【完】太陽の王が愛する妖精王の寵児

67．閑話

「つまりフィアは…「ジークフリート陛下‼︎休憩って言いましたでしょ？休憩中はその話は無しでお願いします‼︎」

「そ…そうだな。それじゃあフィアさっきは何を慌てていたんだ？何かあったのか？」

「えっ⁉︎さ、さ、さ、さっきは…「ジークフリート陛下？その話も今はまだダメよ！」

「わ…分かった。」

「ご理解頂けて良かったわ‼︎」

ーアリシア夫人には逆らってはいけない。その証拠に私と同じ様に気にしてた筈のオーウェン家の男達が口を噤んでいる。夫人には逆らうべからずがオーウェン家の掟なんだろう…

「ねぇジーク？私の事を伝えてくれた人達に会ってお礼が言いたいの。」

「アルバートとセシリア嬢に？２人の事は誰から聞いたの？」

「ウィル兄様とお母様から聞きましたの。ジークに会えたのも家族に会えたのもその人達のおかげだから感謝していると伝えたいわ。ダメかしら？」

「そうだね。私も会ってお礼が言いたいな。」

「では、お２人とジークの予定を合わせて都合の良い日にお会いしましょう‼︎」

「そうだフィア。フロリスがフィアに会いたいと言っているがどうだ？」

「フロリス様が？私もお会いしたいわ。未来のお姉様ですし。」

「リア⁉︎」

「前にも言っていたがどういう事だウィル。」

「以前からフロリス嬢に婚約の打診を受けていたんです。リアが見つかるまでは誰とも婚約しないと決めていたのでフロリス嬢から個人的に言われていただけですが…」

「それでリアが見つかったからこちらから正式に婚約の打診をしたいというわけか？」

「はい…。近々父さん達に相談しに行こうと思っていました。」

「フロリス嬢か…となると普通は貴族のバランスを考えねばならんのだがな。良いだろう。大公に打診してみよう。」

「良いんですか？」

「そうして欲しかったのだろう？」

「そうですわウィル兄様。どうしてその様な事を仰るのですか？」

「フィア…フィアのお姉さんマリーベル夫人はダニーと結婚しただろう？オーウェン家は公爵家と縁を結んだわけだ。それも先代国王の王弟の家系だ。そして私とフィアも縁を既に結んでいる。公にはしていないが私の秘された婚約者はフィアだ。フィアの体調を見て次期に公表する。オーウェン家は王家とも縁を結ぶ。さぁそこでウィルがフロリス嬢と婚約するとどうなるか…分かるかいフィア？」

「オーウェン家の力が大きくなりますわ。今も四侯として力が大きいのに…」

「そうだよ。だからウィルは良いのか？と聞いたんだ。他家から何を言われるか分からないからね。それでも良いのかと…そして侯爵はそれを受け入れたんだ。」

「ウイル兄様……それならいっそフロリス様とラピスラズリの誓いをなされば良いのよ。」

「あぁそうだな。フィ名案だ！そうすれば両想いである事も他の誰かではいけない事も理解されるからな。良い顔しない連中はいるだろうけど。」

「それは…いざとなったら考える。その時はラピスラズリを貸してくれ。」

「馬鹿者‼︎その時は我が侯爵家が保管しているものを使え‼︎」

「そうよウィル‼︎」

「ありがとう…。」

「これでやっとウィルに相手ができるのか。兄として心配していたんだ良かった良かった。」

「兄って双子だろう‼︎」

「そうだよ。だから良かったって本当に思っているんだ。」

「…ん。ありがとう。」

「さて、ウィルの話が纏まったところで閑話休題だな。」