【完】太陽の王が愛する妖精王の寵児

奏直

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99.婚約式②

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婚約式には2つの意味がある。
1つ目は将来を共に歩むパートナーを想い・敬う気持ちと、より強い絆を育むための決意の場である。
恋愛結婚でも政略結婚でもその確認をする場として良い機会だ。
2つ目は王侯貴族に将来夫婦になる若い2人を披露し力添えを請う場である。
要はこれから社交界を担う者達の顔見せとなる。

ラピスラズリの誓いをしていた先代国王夫妻の婚約式には令息・令嬢を参列させる事が憚られた。
それに倣い私達の婚約式にも現在爵位を受け継いでいる者達だけの参列となっている。
例外は私の側近だけだ。

「尚、ジークフリート陛下とオフィーリア嬢はラピスラズリの誓いをしている。お二人は婚約をし7年が経っています。若くして婚約した二人が困難を乗り越え今日この良き日に婚約式を執り行うことができる事は喜ばしいことです。この国を率いるお二人をどうか皆様、末永くお支え頂きますようお願い申し上げます。それでは宣誓と誓約の儀に移ります。」

私達は大聖堂の管理者の宣言を聞き一礼した後祭壇の方に向き直り宣誓する。

「妖精王ルベリオンに誓います。私はオフォーリア・ロサ・オーウェンを婚約者とし将来この国の担い手となる者に成長します。
参列されました皆様に誓います。近い将来、私は彼女と結婚し皆様と共にこの国の礎となるために尽力します。
オフィーリア・ロサ・オーウェンに誓います。私は貴女に伴侶として認めていただける様に鍛錬を怠らず貴女を常に大切に想い愛し続けます。
ジークフリート・ギル・ラディウスはここに誓う。」

「妖精王ルベリオン様に誓います。私はジークフリート・ギル・ラディウスを婚約者とし将来この国の担い手となる者に成長致します。
参列された皆様に誓います。近い将来、私は彼と結婚し皆様と共にこの国の礎となるために尽力致します。
ジークフリート・ギル・ラディウスに誓います。私は貴方に伴侶として認めていただける様に鍛錬を怠らず貴方を常に大切に想い愛し続けます。
オフィーリア・ロサ・オーウェンはここに誓います。」

「では誓約の書への署名をお願いいたします。」

私がまず署名した後、続けてフィアが署名する。

「署名確認いたしました。では誓いの指輪を此方でお預かりします。」

コトっと一つの箱を祭壇に置き大聖堂の管理者に渡す。
この箱の中に私がフィアに贈る指輪が入っている。
結婚式の時に今日の誓いを思い出しフィアに贈るのだ。
それまでは妖精王の祝福を受けたこの場所で保管される。
ちなみに箱には鍵がかかっており私しか開けることが出来ない仕様になっている。

「確かにお預かりしました。でわお二人からこの後の夜会で夫人方に身につけていただく祝福の花をお贈り致します。皆様には順にお二人の側にお越しいただき受け取って頂きます。この後の夜会までの時間はホールにて御ゆるりとお過ごしください。また祝福の花をお受け取りの際には若きお二人にお声を掛けて下さい。」

大聖堂の管理者の声の後、フィアのお姉さん達とフロリスが私達に花籠を渡してくれる。
下位の貴族から順に私達のもとへ来る。
その際、祝福の言葉と共に両親達の婚約式を思い出したという言葉や思い出を語ってくれる。
一瞬盗み見たキラデル侯爵の顔は歪んでいた。
そしてキラデル侯爵夫妻の順番になる。


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