【完】太陽の王が愛する妖精王の寵児

奏直

文字の大きさ
上 下
66 / 127

66.特別な子

しおりを挟む
「つまり私達には妖精の血も流れているという事か…」

「本来ならジークは既に知っているはずの話かと思ったが…大公が話してないとなるとジェイドにしか伝わっていなかったのだな。……ラディウス国王は妖精王ルベリオンに願ったそうだ"加護はささやかなものが良い。私と妖精王の子が…その子孫が良き国を作るだろうから"とな。そして2人の王は自分達の子供を結婚させようと約束したが縁は結ばれなかった。だがそれ以来、不思議なことにオーウェン家の者は1度もラディウス王家に嫁ぐ事はなく、またラディウス王家からオーウェン家への降嫁もなかったんだ。」

「まさか…そんな事がありえるのか?」

「私もジェイドも話を聞いた時はありえないと思ったさ。だから禁書に忍び込んで調べたが事実だった。マリーの様に公爵家へ嫁ぐ者はいた。でも王家に…ルクスの加護を持つ者に嫁いだ者はいなかった。」

「禁書に忍び込むって…父も侯爵も何してるんですか?」

「本当にねぇ~ところでリア何も話さないけどついてこられてる?」

「あの…ルーナ様は私の事を加護してくださっている妖精様ですよね?」

「そうなのか⁉︎私もルクス以外にソルから加護を受けている。古の縁が私達を引き合わせたのか?」

「まぁジークも複数の妖精様から加護を受けてますのね!しかもソル様は先程話にあった初代国王のお子様が授かった加護ですわね?だからあの不思議な出会いが出来ましたのね!」

「待て!私も複数の妖精と言うのは?まさかフィアも?」

『それは~』

「ねぇ~」

「なぁ~」

「ネイト侯爵、アリシア夫人何ですか?何かあるんですか?」

「グロリア様は本当にジェイド陛下が大好きだったのよ。グロリア妃は花の妖精フロリス様の加護を持っていらしたでしょ?だから…」

「あっ!フロリス様は私に加護を与えて下さってる方ですよね‼︎」

「待て待て待て待て‼︎フィアはフロリスの加護とルーナの加護を受けてるのか?」

「フロリスの加護はグロリア妃が亡くなった後に受けた加護なんだよ。だから私達は2人を引き合わせたのはフロリスだと思っている。ジェイドとグロリア妃の想いをジークに繋ぎたかったのだろうな。さらに言うならリアは3つの加護持ちだ。」

「はい。私は月の妖精ルーナ様と星の妖精ステラ様、そして花の妖精フロリス様に加護を頂いています。」

「そしてその3名は妖精王が妻につけた3名の侍女なのよ。」

「情報量が多すぎる。」

「リアの髪は妖精王の妻と同じ色なのよ。瞳は妖精王と同じでね、2人の子の生まれ変わりの様なの。もちろんリアは私達の大切な子よ。」

「そしてオーウェン家に双子が産まれやすいのは力の強い妖精の加護を受けやすいため2人で補うからと言われている。それは妖精王の妻である人間の血が濃いという事だ。つまり双子でない子は妖精王の血が濃いのだ。過去にも何人かそういう子が産まれているがリアのようにオッドアイの子はいなかった。私達オーウェン家にとってリアは最も妖精王に誓い特別な子なんだよ。王族も似ているが王族は加護を2つ以上持つ者が産まれやすい様だな。」

『…………。』

「混乱してきたようだから少し休憩を挟みましょう!」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

【完結】お姉様の婚約者

七瀬菜々
恋愛
 姉が失踪した。それは結婚式当日の朝のことだった。  残された私は家族のため、ひいては祖国のため、姉の婚約者と結婚した。    サイズの合わない純白のドレスを身に纏い、すまないと啜り泣く父に手を引かれ、困惑と同情と侮蔑の視線が交差するバージンロードを歩き、彼の手を取る。  誰が見ても哀れで、惨めで、不幸な結婚。  けれど私の心は晴れやかだった。  だって、ずっと片思いを続けていた人の隣に立てるのだから。  ーーーーーそう、だから私は、誰がなんと言おうと、シアワセだ。

彼女が望むなら

mios
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の婚約は円満に解消された。揉めるかと思っていた男爵令嬢リリスは、拍子抜けした。男爵令嬢という身分でも、王妃になれるなんて、予定とは違うが高位貴族は皆好意的だし、王太子殿下の元婚約者も応援してくれている。 リリスは王太子妃教育を受ける為、王妃と会い、そこで常に身につけるようにと、ある首飾りを渡される。

捨てられた王妃は情熱王子に攫われて

きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。 貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?  猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。  疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り―― ざまあ系の物語です。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。

鶯埜 餡
恋愛
 ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。  しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

身代わりの私は退場します

ピコっぴ
恋愛
本物のお嬢様が帰って来た   身代わりの、偽者の私は退場します ⋯⋯さようなら、婚約者殿

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

旦那様には愛人がいますが気にしません。

りつ
恋愛
 イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。 ※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。

処理中です...