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98.婚約式①
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結局フィアにドレスを見せたのはあれから3日後、婚約式の4日前だった。
出来上がっていたのにすぐに教えなかった私に"ドレス楽しみにしてたんだから!"とフィアが可愛い文句を言う。
それでもフィアが嬉しそうにしているのを見て私はまた幸せな気持ちになった。
フェアリーピンクのドレスに身を包み、フィアの瞳の色の宝石を身につけ、化粧をしたフィアが私を待っている。
窓の外をぼんやりと眺めているフィアは私に気付いていない。
フィアのドレスが崩れない様にフワリと後ろから抱きしめる。
私の身体にその身を預け寄りかかるフィアの重みに喜びが込み上げる。
「陛下。オフィーリア様。」
ノックの後私達を呼ぶ声がする。
体を離しフィアに腕を差し出すと細い腕が絡められる。
「行こうかフィア。緊張してる?」
「はい。緊張してます。」
フィアは裾の長いドレスを身に纏っているため、歩幅を合わせゆっくり歩く。
私もフィアも幸せと緊張と不安が募る。
私たちが今いる場所は大聖堂と呼ばれる妖精王の祝福の間だ。
王城内に建つ静謐なその場所は王族に連なる夫婦の婚約式と結婚式を執り行ってきた。
王家・公爵家は必ずここで式をあげる。
他にも王都内に聖堂と呼ばれる場所があり妖精王の妹の祝福を受けている。
こちらは豪華な作りになっている。
本来は侯爵家以下はどちらを使用するにも王家への申請をする事で使用できるのだが、ただ許可がおりやすいのが聖堂のため聖堂で式を挙げるものが多くなった。
結果的に大聖堂は王家に連なる者が式を執り行う場所という認識となった。
また、侯爵家以下は婚約式をしない事も多い。
レオンからキラデル侯爵が到着したことは報告を受けている。
恐らく会場内では私達と私の両親の話がなされている事だろう。
夫人方の努力の甲斐あって無意識の協力者は多い。
後はこちらの意図通りにキラデル侯爵が動くかだ。
廊下の先に白を基調とした荘厳な扉の前に着く。
2人して深呼吸をする。
事扉が開けば私達の婚約式も計画も始まる。
暫しの間の後ゆったりとしたハープの演奏が始まる。
「フィア愛しているよ。」
「私も愛しているわジーク。」
視線を合わせると扉がゆっくりと開かれる。
前を向き大聖堂の中に一歩進み出る。
フィアと歩調を合わせ沢山の貴族に見られながら前を向きゆっくりと進む。
視界にキラデル侯爵が見える。
その口元は下卑た笑顔が見え気味が悪かった。
私を凝視しているその瞳は見るからに喜色に満ちていた。
母の色を纏う私を見て笑っていると思うとゾッとする。
その瞳がチラリとフィアを見ると驚きに目が見開く。
やはりフィアが囚われている時に会った男はキラデル侯爵で間違いないようだ。
フィアも気付いたのか絡ませた腕に力が入った。
心配になりフィアを見るとその顔は平静を装い微笑みを浮かべている。
キラデル侯爵の前を通り過ぎ誓いの祭壇の前に着く。
祭壇の前に着くと振り返り参列した人達に一礼する。
「これより、ジークフリート・ギル・ラディウス国王陛下とオフィーリア・ロサ・オーウェン侯爵令嬢の婚約式を執り行います。」
出来上がっていたのにすぐに教えなかった私に"ドレス楽しみにしてたんだから!"とフィアが可愛い文句を言う。
それでもフィアが嬉しそうにしているのを見て私はまた幸せな気持ちになった。
フェアリーピンクのドレスに身を包み、フィアの瞳の色の宝石を身につけ、化粧をしたフィアが私を待っている。
窓の外をぼんやりと眺めているフィアは私に気付いていない。
フィアのドレスが崩れない様にフワリと後ろから抱きしめる。
私の身体にその身を預け寄りかかるフィアの重みに喜びが込み上げる。
「陛下。オフィーリア様。」
ノックの後私達を呼ぶ声がする。
体を離しフィアに腕を差し出すと細い腕が絡められる。
「行こうかフィア。緊張してる?」
「はい。緊張してます。」
フィアは裾の長いドレスを身に纏っているため、歩幅を合わせゆっくり歩く。
私もフィアも幸せと緊張と不安が募る。
私たちが今いる場所は大聖堂と呼ばれる妖精王の祝福の間だ。
王城内に建つ静謐なその場所は王族に連なる夫婦の婚約式と結婚式を執り行ってきた。
王家・公爵家は必ずここで式をあげる。
他にも王都内に聖堂と呼ばれる場所があり妖精王の妹の祝福を受けている。
こちらは豪華な作りになっている。
本来は侯爵家以下はどちらを使用するにも王家への申請をする事で使用できるのだが、ただ許可がおりやすいのが聖堂のため聖堂で式を挙げるものが多くなった。
結果的に大聖堂は王家に連なる者が式を執り行う場所という認識となった。
また、侯爵家以下は婚約式をしない事も多い。
レオンからキラデル侯爵が到着したことは報告を受けている。
恐らく会場内では私達と私の両親の話がなされている事だろう。
夫人方の努力の甲斐あって無意識の協力者は多い。
後はこちらの意図通りにキラデル侯爵が動くかだ。
廊下の先に白を基調とした荘厳な扉の前に着く。
2人して深呼吸をする。
事扉が開けば私達の婚約式も計画も始まる。
暫しの間の後ゆったりとしたハープの演奏が始まる。
「フィア愛しているよ。」
「私も愛しているわジーク。」
視線を合わせると扉がゆっくりと開かれる。
前を向き大聖堂の中に一歩進み出る。
フィアと歩調を合わせ沢山の貴族に見られながら前を向きゆっくりと進む。
視界にキラデル侯爵が見える。
その口元は下卑た笑顔が見え気味が悪かった。
私を凝視しているその瞳は見るからに喜色に満ちていた。
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その瞳がチラリとフィアを見ると驚きに目が見開く。
やはりフィアが囚われている時に会った男はキラデル侯爵で間違いないようだ。
フィアも気付いたのか絡ませた腕に力が入った。
心配になりフィアを見るとその顔は平静を装い微笑みを浮かべている。
キラデル侯爵の前を通り過ぎ誓いの祭壇の前に着く。
祭壇の前に着くと振り返り参列した人達に一礼する。
「これより、ジークフリート・ギル・ラディウス国王陛下とオフィーリア・ロサ・オーウェン侯爵令嬢の婚約式を執り行います。」
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