【完】太陽の王が愛する妖精王の寵児

奏直

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57.王都へ戻る前日の胸の話

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あれから1週間ほどが過ぎ、フィアは自分で起き上がることができる様になった。
話もスムーズになり、顔色も良くなった。
食事の量も増えたからだろう。
固形物も本当に少しだけ食べ始めている。
日中は私達と過ごしたり本を読んだりしながら過ごしている。
そして、私やウィルが支えながら少しだけ歩いたりもしている。

オリヴィア医師はフィアの回復力に驚き、体調第一で進むなら王都に戻る事も出来ると言った。
フィアはそれを聞きすごく喜んだが、私は大事をとってもう数日ここにいる事に決めた。

そして私達が王都に戻る前日になった。
その日フィアが初めてお願いしてくれた。

「あの…ゆ…湯浴みがしたいの。」

それまでは体調の事もありオリヴィア夫人がフィアの身体を拭いていた。

「そう…だよね。オリヴィア医師が良いと言ったら湯浴みをしようか。」

「はい。」

フィアの湯浴みは許可され浴槽には私が連れて行ったのだが、身体はタオルを巻いている為見えないのにいつもより露出している部分が多い為ドキドキしてしまう。
身体を見て欲しいと言われた時の事を思い出す。
確かに見えている所だけでも傷痕がひどいのだが、私には関係なかったと改めて思う。

ーふぅ…落ち着け…落ち着け…落ち着けジーク…

そう言い聞かせ浴槽にフィアを連れて行くと夫人と交代する。

「でわまた後で…」

ニコニコと嬉しそうに頷いているフィアが可愛すぎて本当に困る。
立ち去ろうとしていると中からフィアが夫人に話す声が聞こえ、ダメだと思いながらもつい聞いてしまう。

「ジーク顔赤くなってたわ。」

「あ~そうですね。」

「綺麗な女性は無理でも…」

「どうされました?」

「私のお胸は大きくなるかしら?ジークは大きい方が好きかしら?あっ!こんな事考えるのは淑女として、はしたない事なんですよね?でもこの間読んだ本に男の方は大きなお胸が好きって書いてあって…」

「リア様は気にされてますが、陛下はリア様なら胸の大きさは関係ないかと…」

「でも私も女ですもの…ジークに喜んでもらえる様もう少し大きくても…」

ーダメだこれ以上は聞いてはいけない。それよりフィアは何の本を読んでるんだよ……

真っ赤な顔で静かにその場から離れた。
暫くして夫人に呼ばれフィアを浴槽から抱き上げるがさっきの話を意識してしまう。

「ジークも濡れちゃうね。」

「大丈夫だよ。私もこの後で湯浴みをするから気にしないで。」

それにフィアの身体の線がピタリとくっつくタオルから分かってしまいそれどころじゃない。
脱衣場にフィアを下ろすとまた私はその場を急いで離れる。
深呼吸をし落ち着かせてると、声が掛かり脱衣場からベットにフィアを運ぶ。
湯浴みをして温まった体温が心地良い。

「さっぱりした?」

「うん。とっても気持ちよかった。」

「良かった…それじゃあ私も湯浴みをしてくるよ。フィアは風邪をひかない様に髪をしっかり乾かすんだよ。オリヴィア夫人宜しく頼む。」

2人を残し、私も湯浴みをする。
まぁまずは冷水を浴びたがね。

そして今日もフィアと共に眠りにつく。
2人で一緒に眠ることが当たり前になってきている。
それがとても幸せだ。

「私とても幸せだわジーク…」

「私もだよフィア…おやすみ…」

「おやすみなさい…」

眠るフィアの額に口づけ眠りについた。
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