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100.婚約式③
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「おめでとうございます陛下、オフィーリア様。」
サラエン夫人がそう言いながら近寄って来る。
此方を窺っているキラデル侯爵の瞳には苛立ちが見える。
まぁまだ大聖堂に残っている貴族が口々に私の両親の話をしているからだろう。
「ありがとうございます。どうぞこの後の夜会にもお越しくださいませ。」
そう言いながら夫人に祝福の花を贈るフィア。
サラエン夫人も中々に食えない相手だから私は警戒している。
「ありがとうございます、オフィーリア様。お2人の馴れ初めをお聞きしましたわ。とても運命的な出会いなのですよね。」
「…はい。」
「まぁ照れてるお顔がとても初々しいわ。」
「やめてくださいサラエン夫人。ですが陛下との出会いは陛下のご両親のお導きだと思っています。」
「そうなんですのよね。確かおオフィーリア様はグロリア妃と同じ花の妖精フロリス様の加護を受けているのですよね?」
フィアが花の妖精フロリスの加護を受けていると聞くなりキラデル侯爵が瞳を輝かせたように見える。
だが次のフィアの発言で苛立ちを更に膨らませる。
「はい。ですので陛下と出会えたのは陛下がお義父様から受け継いだ妖精様の加護と、私がグロリアお義母様から受け継いだ妖精様の加護により出会えたのだと思っていますの。」
「そうなのですね。確かにお2人はお互いをとても大切に想い合っていましたわ。そんな相手に出会えることはとても素敵な事ですわよね。」
「はい。ですので今回の婚約式は陛下と相談して、ご両親の婚約式に倣わさせていただいたんです。」
「えぇ。私の両親の様に仲睦まじい家族になりたいとフィアとはいつも話しているんです。」
「素敵ですわね。あっ申し訳ございません長々と話してしまって。もし機会があれば夜会の時にまたお話しさせて下さい。あなたは?陛下とオフィーリア様にお祝いの言葉はないの?」
「…君が話を楽しんでいたから言えなかったんだよ。陛下……オフィーリア様………おめでとうございます。この後の夜会も楽しみにしていますよ。」
「ありがとう。キラデル侯爵。」
「ありがとうございます。キラデル侯爵様。」
「それでは、また。」
そう言い立ち去るキラデル侯爵が最後に見たのはフィアだった。
母と同じ妖精の加護を持っているフィアに興味を持ったのか?
何か引っかかる…見落としてはいけない何かを見落としているような気がして焦燥感に襲われる。
でもその何かに思い当たる前に挨拶をすることになる。
最後に叔父夫婦と挨拶した時にその焦燥感は薄れ忘れていた。
でも最後まで考えておくべきだったんだ。
そうすれば、あんな事にはならなかった筈なのに…。
サラエン夫人がそう言いながら近寄って来る。
此方を窺っているキラデル侯爵の瞳には苛立ちが見える。
まぁまだ大聖堂に残っている貴族が口々に私の両親の話をしているからだろう。
「ありがとうございます。どうぞこの後の夜会にもお越しくださいませ。」
そう言いながら夫人に祝福の花を贈るフィア。
サラエン夫人も中々に食えない相手だから私は警戒している。
「ありがとうございます、オフィーリア様。お2人の馴れ初めをお聞きしましたわ。とても運命的な出会いなのですよね。」
「…はい。」
「まぁ照れてるお顔がとても初々しいわ。」
「やめてくださいサラエン夫人。ですが陛下との出会いは陛下のご両親のお導きだと思っています。」
「そうなんですのよね。確かおオフィーリア様はグロリア妃と同じ花の妖精フロリス様の加護を受けているのですよね?」
フィアが花の妖精フロリスの加護を受けていると聞くなりキラデル侯爵が瞳を輝かせたように見える。
だが次のフィアの発言で苛立ちを更に膨らませる。
「はい。ですので陛下と出会えたのは陛下がお義父様から受け継いだ妖精様の加護と、私がグロリアお義母様から受け継いだ妖精様の加護により出会えたのだと思っていますの。」
「そうなのですね。確かにお2人はお互いをとても大切に想い合っていましたわ。そんな相手に出会えることはとても素敵な事ですわよね。」
「はい。ですので今回の婚約式は陛下と相談して、ご両親の婚約式に倣わさせていただいたんです。」
「えぇ。私の両親の様に仲睦まじい家族になりたいとフィアとはいつも話しているんです。」
「素敵ですわね。あっ申し訳ございません長々と話してしまって。もし機会があれば夜会の時にまたお話しさせて下さい。あなたは?陛下とオフィーリア様にお祝いの言葉はないの?」
「…君が話を楽しんでいたから言えなかったんだよ。陛下……オフィーリア様………おめでとうございます。この後の夜会も楽しみにしていますよ。」
「ありがとう。キラデル侯爵。」
「ありがとうございます。キラデル侯爵様。」
「それでは、また。」
そう言い立ち去るキラデル侯爵が最後に見たのはフィアだった。
母と同じ妖精の加護を持っているフィアに興味を持ったのか?
何か引っかかる…見落としてはいけない何かを見落としているような気がして焦燥感に襲われる。
でもその何かに思い当たる前に挨拶をすることになる。
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