けた。
「ドクター、君はあの子達を軍事利用する件をどう思う?」
黒服男に尋ねられ白衣女ドクターはグラスの中のブランデーを眺めた。
「・・・最初は、私はあの子達を戦場に投入することで歴史に名を刻みたいと思っていました。でも、あの子達には戦争よりも、もっと素晴らしいことに活かせる力がある。可能性と自由がある」
ドクターは残りの酒を一息に飲み干し深く息を吐いた。
「・・・そして、何より私は、あの子達に情が湧いてしまいましたよ。科学者である前に私はあの子達の母なのだと、そう思うようになってしまいました。マッドサイエンティストが聞いて呆れる」
自嘲するように笑うドクターを横目に一瞥し黒服男はもう一口ブランデーを煽った。
「・・・あの子達の卵子提供者は君だったな。失礼、セクハラだったかな?」
眉をハの字に歪め手を向けて謝罪の意を表する黒服男にドクターは肩をすくめて笑顔を返した。
「・・・まぁ、情が移ってしまうのも無理はない。かく言う俺も、あの子達に孫の姿を重ねてしまったよ。生きていればちょうどあの子達ぐらいの歳だ」
黒服男は懐から携帯端末を取り出し小さな3Dビジョンを映し出した。そこには今より少しだけ若い黒服男が赤ん坊を抱き微笑んでいる姿が映っている。
「俺もいい加減、戦争で奪われたモノを奪い返すのではなく、そういった連鎖を断ち切るすべを見出だすべきなのかも知れないな」
黒服男は携帯端末を操作して別のビジョンを映し出した。幼いメルキオーラ、バルサザール、キャスパールの三人が笑いながら遊んでいる光景だった。
「彼らが戦場に出る必要は無いだろう。その才能を他国にアピールできればそれだけで抑止力になる。彼らはただそこにいるだけで祖国の平和を守ることができる」
「“最強の兵器”を作るハズが“最高の英雄”を産み出してしまったわけですね」
「オリンピックや宇宙開発なんかの戦場で活躍してもらった方がいいかもな」
「そうですね。メリーは活発な娘ですしキャスはロマンチストです」
ドクターは自分の空のグラスにブランデーを注ぎ、黒服男のグラスにも追加の酒を注いだ。
「バリーはエンターテイナーですから将来はスターになるかも知れませんね」
「では今の内にサインを貰っておこう。握手しているツーショット写真も撮っておかないとな」
二人はグラスを傾けながら笑いあった。

二人が一度グラスをテーブルに置こうとした瞬間、強い揺れがビルを襲った。
「なんだ!?地震か!?ドクター!大丈夫か!?」
黒服男は即座に立ち上がり状況とドクターの無事を確認した。
「えぇ、大丈夫です。でも地震情報なんて出ていませんよ。それに、揺れが短すぎる・・・」
ドクターが携帯端末を確認した直後にまたビルが揺れた。
「何がどうなっている!?」
黒服男は携帯端末を取り出した所でハッとして応接室を飛び出した。
「大佐!」
ドクターも後に続く。
 

非常灯だけが照らす薄暗く長大な廊下を大佐とドクターは必死に走り抜ける。
「ドクター!あの子達は無事か!?」
「わかりません・・・!通信が・・・、誰も出ない・・・!いったい何が・・・!?」
息も絶え絶えに大佐の後ろをなんとか追走するドクター。
大佐はその姿を見て一度立ち止まった。
「ドクター、君は安全な場所に待避していてくれ。あの子達を見つけたら連絡する。君も何かわかったら連絡してくれ」
「・・・すみません、大佐」
ドクターが膝に手をつき息を整える中、大佐は暗い廊下の奥へと消えて行った。


大佐は携帯端末の画面を逐一確認しつつ下階へ向かう階段を駆け降りていた。
(エレベーターは機能していない。どころか、あらゆる電子制御システムがシャットダウンされている。電子施錠防護扉セキュリティ・ドアも全て解錠されていた。いったい誰だ・・・。アメリカ?ロシア?いずれにせよ外部からの襲撃なら目的はあの子達だ)
「待っていろ!すぐに行くぞ!」
大佐は階段を降りきると防火扉を開き一階エントランスに出た。
「これは・・・・・・」
大佐は言葉を失った。
常に清潔性を保たれていたエントランスが血に染まり火の手が上がっていた。
無惨に殺害された研究員や武装警備員達の死体が転がる中央に一人の少女が長い赤毛を振り乱し血塗れで佇んでいる。
「・・・あら、大佐じゃ~ん。お久しぶり」
少女は大佐に気づくなり気さくに手を振った。
「これは・・・、なんだ・・・?いったいどういうことだ・・・?メルキオーラ・・・」


“チドリ・バイオ・ケミカルズ株式会社”ビル五階、第二電子制御ルーム。
火災や襲撃に備えていざというときのパニックルームとしての役割も兼ねる電算室だ。
ドクターは室内の様子を見て唖然とした。
十数人の研究員の死体。暴走するコンピュータ群。その中央で金髪の少年が携帯端末片手にリラックスチェアに座って寛いでいる。
「キャスパール・・・、これは・・・、何をしているの・・・?」
「ん?あぁ、ドクター。どうも♪」
ドクターに気づいたキャスパールは笑顔で会釈した。


「いや、キャスのヤツがねぇ、どうもアンタらがアタシらの扱いに関して妙なことを考えてるって言うからさぁ」
メルキオーラはモップ棒に銃剣をくくりつけただけの簡易槍を振り回しながらニヤニヤと笑った。
「それは・・・、もういいんだ・・・」
大佐は肩を落としてうつむいた。
「お前達は・・・、確かに戦争の道具として作られた。だが、それはもういいんだ。ドクターと話し合った。お前達は戦う必要は無い。人を・・・、殺す必要なんて無いんだ」
大佐は悲痛な面持ちでメルキオーラを見詰めた。
対してメルキオーラは槍を振り弄びながら冷たい視線を大佐に向けている。
「お前達に兵士としての訓練をしたことは我々の過ちだった。後悔している。お前達は・・・、真っ当に生きていいんだ」

「うぜ」

メルキオーラは口元を歪めて嘲笑混じりに吐き捨てた。
「メルキオーラ・・・」
「つまんねぇことほざいてんじゃねぇよ。それが気に入らねぇって言ってんだよ」


「ひょっとして、僕らが戦争を望んでないとか思っちゃってます?」
キャスパールは板チョコを噛りながら立ちすくむドクターに笑いかけた。
「僕ら現代っ子ですからね。映画やゲームで見聞きするだけじゃ物足りなくもなりますよ。だから姉弟ぼくたちみんな戦場に投入されるのを楽しみにしてたのに・・・。何を日和ってるんですか?“最強の兵器”として僕らを作った癖に勝手に母性愛に目覚めて尻込みとか、ふざけんのも大概にしてください」
「キャスパール、私は・・・!」
「みなまで言わなくて結構ですよ。ドクターの気持ちに嘘が無いことぐらいわかってます。だからこそイヤなんですよ。ハッキリ言います。僕ら姉弟は暴力を、戦争を、血を望んでいるんですよ」
「なんで・・・?君達はそんな子じゃ・・・」
「そんな子ですよ、僕らは。ドクターはこれが僕らの一時の気の迷いだとか思ってるようですけど、勘違いです。僕らはもともとこんな子です」
ドクターは再び言葉を失い肩を落とした。
「『いつから?』ですか?まぁ、最初からですね。産まれた時から僕らこんな感じです。培養液の中で貴女と見詰め合っていた時には既に。・・・ん?あぁ、はい、憶えてますよ。産まれてから今の今まで、全て憶えてますよ。僕の記憶領域は常人のそれとは比べ物になりません。そんなこと貴女はよくわかってるでしょ?だから貴女との思い出もきちんと憶えてます。なのでせめてもの情けです、貴女の最後の望みだけは聞き入れさせてもらいますよ。貴女の望み通り僕らはこれから自由に生きます。自由に争い、自由に奪い、自由に殺します」
キャスパールは板チョコの包みを丸めて捨てて口の端に着いた跡を袖口で拭った。
ドクターは立ちすくんだまま指一本動かさず硬直している。額に脂汗が滲み、目だけがしきりに動いて自身の身体に起きている異常を訴えている。
「あ、そうそう。コレのことは言ってませんでしたね。“感受能力サイコメトリー”や“共感応力エンパシー”などを組み合わせ他人の神経細胞ニューロンに干渉して身体機能を操作する“能力パワー”を形成したんです。なかなか使い勝手がいいでしょ?こうして筋組織への情報伝達を遮断すればドクターは身動きが取れなくなります。で、これはせめてもの情けパート2です」
キャスパールが指を二本立てて見せた直後、ドクターは白目を向き、その場に倒れた。
「こんな風に、脳の活動を停止してあげれば相手を一切苦しめる事なく殺すことができるんですよ」


「ぷはははははは!いいねぇ、大佐ぁ!その歳でこんなに強ぇなんて思わなかったよ!」
メルキオーラは高笑いを上げ自身の口の端に着いた血を舐め取り足元で倒れる大佐を見下ろした。
「はぁ・・・はぁ・・・。お前達は・・・、怪物だ・・・」
大佐は血を吐きながらメルキオーラとその横に立つ黒髪の少年を睨み付けた。
「二人がかりでやっとだぜ。このジイさん化物だな」
バルサザールは溜め息混じりに苦笑して片方の鼻孔から鼻血を吹き捨てた。
「お、キャスも終わったみてぇだぞ姉貴」
「あぁ、キャスには辛い仕事を任せちゃったねぇ。ママを殺すなんて・・・、はぁ~・・・、なんて可哀想なママとキャス・・・」
メルキオーラはわざとらしく頬に手を当てて芝居がかった仕草で身をよじった。
バルサザールはそんなメルキオーラを無視して明後日の方を向いている。
「・・・おう。んじゃ、俺と姉貴はエントランスにいる。・・・全員死んだか?・・・オーケーオーケー♪きちんと記憶しとけよ、俺達の人生で初の記念すべき“皆殺し”だ♪・・・おう。じゃ、待ってるぜキャス」
バルサザールはメルキオーラの方へ向き直り歯を見せて笑った。
「姉貴、キャスが来る。車を回すから血ぃ拭いとけよ」
「お前、運転できんの?」
「したことはねぇけど・・・、“ワイルド・スピード”と“トランスポーター”は全部観た。それに・・・」
バルサザールはエントランスの入り口の方へ手をかざした。
少しして壁を突き破って軍用輸送車が飛び込んで来た。
「車は動かせる」
「なるほど」
メルキオーラは頷いて簡易槍を足元の死体に突き立てた。
「姉さん、兄さん、早く行こう。ここ臭いし汚いよ」
非常口から出て来たキャスパールは鼻をおさえて顔をしかめた。
「オーケーオーケー!さぁ、行こうぜ姉弟達!俺達の素晴らしき門出だ!」
バルサザールは軍用輸送車のドアを“念動能力サイコキネシス”で開いてメルキオーラとキャスパールを招き入れた。


三人を乗せた軍用輸送車両がイースト・オーギ・ストリートを本島へ向かって走っている。
「これからどうするよ?」
メルキオーラは顔に着いた血をティッシュで拭きながら尋ねた。
「カワサキバラはおもしろいところみたいだよ。遊び甲斐がありそうだ」
キャスパールは後部座席に寝そべりながら携帯端末をいじっている。
「ハッハー!オーケーオーケー!じゃ、まずはカワサキバラだ!人生は笑ったもん勝ち!おおいに笑って生きようぜ!哀れなドクターや大佐の分もな!ハッハーハハハハハ!」
バルサザールは車窓から頭を出し、顔に風を受けながら高笑いを上げた。
「あ、そうだ。俺らのファミリー・ネーム“スマイリー”でどうだ?」
「アタシ“メルキオーラ・ルー・スマイリー”か?」
「僕は“キャスパール・デュー・スマイリー”だね」
「俺は“バルサザール・ジョー・スマイリー”だ!ハッハー!オーケーオーケー!楽しくなってきやがったなぁ!ハッハーハハハハハ!」
軍用輸送車両が埋め立て地と本島とを繋ぐプロヴァー・ブリッジに差し掛かった瞬間、“チドリ・バイオ・ケミカルズ株式会社”ビルが爆発した。
バルサザールは燃え上がる爆炎を背に受け、高笑いを上げながら車を走らせ、混沌都市カワサキ・シティへと続く夜の闇の中に消えて行った。
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