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102.夜会②
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高位貴族の挨拶が終わると歓談の時間となる。
立食式の食事や飲み物を飲みながら楽しく話をし始める。
すかさずフィアに話しかける。
(フィアさっきの話の続き良い?)
(えぇ。さっき婚約式の時に私がジークのお義母様と同じ加護を私が受けていると聞いた時の侯爵の顔が私には喜んでいるように見えたの。)
(フィアと母の妖精の加護が一緒なのを喜んでいた事は私も思った。)
(私があの夫人に拐われていた時に会った人は侯爵です。)
(それはさっきも言っていたよね?)
(私がジークと出会えたのはお義母様達の想いの強さのおかげで妖精の回廊を通れたからだと思うの。)
(うん。ごめんフィア結論を早く。もう時間がない。)
事情を知らない侯爵一家が此方に来ようとしている。
レナトス公爵とガウェイン公爵が気付きこちらに向かってきてくれているが間に合うか微妙な距離だ。
ーまさか公爵達が挨拶に来ないのに先に来ようとする者達がいるとは思わなかった。誤算だ。フィアの話をゆっくり聞きたいのに…
(ごめんなさい。)
ーフィアを謝らせたくないのにアイツら…
(つまり侯爵にとっても同じ…)
これ以上は無理だと判断したフィアが話を切る。
ー侯爵にとっても同じ?私とフィアが出会えたのと侯爵がフィアと出会えたことが同じだと?母との想いの強さを言っているのか?だとしたら侯爵はフィアをそういう目で見ているのか?
挨拶に来た侯爵家へ笑顔で対応しながら信じられない思いでいた。
この話を公爵と側近に早く伝えたい。
なのにこちらに向かっていた公爵達も他の貴族につかまっいて直ぐには向かえな状態になり、侯爵家が挨拶したことで他の者達も私達の元に向かっていた。
ここで無闇に側近をこれ以上近づけることは難しい。
時間が過ぎのが遅く感じて苦しくなる。
今フィアは何を思っているだろうか?
こちらに近づいてくる貴族の中にキラデル侯爵が見える。
対策が取れないまま侯爵と会うのは危険だ。
その時バンガス侯爵がキラデル侯爵に話しかけヴェルド伯爵がこちらに向かってくる。
ヴェルド伯爵が挨拶に来ればレオンが側に来ても不自然ではない。
2人のおかげで時間が稼げそうだ。
「陛下、オフィーリア様本日は誠におめでとうございます。」
ヴェルド伯爵が挨拶し後ろに控えたレオンも会釈する。
「して何がありました?お二人で何やら話していましたよね?それからお二人が動揺している様に見えたものですから…もし違いましたら勝手を致しまして申し訳ありません。」
「いや良くやってくれた。フィアと話していてかの侯爵の異変に気付いた。至急この事を伝達してくれ。」
「してそれは如何様な事ですか?」
「かの侯爵はフィアが私の母と同じ妖精の加護を受けている事を聞き喜んでいる。母と己の想いが強いからとでも思っているのだろう。フィアに何かしてくる可能性が高い。」
「ヴェルド伯爵様。同様に陛下の御身も狙われる可能性があります。私の婚約者はジークです。私達はラピスラズリの誓いをしています。陛下のご両親と同じ様に。」
「オフィーリア様の仰る通りです。お二人の御身が狙われていると考えて良いでしょう。」
「フィアの安全を優先しろ。」
「善処はします。」
「ヴェルド伯爵!」
「陛下。当然の判断です。」
「フィア…」
「私は陛下の御身も私の御身も危険に晒す覚悟は出来ております。陛下もお覚悟をお決め下さい。」
「はぁ…分かった。順当に行けばこの後かの侯爵と話す事になる。警戒を怠るなよ。」
「御意に。」
立食式の食事や飲み物を飲みながら楽しく話をし始める。
すかさずフィアに話しかける。
(フィアさっきの話の続き良い?)
(えぇ。さっき婚約式の時に私がジークのお義母様と同じ加護を私が受けていると聞いた時の侯爵の顔が私には喜んでいるように見えたの。)
(フィアと母の妖精の加護が一緒なのを喜んでいた事は私も思った。)
(私があの夫人に拐われていた時に会った人は侯爵です。)
(それはさっきも言っていたよね?)
(私がジークと出会えたのはお義母様達の想いの強さのおかげで妖精の回廊を通れたからだと思うの。)
(うん。ごめんフィア結論を早く。もう時間がない。)
事情を知らない侯爵一家が此方に来ようとしている。
レナトス公爵とガウェイン公爵が気付きこちらに向かってきてくれているが間に合うか微妙な距離だ。
ーまさか公爵達が挨拶に来ないのに先に来ようとする者達がいるとは思わなかった。誤算だ。フィアの話をゆっくり聞きたいのに…
(ごめんなさい。)
ーフィアを謝らせたくないのにアイツら…
(つまり侯爵にとっても同じ…)
これ以上は無理だと判断したフィアが話を切る。
ー侯爵にとっても同じ?私とフィアが出会えたのと侯爵がフィアと出会えたことが同じだと?母との想いの強さを言っているのか?だとしたら侯爵はフィアをそういう目で見ているのか?
挨拶に来た侯爵家へ笑顔で対応しながら信じられない思いでいた。
この話を公爵と側近に早く伝えたい。
なのにこちらに向かっていた公爵達も他の貴族につかまっいて直ぐには向かえな状態になり、侯爵家が挨拶したことで他の者達も私達の元に向かっていた。
ここで無闇に側近をこれ以上近づけることは難しい。
時間が過ぎのが遅く感じて苦しくなる。
今フィアは何を思っているだろうか?
こちらに近づいてくる貴族の中にキラデル侯爵が見える。
対策が取れないまま侯爵と会うのは危険だ。
その時バンガス侯爵がキラデル侯爵に話しかけヴェルド伯爵がこちらに向かってくる。
ヴェルド伯爵が挨拶に来ればレオンが側に来ても不自然ではない。
2人のおかげで時間が稼げそうだ。
「陛下、オフィーリア様本日は誠におめでとうございます。」
ヴェルド伯爵が挨拶し後ろに控えたレオンも会釈する。
「して何がありました?お二人で何やら話していましたよね?それからお二人が動揺している様に見えたものですから…もし違いましたら勝手を致しまして申し訳ありません。」
「いや良くやってくれた。フィアと話していてかの侯爵の異変に気付いた。至急この事を伝達してくれ。」
「してそれは如何様な事ですか?」
「かの侯爵はフィアが私の母と同じ妖精の加護を受けている事を聞き喜んでいる。母と己の想いが強いからとでも思っているのだろう。フィアに何かしてくる可能性が高い。」
「ヴェルド伯爵様。同様に陛下の御身も狙われる可能性があります。私の婚約者はジークです。私達はラピスラズリの誓いをしています。陛下のご両親と同じ様に。」
「オフィーリア様の仰る通りです。お二人の御身が狙われていると考えて良いでしょう。」
「フィアの安全を優先しろ。」
「善処はします。」
「ヴェルド伯爵!」
「陛下。当然の判断です。」
「フィア…」
「私は陛下の御身も私の御身も危険に晒す覚悟は出来ております。陛下もお覚悟をお決め下さい。」
「はぁ…分かった。順当に行けばこの後かの侯爵と話す事になる。警戒を怠るなよ。」
「御意に。」
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