【完】太陽の王が愛する妖精王の寵児

奏直

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73.最近の日常

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あの話し合いの日から私の周りは忙しかった。

先ずはキラデル侯爵の動向を探る為に大公とレオンとウィルが動いていた。
キラデル侯爵はあの女が捕まったためか慎重に動いており情報が掴めずにいた。
大公は引き続きキラデル侯爵の動向を見張りながら、ウィルはアルバートに話を聞いたり、レオンはサラエン夫人から情報を得られないか探っていた。
3人は何処かに必ず糸口はあると信じて今も調査を続けている。

そして婚約式とフィアのお披露目をするための準備を宰相とルドが主体となって動いていた。
フィアの体調を鑑みて日取りを決めたり各貴族の予定を押さえるなど気を使う内容だ。
更に宰相は早く仕事を終え家に帰るという任務?も重なり日中は多忙を極めたのは言うまでもない。

政務は私とダニーで行った。
正直に言って大公と宰相、ルドが政務に携わらない負担は大きかった。
だがダニーは愛する妻とお腹の子に会いたいと、いつも以上に集中して仕事を終わらせていたため以外にもスムーズに仕事は進んだ。
仕事量は尋常じゃないため今だけだから出来る事だろうな。

もちろんフィアも忙しかった。
淑女教育をアリシア夫人がリハビリをオリヴィア夫人が筆頭になって行なった。
社交界の事や最近の流行りについてはマリーベル夫人とエミーリア夫人がフィアに教え、フィアの侍女達は自分達の主人を大いに磨く事に勤しんだ。
フィアに協力する者達は嬉々として取り組んでいた。

こうして忙しくも出来るとこを皆が行っていた。

ーん?誰か忘れたか?いや大丈夫か…?

2人の夫人が行う教育は若干過激だとダニーの妻マリーベル夫人から報告があった。
私から2人の夫人に物申すなんて恐ろしい事はできない為、2人の夫である大公と騎士団長を呼び注意しておいた。
夫人達にその話が届いてない事も報告を受けているが私に出来ることはもうないと思う。

私達が王立学園に行く暇は正直ない。
もう本当にただ学園に籍を置いているだけだった。
フィアは学園に通ってみたかったと言ったが恐らくその願いは叶えてあげられないだろうと思う。
最近では支えがなくとも1人で歩ける様になってきたが側には必ず誰かが控えている。
それに私の婚約者だとお披露目されたら良からぬ者達が近づいてくる可能性は排除できない。
学園で学べる事は王城でも学べるから行く必要はないと思っている。
ただ学園に通えない事でフィアは友人を作る事が出来なくなるのは心配だった。
息抜きに話ができる相手はいた方がいい。
私にとってのルドやウィルの様にな。
だから学園に通えない代わりにフロリスと友人関係を築けている事は本当に良かったと思う。
昔からの友人の様に楽しそうにお茶をする姿は微笑ましい。


忙しくも穏やかな日常が過ぎるなか…ついに王国議会が開かれようとしていた。
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