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ネイオウミ・レナイト アイザック視点

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扉を開けると、そこには身を固くし佇む女性がいた。
私が知る限りネイオウミ嬢は目の前にいるような女性ではなかったと思いますが…まぁ今日はジェダイナ公爵家の夜会ですから着飾れば見目を繕う事は出来るものですよね。
忘れるところでした。
まずは挨拶ですよね。

「ネイオウミ・レナイト様お初にお目にかかります。と言っても私の顔をお見せするわけにはいきませんのでこの様な姿で失礼します。大人しくされていた様で助かりました。もし暴れられれば多少の無体もしなければと思っていたものですから。」

はて?ネイオウミ嬢は本当に令嬢なのでしょうか?私が挨拶をしても何も言わないなんて…教養がないのですねキャサリン様やシャーロット様と違って…何と可哀想で残念なお方なのでしょう…まぁさっさと用件を伝えてしまいましょうか。

「それでは簡潔に要求をお伝えします。サミュエル公爵家から今直ぐ去って下さいませ。このままサミュエル公爵家の人間に会うことなく…です。そういえば貴女様は修道女になりたかったのですよね?貴女様が同意頂ければ修道院までお連れしますよ?まぁ、今直ぐに返事をされなくても構いませんが…今から一時間以内にお決め下さい。もしそれまでに返事を頂けなければあなたの生死に関わらずこの部屋から連れ出しますので…それでは、また一時間後に来ますのでそれまで大人しくしていて下さいませ。」

伝えたい事を簡潔に申し立ててもネイオウミ嬢は何も言いませんでした。
このままここに居ても無駄ですので部屋から去ろうとした時です。
何か違和感を感じました。
この違和感には覚えがありました。
確かパトリシア様に会った時にも感じたものです。
まぁあの方は出会って直ぐに亡くなられてしまったので断定しかねますが。
ただこの違和感がなんなのか分からないのは気味が悪く感じますが…考えても無駄ですね。
違和感に気分はあまり良くなかったですが部屋を後にしました。
私は一時間後にネイオウミ嬢が私の言った事を守ってくださらなければ…簡潔に言えば彼女の意思で修道院に行くと言って下さらなければパトリシア様のようになって頂くことになるのですが…そういえばネイオウミ嬢とはあの時に出会っていたのでしたね…なぜあの時ネイオウミ嬢は生き延びたのでしょうね?
彼女に興味は全くないのですが不思議なことが続くと気になってしまうのですよね…
あの時ネイオウミ嬢がパトリシア様と共に亡くなって下さっていればこの様な面倒にならずに済んだのに…うまくいかないものですね。
そう考えると一時間も考える時間を与える必要はなかったですね。
ですが一度口にしてしまいましたし、公爵様達がお待ちですから良しとしましょうか。
そうして私はまた自分の仕事に戻るのでした。
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