【完】太陽の王が愛する妖精王の寵児

68．まとめるはずが⁉︎

「どうだジーク。少しは情報整理出来そうか？」

「そうだな…先ずは私とフィアが出会えたのはフロリスによる可能性が高い。これについては過去に似た事象がなかったか確認する必要はあるがな。次にフィアは妖精王の血を色濃く受け継いでいる。これについては確認する術は無いがそうなんだろう。最後に妖精王と初代国王の約束は私とフィアが叶える。これは決定事項だ。といったところだろうか？」

「ははっかなり纏めたな…まぁでもそんなところか。」

「リアはどう？」

「私は…ジークのご両親が私達を引き合わせて下さった事が嬉しいです。確認しなくてもご両親の想いがフロリス様を通し私とジークを引き合わせたのですわ。」

「私の両親が？」

「はい。ジークのご両親のお互いを想う気持ちが…親としてジークを想う気持ちが私達を会わせて下さったんだと思うんです。」

「そうか…そうフィアに言ってもらえると私も嬉しいよ。」

「だこらねジーク…私、あの人が許せないわ‼︎」

ーん？何の話だ？まさかあの女…リズベットの事か？フィアが自ら許せないなんて…

「誰のことを言っているんだフィア？」

「あの男の人……」

ー男⁉︎あの女じゃなく男だと⁉︎フィアが許せいない男？

「あの男って誰のことかな？」

「名前は知らないの……私が………閉じ込められていた部屋にたまに来ていた人だから。」

『……………』

「心配してくれてありがとう。でも大丈夫よ。まだ怖いけど助けてくれたから。まだ辛いけど側にいてくれるから。だから話す事は…出来る…よ。」

「本当に？」

「ジークったら私のこと信じてないの？」

「信じてるよ‼︎」

「それなら大丈夫だって事を信じて。」

「うん。信じてる。」

「私が閉じ込められていた部屋にいつも来ていたのはリズベット夫人だった。でも、偶にリズベット夫人と一緒に来る男の人がいたの。その男の人を最初はリズベット夫人の旦那様か恋人だと思っていたの。」

「リアどうしてそう思っていたんだ？」

「私の目の…前でその…恋人…みたいな事…していたから…。そうなのかな？って…思っていたの…」

ーどうしよう。これ以上突っ込んで質問して良いのか？恋人みたいな事って何してたんだよ‼︎フィアに何見せてたんだよ‼︎

「私はジークから聞いて知っていたから信じなかったけど、その人はそう信じ込んでいたの…」

ーそして聞けなかった…皆は気にならないのか？

「……何を信じ込んでいたの？」

「ジークの父親は自分だって言ってたの…確か“私はこの国の王であるジークフリートの父親なんだよ。私とグロリアの愛の結晶って言えば分かるかな？”ってとても気味の悪い笑顔で言うの。リズベット夫人も怖かったけどあの男の人も怖かったわ。」

「私の父親だと？ありえない。奴は何を思い違いをしているんだ‼︎」

「ジークあの男の人の事知ってるの？」

「ジークその男…もしかしなくても…」

「あぁ。間違いなくクリストフ・ディル・キラデルだ。」

「そのクリストフ…さんは何者なんですの？」

「私の両親を殺した男だ。」

『えっ？』