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63.雷轟
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「ラピスラズリの誓い?何を言っているの?それは愛し合っている者同士でしか出来ない誓いよ?私となら分かるけど、ネイトとアリシアが出来るはずないわ‼︎それにあのお嬢さんは双子じゃないわ!オーウェン侯爵家は双子しか産まれないのでしょ?ラピスラズリの誓いをしてたからってあのお嬢さんがその後に産まれたとは限らないわ!あのお嬢さんが産まれてからしたのでしょう?」
その言葉を聞き宰相は右腕を見せると、ラピスラズリの紋章が刻まれていた。
そしてラピスラズリの誓いをしたという事を認めた証文とその後にフィアが産まれた事を証明するもの。
証文には私の父のサインがある。
それは国王が認めたという事で、変えることの出来ない事実である証明である。
普通ここまでしない。
それをしたということこそがフィアが特別であるという事だ。
「嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ…」
ーやはり受け入れないか…
「嘘よねネイト……だってそうでしょ?……私の方がネイトを好きなのに……私の方がネイトを愛しているのに……私の方がネイトを知っているのに……私の方がアリシアより美しいのに………私の方がネイトに相応しいのに………私はアリシアと違ってネイトを裏切らないのに…………なのにどうして?どうしてネイト‼︎」
「俺はお前が大嫌いだよリズベット。お前のように醜い者を俺は愛さない。俺の大切な者を傷つけたお前は俺の事を何も知らない。俺にはアリシアだけが綺麗で美しく可愛い。俺にはアリシアだけだ。だから俺の前から消えろ。」
「嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ…」
「もうお前と話すことはない…」
そう言い宰相は部屋から出て行く。
私達も何も言わず部屋から出る。
「嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ………嫌よネイト…イヤよ…助けてネイト…私だけのネイトでしょ…お願いネイト…イヤよイヤ…私のこと呼んでネイト…私を見て…ねぇ…ネイト~……」
ネイト宰相を呼び続ける声が聞こえるが私達がその声に足を止める事はなかった。
あの女は最後まで謝る事はなかった。
暫くすると静かになったので、騎士があの者を拘束したのだろう。
抑えなくて良いと言ったが相当我慢していた様で宰相の拳は強く握られていた…。
「宰相…抑えなくて良いと言ったのに…」
「そうしないとあの者を殺してしまうところでしたので……陛下、私は怒りが収まらないため暫し1人になりたいと思います。先程のリアの話については夕刻に顔を出しますのでその時にまた詳しく…」
「あぁ分かった。」
そう言うと宰相は自分の執務室に戻って行った。
「あんなに怒った父さんを初めて見ました。」
「俺も。あれで抑えてたって…」
「私達にはまだ子供はいないが、いつかできた時に宰相達の気持ちが分かるのかもな…」
「私は分かりますよ。まだ産まれてはいませんがマリーが蔑まれ子供が7年もの間虐げられていたとしたら…正直何をするか分からないです。宰相の様に冷静に対応出来るか…自分を抑えられるか自信がありません。恐らく私は迷わず殺してしまうでしょうね…」
ー親とはそういうものなのだろうか…私の両親もそうだったのだろうか…だから私をあの時庇ったのだろうか…やはり私が生かされたのはラディウスの意思ではなく両親の愛だったと思いたい。いつか私とフィアが親になったら分かるのだろうな。
「そうか……そういうものか……」
私達はそれ以上は何も言わず執務室に戻った。
その言葉を聞き宰相は右腕を見せると、ラピスラズリの紋章が刻まれていた。
そしてラピスラズリの誓いをしたという事を認めた証文とその後にフィアが産まれた事を証明するもの。
証文には私の父のサインがある。
それは国王が認めたという事で、変えることの出来ない事実である証明である。
普通ここまでしない。
それをしたということこそがフィアが特別であるという事だ。
「嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ…」
ーやはり受け入れないか…
「嘘よねネイト……だってそうでしょ?……私の方がネイトを好きなのに……私の方がネイトを愛しているのに……私の方がネイトを知っているのに……私の方がアリシアより美しいのに………私の方がネイトに相応しいのに………私はアリシアと違ってネイトを裏切らないのに…………なのにどうして?どうしてネイト‼︎」
「俺はお前が大嫌いだよリズベット。お前のように醜い者を俺は愛さない。俺の大切な者を傷つけたお前は俺の事を何も知らない。俺にはアリシアだけが綺麗で美しく可愛い。俺にはアリシアだけだ。だから俺の前から消えろ。」
「嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ…」
「もうお前と話すことはない…」
そう言い宰相は部屋から出て行く。
私達も何も言わず部屋から出る。
「嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ………嫌よネイト…イヤよ…助けてネイト…私だけのネイトでしょ…お願いネイト…イヤよイヤ…私のこと呼んでネイト…私を見て…ねぇ…ネイト~……」
ネイト宰相を呼び続ける声が聞こえるが私達がその声に足を止める事はなかった。
あの女は最後まで謝る事はなかった。
暫くすると静かになったので、騎士があの者を拘束したのだろう。
抑えなくて良いと言ったが相当我慢していた様で宰相の拳は強く握られていた…。
「宰相…抑えなくて良いと言ったのに…」
「そうしないとあの者を殺してしまうところでしたので……陛下、私は怒りが収まらないため暫し1人になりたいと思います。先程のリアの話については夕刻に顔を出しますのでその時にまた詳しく…」
「あぁ分かった。」
そう言うと宰相は自分の執務室に戻って行った。
「あんなに怒った父さんを初めて見ました。」
「俺も。あれで抑えてたって…」
「私達にはまだ子供はいないが、いつかできた時に宰相達の気持ちが分かるのかもな…」
「私は分かりますよ。まだ産まれてはいませんがマリーが蔑まれ子供が7年もの間虐げられていたとしたら…正直何をするか分からないです。宰相の様に冷静に対応出来るか…自分を抑えられるか自信がありません。恐らく私は迷わず殺してしまうでしょうね…」
ー親とはそういうものなのだろうか…私の両親もそうだったのだろうか…だから私をあの時庇ったのだろうか…やはり私が生かされたのはラディウスの意思ではなく両親の愛だったと思いたい。いつか私とフィアが親になったら分かるのだろうな。
「そうか……そういうものか……」
私達はそれ以上は何も言わず執務室に戻った。
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