96 / 127
96.弱くて傲慢で情けない男の本気の葛藤
しおりを挟む
いつもより長い口付けに我慢が出来なくなりそうだった。
分かっているのにもう少しと思う自分を止められない。
フィアが倒れそうになるのを支えたら体勢を崩してベッドに倒れ込んでしまう。
これはまずいと分かっているのに止める事が出来ない。
「はぁ…ジ…ィク…。」
艶かしいフィアの声に頭が焼き切れそうになる。
これ以上進んだら絶対に止められないとなけなしの理性で止まる。
瞳が潤んでいるフィアに引き寄せられそうになるのをグッと我慢する。
「ジ…クゥ…もっ…と…」
ー待って待って待って待って~ダメだこれ以上は本当にダメだ。私はフィアを大切にしたいんだ。こんな勢いでなんて…フィアも何でもっとなんて言うんだよ‼︎まずい本当にまずい‼︎
「待ってフィア‼︎これ以上はダメだ…」
「何で?ジーク…」
ー何でって…我慢できないからです。せめて、せめて婚約式までは…って婚約式したらいいのかって話で…
「やっぱり私の身体が傷だらけだから?」
「違うよ。もう本当にそれだけは絶対にない。というかフィアも分かってて煽ってるよね?結婚式までは絶対に手を出さないって決めてるんだ。」
「理由を聞いても?」
「ふぅ。私は11歳で王位を継いだ。その事をよく思わない者がいるのは間違いない。フィアは7年間拐われていた。フィアのせいじゃないし、誓いのお陰で純潔は守られている。私の両親も私が産まれる前に誓いをしている。臣下にそれは苦労をかけたらしい。そういういろんな事が私達にはあって、そのどれもが私達と私達を大切に思う人達を傷付けかねない弱点にもなっている。だから、私達の先へ進む為のそれは…結婚まで待ちたいんだ。」
「もう少し触れるのもダメ?」
ーフィアからそんな事言われたら良いよって言いたくなるんだけど…でも…
「そのままのフィアを見たいし抱きしめたいしそうじゃなくてもフィアにたくさん触れたいよ。けど…それをしたら絶対に止まれないから…フィアお願いだから我慢させて…」
「私はジークとそうなりたいよ?でもその気持ちの中に安心したいかって気持ちがないわけじゃないの…だから、安心したいからじゃなくジークと幸せになりたいからって気持ちの全部で言えるようになるから…だから結婚したら私の全部をジークのものにして下さい。」
ーもうやめて…本当にもう限界なんだから…フィアを私のものになんて…今すぐにだってしたいのに‼︎
「はい。その時はフィアを私に下さい。」
「…何かジークだけ余裕な感じで寂しいわ。」
ー何で⁉︎私のどこに余裕を感じるの?フィアには私がどう見えてるの?
「本当に余裕なんてないんだけど…フィアは湯浴みした?」
「はい。…?」
「私は湯浴みをしてくるからフィアはお茶でも飲んで休んでて。」
「…?はい、いってらっしゃい。」
浴室でひたすらに冷水を浴びる。
落ち着きを取り戻し談話室に行くもフィアはおらず、私の部屋に行くとベッドに横になって眠っていた。
涙を拭い私もベッドに横にる。
フィアを抱きしめるとすり寄ってくる。
フィアを絶対に守る、私からもと決意を新たに眠りについた。
分かっているのにもう少しと思う自分を止められない。
フィアが倒れそうになるのを支えたら体勢を崩してベッドに倒れ込んでしまう。
これはまずいと分かっているのに止める事が出来ない。
「はぁ…ジ…ィク…。」
艶かしいフィアの声に頭が焼き切れそうになる。
これ以上進んだら絶対に止められないとなけなしの理性で止まる。
瞳が潤んでいるフィアに引き寄せられそうになるのをグッと我慢する。
「ジ…クゥ…もっ…と…」
ー待って待って待って待って~ダメだこれ以上は本当にダメだ。私はフィアを大切にしたいんだ。こんな勢いでなんて…フィアも何でもっとなんて言うんだよ‼︎まずい本当にまずい‼︎
「待ってフィア‼︎これ以上はダメだ…」
「何で?ジーク…」
ー何でって…我慢できないからです。せめて、せめて婚約式までは…って婚約式したらいいのかって話で…
「やっぱり私の身体が傷だらけだから?」
「違うよ。もう本当にそれだけは絶対にない。というかフィアも分かってて煽ってるよね?結婚式までは絶対に手を出さないって決めてるんだ。」
「理由を聞いても?」
「ふぅ。私は11歳で王位を継いだ。その事をよく思わない者がいるのは間違いない。フィアは7年間拐われていた。フィアのせいじゃないし、誓いのお陰で純潔は守られている。私の両親も私が産まれる前に誓いをしている。臣下にそれは苦労をかけたらしい。そういういろんな事が私達にはあって、そのどれもが私達と私達を大切に思う人達を傷付けかねない弱点にもなっている。だから、私達の先へ進む為のそれは…結婚まで待ちたいんだ。」
「もう少し触れるのもダメ?」
ーフィアからそんな事言われたら良いよって言いたくなるんだけど…でも…
「そのままのフィアを見たいし抱きしめたいしそうじゃなくてもフィアにたくさん触れたいよ。けど…それをしたら絶対に止まれないから…フィアお願いだから我慢させて…」
「私はジークとそうなりたいよ?でもその気持ちの中に安心したいかって気持ちがないわけじゃないの…だから、安心したいからじゃなくジークと幸せになりたいからって気持ちの全部で言えるようになるから…だから結婚したら私の全部をジークのものにして下さい。」
ーもうやめて…本当にもう限界なんだから…フィアを私のものになんて…今すぐにだってしたいのに‼︎
「はい。その時はフィアを私に下さい。」
「…何かジークだけ余裕な感じで寂しいわ。」
ー何で⁉︎私のどこに余裕を感じるの?フィアには私がどう見えてるの?
「本当に余裕なんてないんだけど…フィアは湯浴みした?」
「はい。…?」
「私は湯浴みをしてくるからフィアはお茶でも飲んで休んでて。」
「…?はい、いってらっしゃい。」
浴室でひたすらに冷水を浴びる。
落ち着きを取り戻し談話室に行くもフィアはおらず、私の部屋に行くとベッドに横になって眠っていた。
涙を拭い私もベッドに横にる。
フィアを抱きしめるとすり寄ってくる。
フィアを絶対に守る、私からもと決意を新たに眠りについた。
0
お気に入りに追加
122
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

【完結】お姉様の婚約者
七瀬菜々
恋愛
姉が失踪した。それは結婚式当日の朝のことだった。
残された私は家族のため、ひいては祖国のため、姉の婚約者と結婚した。
サイズの合わない純白のドレスを身に纏い、すまないと啜り泣く父に手を引かれ、困惑と同情と侮蔑の視線が交差するバージンロードを歩き、彼の手を取る。
誰が見ても哀れで、惨めで、不幸な結婚。
けれど私の心は晴れやかだった。
だって、ずっと片思いを続けていた人の隣に立てるのだから。
ーーーーーそう、だから私は、誰がなんと言おうと、シアワセだ。
捨てられた王妃は情熱王子に攫われて
きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。
貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?
猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。
疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り――
ざまあ系の物語です。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。

【完】夫から冷遇される伯爵夫人でしたが、身分を隠して踊り子として夜働いていたら、その夫に見初められました。
112
恋愛
伯爵家同士の結婚、申し分ない筈だった。
エッジワーズ家の娘、エリシアは踊り子の娘だったが為に嫁ぎ先の夫に冷遇され、虐げられ、屋敷を追い出される。
庭の片隅、掘っ立て小屋で生活していたエリシアは、街で祝祭が開かれることを耳にする。どうせ誰からも顧みられないからと、こっそり抜け出して街へ向かう。すると街の中心部で民衆が音楽に合わせて踊っていた。その輪の中にエリシアも入り一緒になって踊っていると──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる