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私の意向に沿うように ロバート・サミュエル視点
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「さて、それではどうしようかニコラス侯爵。」
「何をお望みですか?」
私はニコラス侯爵の意思を確認したかったのだが、こちらの言う事に従うということか…だがな…
「何を?意味がわからないな。私は貴殿の娘がしでかした事の責を問うているんだが?」
シャーロット嬢がニコラス侯爵の娘でなくとも世間的にはそうなのだから仕方ない。
「私自身にどう責任を取るか聞いているのですか?そうですね…イザベルでも嫁がせますか?」
イザベルにもエドに嫁いでもらうが、簡単に嫁がせるなどと…自分の子供をどう思っているのだろうな…しかも血の繋がらない子供であるシャーロット嬢のために…更にイザベルを嫁がせるなどと侯爵自身が責任を取るつもりがないのも腹立たしいな。
この男の場合シャーロット嬢が可愛いからという理由ではないだろうが、本当にどの子もどうでも良いのだろうな。
そんな男に親としての愛情を求めていたネイオウミが可哀想でならない。
何よりもニコラス侯爵が今までネイオウミを隠していたと思うしかないな。
キャサリン夫人が何も言わないのは自身の子であるシャーロットの処遇が気になるからか?それとも自身とニコラス侯爵の処遇が気になるからか?どちらにしても事の成り行きを静観しているというところかな?
「それは願ってもない事だな。だが私としては先にネイオウミ嬢について考えてもらいたいな。」
「あぁネイオウミを引き取れば良いですか?やはりご迷惑をお掛けしましたか?」
ネイオウミが迷惑を掛けたと思っているのか?ニコラス侯爵は何か思惑があってネイオウミを助けたいと私達に言ってきていた事を隠す気はないのか?
まぁ侯爵がその気なら遠慮は要らないな。
「何を言ってるんですか?私はネイオウミ嬢とあなた方の縁を切って頂きたいと言っているんですよ。」
「私達とネイオウミの縁を?」
「えぇ。」
「…………?」
「もしかして公爵様はイザベルを嫁がせるのにネイオウミの存在を疎ましく思って私たちと縁を切らせ修道院に送るつもりですか?」
やっと発言したかと思えば随分な理由を並べ立てるな。
自分に都合の良い解釈をするところも母娘ともに似ているな。
「貴方達とは縁を切って頂きたいのはハロルドとネイオウミのためですよ。ネイオウミを修道院に送ることなど考えてもいませんよ。もし本人にそのつもりがあったとしてもです。」
「それはつまりどういうことですの?」
キャサリン夫人も話を理解できない類の人ですか…まぁ良いだろう。
「理由は簡単だ。ネイオウミをハロルドを侮辱した者達の家族でいさせるわけにはいかないからだよ。」
「な!」
「私の話は以上です。明日以降にでも正式な手続きに移らせていただきます。それからイザベル嬢の婚約も解消しておいて下さい。」
「何故ですの?」
「うちの息子に嫁いでくれるんでしょう?それでは失礼するよ。」
私は軽快な足取りで部屋を後にする。
私が先程までいた部屋から叫ぶ声があがろうと私には何も聞こえない。
それに私達は真の敵にこれから向かわねばならないのだから。
「何をお望みですか?」
私はニコラス侯爵の意思を確認したかったのだが、こちらの言う事に従うということか…だがな…
「何を?意味がわからないな。私は貴殿の娘がしでかした事の責を問うているんだが?」
シャーロット嬢がニコラス侯爵の娘でなくとも世間的にはそうなのだから仕方ない。
「私自身にどう責任を取るか聞いているのですか?そうですね…イザベルでも嫁がせますか?」
イザベルにもエドに嫁いでもらうが、簡単に嫁がせるなどと…自分の子供をどう思っているのだろうな…しかも血の繋がらない子供であるシャーロット嬢のために…更にイザベルを嫁がせるなどと侯爵自身が責任を取るつもりがないのも腹立たしいな。
この男の場合シャーロット嬢が可愛いからという理由ではないだろうが、本当にどの子もどうでも良いのだろうな。
そんな男に親としての愛情を求めていたネイオウミが可哀想でならない。
何よりもニコラス侯爵が今までネイオウミを隠していたと思うしかないな。
キャサリン夫人が何も言わないのは自身の子であるシャーロットの処遇が気になるからか?それとも自身とニコラス侯爵の処遇が気になるからか?どちらにしても事の成り行きを静観しているというところかな?
「それは願ってもない事だな。だが私としては先にネイオウミ嬢について考えてもらいたいな。」
「あぁネイオウミを引き取れば良いですか?やはりご迷惑をお掛けしましたか?」
ネイオウミが迷惑を掛けたと思っているのか?ニコラス侯爵は何か思惑があってネイオウミを助けたいと私達に言ってきていた事を隠す気はないのか?
まぁ侯爵がその気なら遠慮は要らないな。
「何を言ってるんですか?私はネイオウミ嬢とあなた方の縁を切って頂きたいと言っているんですよ。」
「私達とネイオウミの縁を?」
「えぇ。」
「…………?」
「もしかして公爵様はイザベルを嫁がせるのにネイオウミの存在を疎ましく思って私たちと縁を切らせ修道院に送るつもりですか?」
やっと発言したかと思えば随分な理由を並べ立てるな。
自分に都合の良い解釈をするところも母娘ともに似ているな。
「貴方達とは縁を切って頂きたいのはハロルドとネイオウミのためですよ。ネイオウミを修道院に送ることなど考えてもいませんよ。もし本人にそのつもりがあったとしてもです。」
「それはつまりどういうことですの?」
キャサリン夫人も話を理解できない類の人ですか…まぁ良いだろう。
「理由は簡単だ。ネイオウミをハロルドを侮辱した者達の家族でいさせるわけにはいかないからだよ。」
「な!」
「私の話は以上です。明日以降にでも正式な手続きに移らせていただきます。それからイザベル嬢の婚約も解消しておいて下さい。」
「何故ですの?」
「うちの息子に嫁いでくれるんでしょう?それでは失礼するよ。」
私は軽快な足取りで部屋を後にする。
私が先程までいた部屋から叫ぶ声があがろうと私には何も聞こえない。
それに私達は真の敵にこれから向かわねばならないのだから。
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