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106.夜会❸

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毎日…毎日…私と彼女の逢瀬を邪魔しに来るジェイド。
グロリアもいつの間にか私に声を掛けてこなくなった。
私の横を通ったジェイドに「目障りな…。」と牽制したからグロリアに何か言ったのかもしれない。
だが王太子はあと半年で卒業する。
そうすればグロリアと共に過ごせる…

そう思っていたのに半年後王太子の卒業と共にグロリアも王妃教育のため王城に通う事になり学園に来なくなった。
本当に忌々しい男だ…

私を見下していた弟は婚約者以外の女を抱いている場面を父親と婚約者に見られ侯爵家を廃嫡された。
父は仕方なく私を跡取りにした。
私も政略結婚させられる事になった。
私の憂さ晴らしに弟をはめた結果だが、グロリアに会えない私にはもう何でもよかった。
その顔合わせの席で会ったのが今の妻だった。
顔も悪くなく性格にも問題ないが私の心が動く事はなかった。

ある日の夜会でジェイドとグロリアの結婚が近く執り行われることが発表された。
私の婚約者になったサラエンは体調が悪いと途中で帰っていった。
私のグロリアの腰に手を回し自分のものだと見せつけるジェイドに怒りが沸く。
ジェイドに身を任せるように寄り添うグロリアを見ていると息苦しくなり庭に出た。

庭には先約がいた。
ジェイドの側近であるネイト侯爵子息を愛しているが別の女性に奪われたと泣いていた。
彼女の気持ちに共感した私は自分の気持ちを話していた。
そして私は彼女に自分をその男の代わりにして抱かれないかと提案していた。
その代わり私もグロリアの代わりに貴女を抱くと。
そんな提案に乗るなんて思っていなかったが彼女は受け入れた。
私は彼女をグロリアに見立てて抱いた。
名前も知らないその女の体を何度も何度も貪った。
抱き潰し寝ている彼女を見ながらグロリアへの罪悪感に涙が溢れた。
情事の後で彼女の名はリズベットだと知った。

その後も私達は互いを慰めた。
互いに結婚しても関係を続けていた。
サラエンを抱いている時はグロリアの名を呼べなかったから、リズベットを抱いた。
リズベットは私の子を妊娠した。
時期から見て間違いなく私の子だった。
私も結婚しサラエンを義務的に抱いていたが子供は出来なかった。

結婚して4年ジェイドとグロリアの間にはまだ子供が産まれていなかった。
早く子供が産まれればグロリアは私の者になるのに…。

そしてグロリアは妊娠した。
それと同じ頃サラエンも妊娠した。
グロリアは無事子供を…この国の王太子を産んだが、サラエンは流産した。
サラエンとの行為は流産がきっかけとなったのだろう彼女が“養子を取りましょう”と言った事で終わった。
その時、リズベットとの子であるカルディナの事を一瞬思い出したが流産したばかりの彼女に外で作った子供を養子にするとは流石に言えず忘れる事にした。
サラエンは私とリズベットの関係を知っているか確認したことはない。
そして私は次第にこう思うようになっていった。

ーグロリアが私の子を産んだ。なのにジェイドが私の子を奪った…

この頃にはリズベットをグロリアと思って抱き続けていたからか本当にグロリアが私の子を産んだと思っていた。
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