やっぱりお酒は最強

猫いちご

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魅力的な先輩

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お酒って偉大だと思う。そう思うことが正に今起きている。


 俺には恋人がいる。2つ年上の無口な美人さんだ。俺が一目惚れし、アプローチをし続けやっと付き合うことができた素敵な男だ。付き合えたものの、クールで甘えられることなんてなかった。そう今までは…

「……ねぇ」

「ん~?なんすか先輩」

「俺のこと好き?」

「え!?めっちゃ好きですよ?
 突然どうしました?もしかして酔いました?」

 先輩の持っていたお酒の缶を持ち上げたがまだ数口しか飲んでないぐらい入っていた。
 実は言うと今日は先輩と初めて飲む日だ。いつもは誘っても断っていたが今日は珍しく、本当に珍しく先輩から誘ってきた。
 あまりに突然だったため食い気味に了承し、今宅飲みしているような状態だ。

「先輩お酒弱いんですね。今まで断ってたのはそれが原因ですか?」

「…弱くない」

「え?でももう酔ってますよね?
 耳とか真っ赤ですよ」

「…んッ」

 耳を触るとピクッと体を揺らす先輩が余りにも目に悪く自分の欲を必死に抑えながら先輩に声をかけた。
 いやほんのり赤く色づいた頬にピンクの唇。いつもと違い少しぼーっとしている目。全部が全部俺を煽ってくるくらい魅力的だ。
 だがここで手をだしたら男が廃る…

「先輩、もう横になりましょ」

「まだ飲む」

 ぐいっと飲みかけの缶を傾け飲みすすめる。
 う~ん…どうしたものか。先輩ほんとにお酒弱いんだな…

「ん…好きだよぉ…」

「え?」

 先輩が突然涙を流しながらつぶやく。

「俺もすき。ちゃんとすき」

「え、ちょ先輩?突然⸺」

 いつの間にか缶を机に置いて目の前まで近づいて来ていた先輩に口を塞がれた。ちろちろと舌で俺の唇を開けろとばかりに舐めてくる。
 あの、ちょっと俺の理性がやばそうなんだけど…!?

「…元気になってるよ」

 スリと服越しに主張を激しくしている俺を撫で先輩が言う。

「ッそれは先輩が余りにも、ぇ…えろいからで…」

 先輩は暑いのかシャツのボタンを第二ボタンまで外して、少し伸びてる横髪を耳にかけている。
 いやえっろい…

「ふ~ん」

 ちょっと不満そうに呟くとおもむろに立ち上がり俺を抱きしめた。シャツを控えめに押し上げる赤い乳首が目に入る。
 …もう手を出していいよなこれ。ほら据膳食わぬは男の恥って言うし。

「手、出してくれないの?」

「…出していいんですか?先輩が余りにも煽るので俺我慢できませんよ」

「ん。いいよ…ぅあ」

 食い気味に唇を奪い、舌を入れる。
 二人しかいない部屋に水音と漏れ出た声だけが響いていた。

 夜はまだこれからである。
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