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64.引退はまだ早い
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夕刻になり宰相が私の執務室に顔を出す。
「落ち着いたか?」
「取り敢えずいつも通りを装う程度には落ち着きました。ダニーとレオンにゼノスはどうしたのですか?」
「ははっそうか。まだ落ち着かないか…3人は今回は同席させない。だから家に帰したがそれで良かったのだよな?」
「そうですね。この件については陛下までで留めて頂きたい内容ですので。」
「やはりそうか。この書類だけ確認したら終わるから暫し待て。」
「御意に。」
暫く私が紙を捲る音だけが部屋に響く。
ふと宰相が話しかける。
「本当に陛下は立派になられましたね…ジェイドとグロリア妃が亡くなられた時はどうなるかと思いましたが立派に国王として勤めていらっしゃる…」
「老いぼれたか宰相?」
「なっ⁉︎褒めていますのに…」
「私が今の私になれたのはフィアに出会ったからだ。あの時の私を支えてくれた大公や宰相がいたからだ。こんな私に仕えてくれる臣下がいるからだ。そんな事くらい私に言われなくとも分かるだろう?だから老いぼれたのかと聞いたんだ。私はフィアを幸せにしたい。私を支えてくれるお前達をこの国の民を父のように護りたいと思っているだけだ。まだまだ力を貸せよ宰相。ルドをお前のように育てるまでな!」
ーこの国のためにもネイト宰相には引退して貰っては困るんだ。私も教えて貰わねばならない事が沢山ある。ルドにも私の側にいて貰わねば困るしね。引退を考えるのはまだ早いぞ宰相‼︎
「それは中々…ならばルドよ早く育てよ!私もアリシアと領地でゆっくり過ごしたいからな!」
「全く貴方達は…もちろん精進しますよ。」
「頑張れルド!」
『お前もだウィル‼︎』
「なっ‼︎‼︎⁉︎」
『当たり前だろ‼︎』
「はははっ。そうだぞウィル頼りにしてるからな!ルドもな!よし侯爵フィアの所に行こうか。」
執務室を出てフィアの私室に到着する。
ノックをすると侍女が出迎え私達を中に通す。
中に入るとフィアが真っ赤な顔であたふたとしながら迎えてくれる。
私はフィアの横に、侯爵は夫人の横に腰掛けルドとウィルは1人掛けの椅子に座った。
アリシア夫人はすごく楽しそうに笑っている。
「ジ、ジ、ジーク⁉︎きょ、今日は早かったにょね!お、お父様もご、ご、ご機嫌よう。」
ー何があったんだ?物凄く挙動不審なんだけど…それに“にょね”って噛んだよね?可愛いけど今は言わない方が良いかな?
「あ…あぁ。今日は侯爵に話を聞く事があってね。フィアにも一緒に聞いてもらいたいんだけど良いかな?というか大丈夫か?」
「は、はい。はい大丈夫です。」
「あら何の話をするの?」
「リアがオーウェン家でも特別な子だという話をする。」
「わ、私の話?」
「あらっ、その話するの?」
「ジークたっての願いだからな。」
「まぁそうね…国王であるジークフリート陛下としてもら婚約者であるジークとしてもリア本人にも知っていて貰わなければならない事ですものね…」
「私が特別ってどういう事?私の加護の話?」
「あぁ。その事も含めてだな。それでだ…この国ラディウス王国の成り立ちは知っているか?」
「落ち着いたか?」
「取り敢えずいつも通りを装う程度には落ち着きました。ダニーとレオンにゼノスはどうしたのですか?」
「ははっそうか。まだ落ち着かないか…3人は今回は同席させない。だから家に帰したがそれで良かったのだよな?」
「そうですね。この件については陛下までで留めて頂きたい内容ですので。」
「やはりそうか。この書類だけ確認したら終わるから暫し待て。」
「御意に。」
暫く私が紙を捲る音だけが部屋に響く。
ふと宰相が話しかける。
「本当に陛下は立派になられましたね…ジェイドとグロリア妃が亡くなられた時はどうなるかと思いましたが立派に国王として勤めていらっしゃる…」
「老いぼれたか宰相?」
「なっ⁉︎褒めていますのに…」
「私が今の私になれたのはフィアに出会ったからだ。あの時の私を支えてくれた大公や宰相がいたからだ。こんな私に仕えてくれる臣下がいるからだ。そんな事くらい私に言われなくとも分かるだろう?だから老いぼれたのかと聞いたんだ。私はフィアを幸せにしたい。私を支えてくれるお前達をこの国の民を父のように護りたいと思っているだけだ。まだまだ力を貸せよ宰相。ルドをお前のように育てるまでな!」
ーこの国のためにもネイト宰相には引退して貰っては困るんだ。私も教えて貰わねばならない事が沢山ある。ルドにも私の側にいて貰わねば困るしね。引退を考えるのはまだ早いぞ宰相‼︎
「それは中々…ならばルドよ早く育てよ!私もアリシアと領地でゆっくり過ごしたいからな!」
「全く貴方達は…もちろん精進しますよ。」
「頑張れルド!」
『お前もだウィル‼︎』
「なっ‼︎‼︎⁉︎」
『当たり前だろ‼︎』
「はははっ。そうだぞウィル頼りにしてるからな!ルドもな!よし侯爵フィアの所に行こうか。」
執務室を出てフィアの私室に到着する。
ノックをすると侍女が出迎え私達を中に通す。
中に入るとフィアが真っ赤な顔であたふたとしながら迎えてくれる。
私はフィアの横に、侯爵は夫人の横に腰掛けルドとウィルは1人掛けの椅子に座った。
アリシア夫人はすごく楽しそうに笑っている。
「ジ、ジ、ジーク⁉︎きょ、今日は早かったにょね!お、お父様もご、ご、ご機嫌よう。」
ー何があったんだ?物凄く挙動不審なんだけど…それに“にょね”って噛んだよね?可愛いけど今は言わない方が良いかな?
「あ…あぁ。今日は侯爵に話を聞く事があってね。フィアにも一緒に聞いてもらいたいんだけど良いかな?というか大丈夫か?」
「は、はい。はい大丈夫です。」
「あら何の話をするの?」
「リアがオーウェン家でも特別な子だという話をする。」
「わ、私の話?」
「あらっ、その話するの?」
「ジークたっての願いだからな。」
「まぁそうね…国王であるジークフリート陛下としてもら婚約者であるジークとしてもリア本人にも知っていて貰わなければならない事ですものね…」
「私が特別ってどういう事?私の加護の話?」
「あぁ。その事も含めてだな。それでだ…この国ラディウス王国の成り立ちは知っているか?」
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