【完】太陽の王が愛する妖精王の寵児

奏直

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37.レオンの報告③

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夫人達が帰った後、一度執務室に戻る。
アリシア夫人に言った通りフィアはマホーティス侯爵家にいると確信している。

それは朝一番でレオンが私の元に報告に来たからだ。

◇◇◇◇◇◇◇

目が覚め寝室から私室に移動すると既に部屋は使用人によって片付けられていた。
ソファにかけ寛いでいるとレオンの気配がした。

「朝早くから失礼いたします。どうしても先ずは陛下にお伝えしてからと思い、昨日お伝えできなかったことを報告に来ました。」

「秘匿事項か?」

「はい。調査中にとある人物を見たのです。」

「誰だ?」

「マホーティス侯爵家でクリストフ・ディル・キラデル侯爵を見ました。」

「キラデル侯爵?」

「はい。この7年間キラデル侯爵とマホーティス侯爵の間に特筆すべき交流はありませんでした。また、僕が見た限りでは信仰を図っていたのはリズベット夫人でした。」

「キラデル侯爵がマホーティス…いや、リズベット夫人についていたか。レオン、大公と宰相の前で報告しなかった判断、褒めて遣わす。この7年の2人の動きと関係の確認を引き続き調査しろ。」

「御意に。ですが…」

「あぁ。厄介な事になった。キラデル侯爵は自分こそが王家の血筋だと思っている。王家の血筋なのは確かだがその様な者など沢山いるのに自分こそがこの国の正当な王だと主張している。王になるには血筋だけではないのにな…」

「その事を知っているのは陛下に近い方達ばかりですからね。この事は大公様と宰相様には?」

「折を見て私から話す。キラデル侯爵が関わってるとなると2人の心中は穏やかとはいかない。些細な事でもいいから何か掴めたら都度報告しろ。」

「御意に。陛下…あの話は誠でしょうか?」

「証拠がな…」

「そうですか。陛下は…ジークの心中は穏やかなのか?」

「まさか。とんでもなく荒れているよ。それに、恐らくフィアはマホーティス侯爵家にいる。もし私が暴走しそうになったら全力で止めろ。まぁ、そうならない様冷静でいようと思うがな。レオン調査中はキラデル侯爵に十分気を付けろ!」

「御意に。」

そう言うとレオンは会釈をし気配を消した。

キラデル侯爵は私の両親を事故に見せかけて殺害した主犯とされている。
ただ、証拠がなく事故とされた。
その人物がリズベット夫人と繋がった今、マホーティス家にいる侍女がフィアで間違いない。
断言してもいい。

◇◇◇◇◇◇◇

今朝の出来事を思い出しギリっと拳を強く握る。
今すぐにでもマホーティス領に乗り込みたい衝動を必死に抑える。
フィアを連れ去ってから7年間隠しおおせてきたんだ油断も隙もない。
できるだけ情報を集め一撃で仕留める。
フィアを私から奪ったこと死にたくなる程後悔させてやる。

アルバートが訪れるまで私は政務を終わらせる事に集中した。
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