97 / 127
97.ドレス
しおりを挟む
フィアのドレスが仕上がる。
1着はフェアリーピンクのプリンセスラインのドレス。
このドレスは婚約式の時に着るもののため控えめな装飾になっている。
2着目はに私の髪色に合わせた濃紺に私の瞳の色に近いイエローやシェリーカラーのレースをあしらったAラインのドレスだ。
どちらも肌の露出を最大限なくした作りにしている。
我国の婚約式は王家・公爵家は必ず行うのだが、侯爵家以下は自由となっている。
婚約式は各々の色を身につけて出る事が決まりだ。
だからフィアは髪色に合わせたフェアリーピンクに私は濃紺の正装服になっている。
フィアに比べ私は国王である事もあり装飾が多い。
夜会は互いの色を纏う。
私はフィアの瞳のアクアマリンを纏ったスーツを着る。
そして結婚式では白いドレスとスーツを着る。
つまり"私を貴方の色にして欲しい"と婚約式で身に纏った色が夜会で"互いの色に染まり"、そして結婚式では"2人で新しい色を作っていきましょう"となるのがこの国の結婚までの作法の様なものだ。
そしてフィアの結婚式に着るドレスも仕上がっている。
マーメイドラインの純白ドレス。
結婚式のドレスが何故出来ているのかというと、先日の一件で私の我慢はいつ決壊してても崩壊してもおかしくないと判断したため婚約式後1年…いや半年以内に結婚式をしようと画策中だからだ。
この計画にはフィアも賛同してくれている。
別にそういう事をしたいから結婚するわけでは決してない。
ただ私達にとっては今の状態でも結婚しても同じなのだ。
互いを唯一の伴侶として将来を共にしていくのだ。
それなら早く結婚しても同じだと考えたのだ。
出来上がったドレスはフィアにはまだ見せていない。
絶対に似合うだろう。
ネイト宰相と話合い書類上の婚約者になって7年…
その7年間フィアが私の婚約者だと明かす事は出来なかった。
やっとフィアを私の婚約者だと堂々と言える事がこんなに嬉しいなんて。
いつ見せようか?どんな顔するかな?なんて楽しみまである。
その思いとは反対にキラデル侯爵を捕らえられるかな?と不安にも思う。
今回の計画は少し修正する事にした。
婚約式で両親の話をする事に変更はない。
ただこの時の私の衣装が母から受け継いだ濃紺色を纏うためキラデル侯爵から言質を取る事は難しいと判断した。
だから夜会だ。
夜会では父の色をフィアのドレスに取り入れている。
デザインが母(濃紺)を父(トパーズ)が抱きしめている様に感じる作りになっている。
キラデル侯爵は深緑の髪と瞳だ。
婚約式では散々2人の話を聞かされ夜会でそのドレスを着て仕上げに私が両親への想いを語る。
ー準備出来る事はしてきた。絶対に夜会で証言させる。そのために大切な婚約式を計画に入れているのだ。フィアとの幸せな結婚生活のためにも…両親の仇を討つためにも…
あと1週間後にその日は迫っていた。
1着はフェアリーピンクのプリンセスラインのドレス。
このドレスは婚約式の時に着るもののため控えめな装飾になっている。
2着目はに私の髪色に合わせた濃紺に私の瞳の色に近いイエローやシェリーカラーのレースをあしらったAラインのドレスだ。
どちらも肌の露出を最大限なくした作りにしている。
我国の婚約式は王家・公爵家は必ず行うのだが、侯爵家以下は自由となっている。
婚約式は各々の色を身につけて出る事が決まりだ。
だからフィアは髪色に合わせたフェアリーピンクに私は濃紺の正装服になっている。
フィアに比べ私は国王である事もあり装飾が多い。
夜会は互いの色を纏う。
私はフィアの瞳のアクアマリンを纏ったスーツを着る。
そして結婚式では白いドレスとスーツを着る。
つまり"私を貴方の色にして欲しい"と婚約式で身に纏った色が夜会で"互いの色に染まり"、そして結婚式では"2人で新しい色を作っていきましょう"となるのがこの国の結婚までの作法の様なものだ。
そしてフィアの結婚式に着るドレスも仕上がっている。
マーメイドラインの純白ドレス。
結婚式のドレスが何故出来ているのかというと、先日の一件で私の我慢はいつ決壊してても崩壊してもおかしくないと判断したため婚約式後1年…いや半年以内に結婚式をしようと画策中だからだ。
この計画にはフィアも賛同してくれている。
別にそういう事をしたいから結婚するわけでは決してない。
ただ私達にとっては今の状態でも結婚しても同じなのだ。
互いを唯一の伴侶として将来を共にしていくのだ。
それなら早く結婚しても同じだと考えたのだ。
出来上がったドレスはフィアにはまだ見せていない。
絶対に似合うだろう。
ネイト宰相と話合い書類上の婚約者になって7年…
その7年間フィアが私の婚約者だと明かす事は出来なかった。
やっとフィアを私の婚約者だと堂々と言える事がこんなに嬉しいなんて。
いつ見せようか?どんな顔するかな?なんて楽しみまである。
その思いとは反対にキラデル侯爵を捕らえられるかな?と不安にも思う。
今回の計画は少し修正する事にした。
婚約式で両親の話をする事に変更はない。
ただこの時の私の衣装が母から受け継いだ濃紺色を纏うためキラデル侯爵から言質を取る事は難しいと判断した。
だから夜会だ。
夜会では父の色をフィアのドレスに取り入れている。
デザインが母(濃紺)を父(トパーズ)が抱きしめている様に感じる作りになっている。
キラデル侯爵は深緑の髪と瞳だ。
婚約式では散々2人の話を聞かされ夜会でそのドレスを着て仕上げに私が両親への想いを語る。
ー準備出来る事はしてきた。絶対に夜会で証言させる。そのために大切な婚約式を計画に入れているのだ。フィアとの幸せな結婚生活のためにも…両親の仇を討つためにも…
あと1週間後にその日は迫っていた。
0
お気に入りに追加
122
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

【完結】お姉様の婚約者
七瀬菜々
恋愛
姉が失踪した。それは結婚式当日の朝のことだった。
残された私は家族のため、ひいては祖国のため、姉の婚約者と結婚した。
サイズの合わない純白のドレスを身に纏い、すまないと啜り泣く父に手を引かれ、困惑と同情と侮蔑の視線が交差するバージンロードを歩き、彼の手を取る。
誰が見ても哀れで、惨めで、不幸な結婚。
けれど私の心は晴れやかだった。
だって、ずっと片思いを続けていた人の隣に立てるのだから。
ーーーーーそう、だから私は、誰がなんと言おうと、シアワセだ。
捨てられた王妃は情熱王子に攫われて
きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。
貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?
猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。
疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り――
ざまあ系の物語です。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる