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お茶会⑥

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「私達の為にお義母様達が動いて下さってるのですよね?ありがとうございます!それで…私にも詳しくお話をして頂けませんか?私にも出来ることがあれば、頑張りたいんです。お願いします。」

「そうねぇ…」

ガチャ

「ロビン⁉︎」

「今日はイザベル嬢が来るからね、早く帰ってこれたよ。楽しんでいるかな?私も一緒しても良いかい?それで?今は何を話していたのかな?」

「エドの初恋は実りましたよ。ただベルは例の夜会まではシオドア・ラグデルと婚約者を続けてくれるわ。それからイオちゃんは5歳までの記憶が曖昧だって事が分かったわ。お母様がジェダイナ公爵家の犠牲になった事も伝えたわ。今はイオちゃんから詳細を教えてほしいと頼まれていたのよ。」

「ハハッ。随分とお茶会にしては重たい話をしていたんだな…そうか、話が聞きたいか…」

そう言いながら公爵様は私を見られました。
私をと言いますか…私の手元?
はっ!ハル様に手を握って頂いたままです!
手を離そうと動かしましたがハル様が離されません!
どうしたら良いでしょう…

「端的に説明するなら、私達はジェダイナ公爵家から力を奪いたいと考えている。」

えっと…このままでも良いのですか?

「レナイト侯爵殿は十数年に渡り尽力したため、王宮内での地位は以前よりも高くなった。だが古狸を引退させるには至らない…それは私と兄も同じで骨の折れる事なんだよ。しがらみがね…古くから残る家だし…公爵家の肩書きがある以上は王族の血筋ではあるしね…」

王族の血筋?

「という事はお義姉様はお姫様?」

「血筋としてはそうだけど、ジェダイナ公爵は受け継がなかった血筋だ。」

受け継がなかった…?

「王族の血筋の者は髪が鮮やかなグラデーションになる。その血が濃いほどに綺麗にな。」

そうでした…でもお義姉様は…
お義姉様の髪は綺麗な黄緑色…僅かに緑がかって見えなくはないですが…グラデーションではありません。

「私も叔母もシャーロットも血筋というだけよ。」

「不思議な事に王位に近い者の髪はグラデーションになるんだよ。」

王位に近い者?ハル様に…エド様、ダニー様は…

「3人は王位継承権を持っている。勿論私もね。」

王子様?

「あれ?知らなかった?兄には子供が出来なかったから、いずれは3人のうち誰かが王位を継ぐんだよ。」

確かに…現国王陛下にはお子様はいらっしゃらないので、お3人の内誰かが王位につくのが正しいのでしょうが…思ってもみませんでした…
私そんなにすごい方達と過ごしていたのですか?

「イオ、勘違いするな。俺達自身が凄いわけじゃない。だから気にするな。今まで通りでいろ。」

「そうそう。王族とは言ってもね兄も私も、古狸を引退させるには至らないわけだし…何とも情けないよ。まぁ表立って出てくるわけではないからね…裏で動くところが本当に厄介なんだよねぇ…でもね、私達はそんなジェダイナ公爵家の力を無くしたいんだよ。」

「その為に夜会を利用しジェダイナ公爵家を表舞台に引っ張り出すのですね。」

「その通りだよイザベル嬢。」

私には何が起きてるのか話を理解するのでいっぱいいっぱいです…

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