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79.王国議会④
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「議会を再開します‼︎」
「リズベット・サンノ・マホーティスよ先の陛下の質問に答えよ。お前が処罰を受けることは決まっている。であれば娘のカルディナを少しでも助けたいと思うのが母として普通ではないか?なのに何故キラデル夫人の申し出を断るのだ?」
「ルディは…カルディナは私の娘です。他の女に譲るもんですか。」
「そうか…ならリグヴァルド修道院に送る。」
「そんな…。」
「ならキラデル侯爵夫人の養女にするか?」
「ダメですわ‼︎…その2つからしか選べないのであればルディは…リグヴァルド修道院へ…。」
サラエン夫人に渡せばカルディナはフィアと同じ目に合うだろう。
ならばリグヴァルド修道院に行く方が良いと言う判断か?
「でわカルディナ・ジル・マホーティスは予定通りリグヴァルド修道院へ向かうよう伝令しろ。その罪を認め償うようよく言い聞かせよ。」
「御意に。」
「まさか!もう向かっていると言うのですか?」
「そうだ。でなければこの場にいるのが普通だろう。」
「別れの言葉の時間も持たせないとは本当に非道な‼︎あの子はこの国にとって特別な…正当な血筋の子なのに‼︎」
「罪を償うための処罰だ。お前達はそれ以上に非道なことを罪無きオフィーリアにしたのだ‼︎」
「だってあの子は不義の子で…だから私が躾けた…だけなのに…。」
「それはお前の思い込みだ‼︎オフィーリア・ロサ・オーウェンは紛れもなくオーウェン侯爵の子だ‼︎」
「何で?何でよ‼︎私は好きになった人と結ばれたかっただけなのに‼︎ネイトも彼もどうして私を選んでくれないの?」
「2人はお前に向き合う事はできなかったが、マホーティス侯爵は向き合おうとしていただろう?無理に想いを寄せる必要はないが向き合う努力は出来たのではないか?もう過ぎたことだがな。」
「私の処罰はどうするのですか?斬首刑ですか?火炙りですか?あの娘の前で毒を煽って踊りましょうか?」
「残念だったな。私はお前を殺さない。他の者がそれを求めても私は認めない。生きて私の婚約者にしたことを悔いて償ってもらわねば決して許せるものではないさ。」
「愛する者達を奪っておいて私を生かし続けるなんて本当に酷い人ですね陛下は‼︎いえ貴方は正当な血筋の者ですらないのに!お前はラディウス国に巣食う悪魔よ‼︎冥王よ‼︎」
「私を睨んで喚き散らしても何も変わらないよ。さて償いの場はどこが良いかな?」
「陛下、発言しても?」
「ベザルデ侯爵か良いぞ。」
「墓守の処刑人に任せては?」
それを聞き三公とベザルデ侯爵を除く四侯が頷く。
「そうだな…墓守の処刑人に任せるか。」
その名に議会内が騒つくが気に留める事はしない。
墓守の処刑人の事は王家に仕える者でも本当に一握りの者しか知らない。
つまり騒ついている者達はその意味を知らないという事だ。
墓守の処刑人とは人物ではなくベザルデ侯爵領内の地下深くにある収容施設の事だ。
この地を管理する役目を代々担ってきたのが四侯であるベザルデ侯爵なのだ。
ここに入れられた者は光を見ることは2度と出来ない。
何もない地下施設を暗闇の中ただひたすら彷徨い歩くことになる。
この施設の本当に恐ろしいところは妖精王の逆鱗に触れた者が堕ちる場所と伝えられており、自害できず彷徨い続けなければならない場所という事だ。
もちろん全く救いがない訳ではなく自分の罪を認め償う事ができたら出られるらしいが過去に出てきた者はいない。
今も意味不明な言葉を喚き続けている目の前の罪人が出てくる事はないだろう。
「リズベット・サンノ・マホーティスよ先の陛下の質問に答えよ。お前が処罰を受けることは決まっている。であれば娘のカルディナを少しでも助けたいと思うのが母として普通ではないか?なのに何故キラデル夫人の申し出を断るのだ?」
「ルディは…カルディナは私の娘です。他の女に譲るもんですか。」
「そうか…ならリグヴァルド修道院に送る。」
「そんな…。」
「ならキラデル侯爵夫人の養女にするか?」
「ダメですわ‼︎…その2つからしか選べないのであればルディは…リグヴァルド修道院へ…。」
サラエン夫人に渡せばカルディナはフィアと同じ目に合うだろう。
ならばリグヴァルド修道院に行く方が良いと言う判断か?
「でわカルディナ・ジル・マホーティスは予定通りリグヴァルド修道院へ向かうよう伝令しろ。その罪を認め償うようよく言い聞かせよ。」
「御意に。」
「まさか!もう向かっていると言うのですか?」
「そうだ。でなければこの場にいるのが普通だろう。」
「別れの言葉の時間も持たせないとは本当に非道な‼︎あの子はこの国にとって特別な…正当な血筋の子なのに‼︎」
「罪を償うための処罰だ。お前達はそれ以上に非道なことを罪無きオフィーリアにしたのだ‼︎」
「だってあの子は不義の子で…だから私が躾けた…だけなのに…。」
「それはお前の思い込みだ‼︎オフィーリア・ロサ・オーウェンは紛れもなくオーウェン侯爵の子だ‼︎」
「何で?何でよ‼︎私は好きになった人と結ばれたかっただけなのに‼︎ネイトも彼もどうして私を選んでくれないの?」
「2人はお前に向き合う事はできなかったが、マホーティス侯爵は向き合おうとしていただろう?無理に想いを寄せる必要はないが向き合う努力は出来たのではないか?もう過ぎたことだがな。」
「私の処罰はどうするのですか?斬首刑ですか?火炙りですか?あの娘の前で毒を煽って踊りましょうか?」
「残念だったな。私はお前を殺さない。他の者がそれを求めても私は認めない。生きて私の婚約者にしたことを悔いて償ってもらわねば決して許せるものではないさ。」
「愛する者達を奪っておいて私を生かし続けるなんて本当に酷い人ですね陛下は‼︎いえ貴方は正当な血筋の者ですらないのに!お前はラディウス国に巣食う悪魔よ‼︎冥王よ‼︎」
「私を睨んで喚き散らしても何も変わらないよ。さて償いの場はどこが良いかな?」
「陛下、発言しても?」
「ベザルデ侯爵か良いぞ。」
「墓守の処刑人に任せては?」
それを聞き三公とベザルデ侯爵を除く四侯が頷く。
「そうだな…墓守の処刑人に任せるか。」
その名に議会内が騒つくが気に留める事はしない。
墓守の処刑人の事は王家に仕える者でも本当に一握りの者しか知らない。
つまり騒ついている者達はその意味を知らないという事だ。
墓守の処刑人とは人物ではなくベザルデ侯爵領内の地下深くにある収容施設の事だ。
この地を管理する役目を代々担ってきたのが四侯であるベザルデ侯爵なのだ。
ここに入れられた者は光を見ることは2度と出来ない。
何もない地下施設を暗闇の中ただひたすら彷徨い歩くことになる。
この施設の本当に恐ろしいところは妖精王の逆鱗に触れた者が堕ちる場所と伝えられており、自害できず彷徨い続けなければならない場所という事だ。
もちろん全く救いがない訳ではなく自分の罪を認め償う事ができたら出られるらしいが過去に出てきた者はいない。
今も意味不明な言葉を喚き続けている目の前の罪人が出てくる事はないだろう。
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