【完】太陽の王が愛する妖精王の寵児

83．オフィーリアの作戦説明

「私が考えた作戦は先程もお伝えしたようにジークフリート陛下…いつも通りジークと呼んでも？」

「ははっ！構いませんよ。その方が説明し易いのでしたら。」

「まぁ！ありがとうござます。レナトス公爵様。それではお言葉に甘えて。私の考えた作戦はジークと私の婚約式をします。」

「それは先程も聞きましたね。」

「はい。なぜ婚約式かと言いますと。婚約式には必ずキラデル侯爵が来るからです。」

「確かに貴族であれば王族の婚約式にはその家の当主が参列するのが通常でしょう。ですが警戒しますよね？呼ぶ事ができても罪を暴くことはできない。その場合、陛下とオフィーリア様の身が危険に晒されるのではないのでしょうか？」」

「そうですね。レナトス公爵様の仰る事も分かります。ガウェイン公爵様も同じ考えでしょうか？」

「そうですね。警備体制は厳重にしますが御身をお守りすることを考えると今は様子を見て頂きたいというのが本心です。」

「その場合キラデル侯爵の罪を問えなければ私達は婚約式も結婚も出来ないという事ですか？」

「いえ…それは…」

「そういうことですよね？ですがそれでは困ります。私はジークと結婚したいのです。」

「私もフィアと同じ考えだ。」

「嬉しいわジーク。だから私は今回の作戦を計画させて頂きましたの。キラデル侯爵はジークの父親は自分だと思っています。愛しのグロリア妃との子供だと。」

「それで？」

「ですが実際は違います。ジークは先代ジェイク国王とグロリア王妃の子供です。私が拐われていた時に見た男がキラデル侯爵なら彼はグロリア妃にかなり執着しています。ジークを自分の子供だと疑う余地がない程に盲信的に信じ込んでいます。その彼に現実を教えて差し上げるんです。」

「それは…どの様にして？」

「あら本当の事は皆様もご存知でいらっしゃるでしょう？ならその事実をキラデル侯爵に話してさしあげれば良いんですわ。彼が聞きたくないと思う現実を嫌と言うほど教えて差し上げるのです。」

「その計画をオフィーリア様が立てられたのですか？マレリア夫人やアリシア夫人ではなく？」

「私が立てました。夫人達には社交界の交友関係をを使ってキラデル侯爵にジークのご両親の事を伝えるお手伝いを頼みましたの。まぁ頼む前に私のしたい事を察してお二人から申し出て頂けたので説明は必要ありませんでしたが。」

ーそれは暗に私達の理解力が足りないということかい？

「ねぇフィア？この作戦を決行するかは今日の会談で決まると言ったつもりだったんだけど、その前に相談したのはこの作戦が通ると思っていたから？」

「通すと決めていたからよ。私、本当に怒っていますの。キラデル侯爵もリズベット夫人も想いが報われないからって誰かを傷つけるなんて許せない。」

「そのために自身のみならず陛下の御身を危険に晒そうとも計画を実行する覚悟がおありか？」

「愚問だなガウェイン公爵。私もこの身を危険に晒す覚「ガウェイン公爵様。私ジークの身を危険に晒す覚悟がありますわ。私達２人の未来のためにジークにだって頑張ってもらわなければなりませんもの。」悟はあるよ…」