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109.夜会❻
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私はジェイドと話した後から夜会が終わるまでどう過ごしたか分からない。
ーグロリアに嫌われたくない…グロリアの代わりにリズベットを抱いたと知れたら?その上で子供までいるなんて知れたら…でもグロリアはジェイドとラピスラズリの誓いをしたと言っていた…もう私と一緒になることはないという事だよな…
「……ス?クリス?」
「はっ…‼︎何?サラエン。」
「どうしたの?大丈夫?」
「大丈夫だよ。それでどうしたの?」
「大丈夫なら良いけど…クリスはグロリア妃と王立学園で同じクラスだったのよね?」
「そうだね。」
「グロリア妃ってとても素敵な方よね。学生時代からそうだったの?」
「そうだね。彼女は性格も良かったから学園では人気者だったよ。」
「やっぱりそうなのね。話してみて思ったけど可愛いらしい方よね。陛下の事をとても愛していらっしゃるのが話を聞いててよく分かるの。」
「そう。」
「えぇ。ほらさっきもキスしてたでしょ?今も愛しているんですねって聞いたら真っ赤になっていらして。可愛かったわ。」
「そう…」
「もうちゃんと聞いてる?それでね陛下との馴れ初めを聞いたのよ。陛下との出会いは両家の政略結婚を目的にお会いになられたんですって。」
ーそうだ政略結婚なのになんでラピスラズリの誓いをしているんだ?
「初めは王太子殿下の婚約者になるって事もあって憂鬱だったそうなの。でもお会いした時にお互いに恋に落ちたんですって。それから2人は絆を育ませて学生時代にラピスラズリの誓いをした…まぁこの話は有名よね。今もあんなに想い合っていて羨ましいわ。」
ーグロリアは私を想っていない?初めから私を愛していない?どうして?私はこんなに愛しているのに…
サラエンの話は途中から聞こえていなかった。
グロリアに裏切られたという思いに囚われ、愛していたからこそ彼女を憎ませ、同時に裏切りの象徴である子供にも黒い感情が向かう。
ーあの子は私の子だ!違うグロリアの裏切りの象徴だ‼︎グロリアは私を愛しているんだ!いやグロリアは私を裏切ったんだ‼︎グロリアは私の事を愛していない?私の事が嫌い?だからあの子を産んだの?
グルグルと巡る思考に堕ちていく。
ー違う。あの女は偽者だ。私のグロリアを隠したんだ。偽者は排除しなくてはいけない。ジェイドと共に亡き者にしなくては…私達の子供を取り戻さなければ…そうだ、私を愛していない偽者は排除しなければ…
そして私は決めたのだ。
ジェイドと偽者のグロリアを亡き者にする事を。
ー結構は3日後。彼等が王都に戻る時だ。彼等の馬車に細工をするのは難しいだろうか…それなら道中に細工をするか?楽しみだな。これが成功すれば本当にグロリアが手に入る。グロリアが手に入るんだ‼︎
そう心を踊らせその日を迎える準備をする。
絶対に成功すると信じて疑わなかった。
私とグロリアが結ばれるのは決定事項だから。
ーグロリアに嫌われたくない…グロリアの代わりにリズベットを抱いたと知れたら?その上で子供までいるなんて知れたら…でもグロリアはジェイドとラピスラズリの誓いをしたと言っていた…もう私と一緒になることはないという事だよな…
「……ス?クリス?」
「はっ…‼︎何?サラエン。」
「どうしたの?大丈夫?」
「大丈夫だよ。それでどうしたの?」
「大丈夫なら良いけど…クリスはグロリア妃と王立学園で同じクラスだったのよね?」
「そうだね。」
「グロリア妃ってとても素敵な方よね。学生時代からそうだったの?」
「そうだね。彼女は性格も良かったから学園では人気者だったよ。」
「やっぱりそうなのね。話してみて思ったけど可愛いらしい方よね。陛下の事をとても愛していらっしゃるのが話を聞いててよく分かるの。」
「そう。」
「えぇ。ほらさっきもキスしてたでしょ?今も愛しているんですねって聞いたら真っ赤になっていらして。可愛かったわ。」
「そう…」
「もうちゃんと聞いてる?それでね陛下との馴れ初めを聞いたのよ。陛下との出会いは両家の政略結婚を目的にお会いになられたんですって。」
ーそうだ政略結婚なのになんでラピスラズリの誓いをしているんだ?
「初めは王太子殿下の婚約者になるって事もあって憂鬱だったそうなの。でもお会いした時にお互いに恋に落ちたんですって。それから2人は絆を育ませて学生時代にラピスラズリの誓いをした…まぁこの話は有名よね。今もあんなに想い合っていて羨ましいわ。」
ーグロリアは私を想っていない?初めから私を愛していない?どうして?私はこんなに愛しているのに…
サラエンの話は途中から聞こえていなかった。
グロリアに裏切られたという思いに囚われ、愛していたからこそ彼女を憎ませ、同時に裏切りの象徴である子供にも黒い感情が向かう。
ーあの子は私の子だ!違うグロリアの裏切りの象徴だ‼︎グロリアは私を愛しているんだ!いやグロリアは私を裏切ったんだ‼︎グロリアは私の事を愛していない?私の事が嫌い?だからあの子を産んだの?
グルグルと巡る思考に堕ちていく。
ー違う。あの女は偽者だ。私のグロリアを隠したんだ。偽者は排除しなくてはいけない。ジェイドと共に亡き者にしなくては…私達の子供を取り戻さなければ…そうだ、私を愛していない偽者は排除しなければ…
そして私は決めたのだ。
ジェイドと偽者のグロリアを亡き者にする事を。
ー結構は3日後。彼等が王都に戻る時だ。彼等の馬車に細工をするのは難しいだろうか…それなら道中に細工をするか?楽しみだな。これが成功すれば本当にグロリアが手に入る。グロリアが手に入るんだ‼︎
そう心を踊らせその日を迎える準備をする。
絶対に成功すると信じて疑わなかった。
私とグロリアが結ばれるのは決定事項だから。
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