【完】太陽の王が愛する妖精王の寵児

奏直

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49.兄の複雑な心境

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「なぁルド。暫く2人で話したいって…どの位の時間だ?」

「もう良いと思うんだよね。」

「あのねついさっきの話でしょ?久々の恋人の逢瀬を邪魔するなんてそんな野暮なことするもんじゃないよ。」

「それを言うなら久々の兄妹の再会を邪魔するもんじゃないだろう?」

「大体ヴィアだってリアを安静に、私が同席するって言ってたのに何で陛下を1人だけ部屋に入れたんだよ!」

「あらっ2人はラピスラズリの誓いをしているのよ?その位想いあっているのだから少し位協力したって良いじゃない。それに私は陛下に協力したんじゃなくて姫様に協力しての。傷ついた乙女を癒すのは当然兄より愛する人でしょ?」

「だとしてもジークは俺達の許可も得ずにリアを婚約者にした様なもんなんだから邪魔しても良いと思うんだよ。」

「そうだよウィル。行こう!」

「こらっ!久々に会えた妹に嫌われたくないなら少しは待ちなさいって。流石にあの状態の姫様に手を出したりはしないでしょ?なんたって陛下は姫様が何より大切なんだから。傷つけるような真似は絶対にしない。それは分かっているでしょ?あんた達だって恋人との逢瀬邪魔されたくないでしょ?」

「それは…」

「そうだけど…」

「分かっていても複雑な心境って事ね…それじゃあ姫様には悪いけど後15分したら行きましょう?」

『そんなに待つのか?』

「ふふっ…さすが双子ね。」

「…15分……15分だな………はぁ…あっそう言えば。何でウィルはオリヴィア夫人の事を愛称で呼んでいるんだ?」

「それな…俺だってイヤなんだよ。でもヴィアの旦那、第一騎士団の団長なんだけど仕事に誇りを持ってる人で…もちろん俺も憧れているんだけど、ヴィアは騎士団の医師だろ?だから"緊急時に夫人とか気にするのは無駄だ。なら普段からヴィアと皆呼べ‼︎そう呼ばれたからと言って俺のヴィアがお前達のものになるわけでもないしな!"って言い出して…それからは騎士団長の厳命なんだよ…」

「私の夫は豪快で格好良いのよ。」

「そうなんだ。」

「なによルドルフ様!あからさまに興味ないって顔で!」

「興味ないからね。もう15分たったろ!」

「まだ5分も経ってないわよ!」

「ククッさすがルド。ヴィアもう諦めろよ!」

「これからの陛下と姫様の障害は間違いなくあんた達ね。」

その言葉を聞き流しリアの部屋に向かう。
リアが寝ているかもしれないからノックはせず静かにドアを開ける。
中を見ると先に来ていたはずのジークの姿が見えず焦る。
…がベッドに入ってリアと仲良く寝ているのを見て怒りが沸く。
でも気持ちよさそうに寝ているリアを見ると大声もあげられない。

「あら姫様はやっぱり陛下に側にいてもらった方が穏やかに過ごせる様ねお兄ちゃん達?衰弱も激しいから質の良い睡眠は大事だわ!医者として今後も陛下には姫様と寝てもらいましょう‼︎」

俺達がその言葉に項垂れたのは言うまでもない…




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