【完】太陽の王が愛する妖精王の寵児

75．王国議会②

「もう一度だけ聞く先の件に申す事はあるか？」

「…全部でたらめじゃない。私からネイトを奪おうとして皆で嘘ばかりついているのよ。ネイトの妻であるアリシアは不貞を行った。だからあの子供が不義の子が産まれた。私からネイトを奪っておいて彼に辛い思いをさせた。裁かれるべきはあの女よ‼︎私はネイトのために不義の娘を躾けただけよ。私こそが彼に愛されているのよ‼︎ネイトを返して‼︎彼は何処よ‼︎」

女の形相に顔を顰める者達。

「そうか‼︎我が娘が不貞を働いたから私の孫を傷つけたというのか‼︎その証拠はあるのか？」

突然発言したのはブライム・バド・ベザルデ侯爵だった。

「あるわ！不義の子は双子じゃないもの！ふふっ！ふふふっ！あははっ！あはははっ！どうです皆さんお分かり頂けましたか？」

「そうかそれが証拠か‼︎してその根拠はいかに？」

「根拠ですの？オーウェン家は代々そういうものですのよ？」

「そうなのか？ネイト侯爵！」

「その様な事実はございません。」

「ネイト‼︎来てくれていたのね！早く助けて！私は悪くないのにこの人達が私を虐めるのよ！」

ネイト宰相がいると分かると、とたんに目に生気が宿る。

「私が助ける？何故？」

「何故って私達は愛し合っているじゃない‼︎」

「愛し合ってる？その根拠は？私がお前を愛しているという根拠はなんだ？私が言ったのか？お前に？」

「根拠？愛し合う者にそんなものありませんわ。私がネイトを愛していてネイトも私を「だから‼︎…だから、いつわたしがお前を愛しているなどと戯けた事になっているのかと聞いている。オフィーリアは私の娘だ‼︎私はお前が大嫌いだ！憎いよ！私の娘を7年も傷つけ、私達家族が共に過ごすはずだった時間を奪ったからな。お前のように醜い者を私が愛するはずがないだろう？私の娘は助け出されて半年以上過ぎようとしているがやっと1人で立てる様になってきたばかりだ。今もまだ普通の生活を取り戻せないでいる。これから先もまだまだ娘は戦い続けなければならない‼︎私の大切な者を傷つけるお前が本当に私に相応しいとでも？私には妻であるアリシアだけだ。もう一度言おう！私にはアリシアだけだ‼︎その私がお前を愛しているなどありえないのだ‼︎もう…現実を見ろ…」

「…………………」

「リズベットよ。オーウェン家で産まれた私の孫が双子ではないから不義の子と申したな？だがお前は自分の無知を声高らかに宣言しただけだ。」

「…………………」

「それで言えば不義の子という意味ならお前の子がそうであろう？」

ニコラス・ダン・ヴェルド伯爵が独自に掴んでいた情報なのだろう言い放つ。
知っていたならレオン経由で言って欲しかったよ。

「違うわ‼︎私はネイトが好きなのに無理矢理結婚させられ子供を産まされたの‼︎」

「その子供とは誰の事を言っている？」

「えっ？」