【R18】そっとキスして暖めて

梗子

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変わらない日常で永遠を誓う

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「俺たち付き合ってもう5年になるんだな」
「そうだね」

 夏樹と颯斗は大学のサークルで出会った。
 眉目秀麗ながら誰にでも優しく接する颯斗は当時から人気があり、夏樹にとっては憧れの人だった。

「まさかこんなにえっちな人だとは思ってもみなかったけど……」
「しょうがないでしょ。こーんなにかわいい女の子が彼女なんだよ?変態にも狼にもなりますよ」

 火照った体が外気で冷えてきたのか夏樹はくしゃみをすると、颯斗は焦って夏樹を自分の体に抱き寄せる。

「ごめん、寒かった?」
「ううん、平気」

 夏樹を暖めようと颯斗は大きな体で夏樹を抱きしめた。

「あったかい……もっとぎゅっとして」
「よしよし。おいで、夏樹」

 そうしてさらに夏樹は暖かな颯斗の熱に包まれる。
 その熱がとても心地よかった。

「夏樹のおっぱいが俺の胸に当たってる……最高」
「……変態」

 はじめて付き合ったのも、はじめて体を
重ねたのも颯斗とだった。
 なんだかんだ言いながらも夏樹のはじめての相手が颯斗でよかったと夏樹は心から思っている。

「夏樹」
「ん?」

 夏樹が颯斗の腕から顔を出すと、颯斗はとても真剣な面持ちで夏樹を見つめていた。

「俺とこれからも一緒にいてほしい」
「……うん」
「もっと仕事を頑張って……夏樹を支えられると確信したら、その時、ちゃんとプロポーズさせてください」
「……分かりました。その時はよろしくお願いします」
「こ、こちらこそよろしく……」

 かちこちに緊張するぐらい自分との未来を真剣に考えてくれている颯斗の姿が夏樹はとても愛おしく感じた。

「でもあんまり頑張りすぎちゃ駄目だよ?」

 そういって夏樹は颯斗の唇に口づけを落とす。

「最近あんまり元気ないじゃない」
「別に体調も崩してないしこのくらいなんともないよ?」
「健康なのはいいんだけど……えと.……そうじゃなくて……学生の時は1日にご、5回もやってた時あったじゃない。だから颯斗疲れてるのかなって……」
「おや、夏樹さん。それはお誘いですか?」

 颯斗は無防備になっていた夏樹を再び押し倒すと再びその瞳に劣情の炎を灯す。
 
「え、だから、最近疲れているから1回だけなのかなって……」
「疲れているのは夏樹の方だろ?1回するとすぐ寝ちゃうし……夏樹の寝顔がかわいすぎてヤリたい気持ちを抑えるの大変だったんだぞ?まあ結局抑えられなくて1人で処理してたんだけど」
「う、うそ」
「うそじゃありません。夏樹が可愛すぎるのが悪いんです」

 そう言うと颯斗は夏樹に口づける。

「あー甘い」
「も、もうリップは取れてると思うけど」
「んーじゃあ、夏樹の唇が甘いんだな」
「わ、ちょっとまって……んっ!」
「それじゃあ、いただきます。……せっかくの休日だから今日はいっぱい夏樹を抱けるな」
 
 最初は戸惑っていた夏樹だったが、颯斗から与えられる熱に溺れていき、次第に夏樹からも颯斗を求めていく。

 雨の日の底冷えするような寒さも気にならないほど互いの体が重なり合い暖めあう。

 春が終わりを告げる雨の日に2人の恋人は何度も愛を求めあったのだった。

 
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