【完】太陽の王が愛する妖精王の寵児

奏直

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35.男子会③

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「ゼノスは一緒に帰らなく良かったのか?」

「何で?」

「何でって、ゼノスに甥っ子か姪っ子が出来るんだろう?」

「そうなの?そうなんだ~。でもお祝いは今日はできないだろうから僕はここにいるよ。」

「まぁそうだな。」

「じゃあダニー兄さんとマリー姉さんの第一子ご懐妊にかんぱ~い。」

『乾杯‼︎』

「ねぇレオンさんって~何で~ジーク兄さんの~諜報しているの~?」

ーん?ゼノスお前かなり酔っているのか?いつの間に飲んだんだ!

「酔ってるね~ゼノっちゃん。ま・楽しいからいいか。僕の家はね~初代国王の時代から諜報員として王家に仕えているんだよ。だからジークに仕えるのは当然のことだったんだよね。」

「えっそれだけ?」

「そ。だけど僕だって自分が仕える人がどういう人物なのかには興味があったんだよ。せっかく仕えるなら自分が心から仕えたいと思える人がいいからね。」

「私はレオンのお眼鏡にかなったのかな?」

「ものすごく。だってジークは面白いもん。」

「面白い?」

「うん。面白くて守りたくなる。だって僕には出来ない事たくさんしてるんだもん。まず国のたった1人の王太子だったのに11歳でラピスラズリの誓いをしたでしょう?僕はどんなに好きな人が出来ても一生する事はないと断言できる。それに7年間ずっとラピスラズリの花嫁様を探しているでしょう?一緒に過ごした時間よりずっと長い時を…僕には出来ないよ。」

「そんな事ないだろう。」

「ううん。出来ない。ラピスラズリの花嫁様を探しながら、この国の王として皆の期待通りの皆の望む優しく強く、時に冷酷で完璧な王であろうとし続けている。僕には出来ないよ。出来ないから、そんな王のために僕ができることは情報を持ってくることだけだ。僕は情報でジークを守る。オフィーリア様の情報も見つけてみせる。だってジークはオフィーリア様の前でしかただのジークフリートになれないんでしょう?」

ー驚いた。さすが王族に仕える諜報員なだけあるな。そうだよ。私にはオフィーリアが必要だ。

私は何も言わずただ静かに頷いた。

「なら俺は武力でジークを護る。」

「私達5名はそれぞれの出来る事でジークを守る。リアも必ず見つける。そうだろう?」

「あぁ。」

とても温かい良い雰囲気が流れる。
そんな良い雰囲気に水を差すのはやっぱりゼノスだった。

「ねぇねぇ~レオンさん。初代皇帝の時代から~仕えているのは~四侯でしょ~う?ヴェルド伯爵も~四侯なの~?あれ~?四侯って~何だっけ~?」

ーゼノスは流石にもうダメだな。寝かせるか?

「ゼノスもう休め。それからヴェルド伯爵家は四侯だよ。因みに残りはベザルデ侯爵家・バンガス侯爵家に俺達の家のオーウェン侯爵家だよ。」

「そうだそうだ。あれ~?何でヴェルド伯爵家も~四侯なの~?」

「ヴェルド家は元々諜報が得意だったが爵位が上がると動きにくくなるから伯爵位にしてもらったと聞いている。」

「へぇ~ そうなんだ~ あ~ なんか~ 目が~          ま わ る ~ 」

と言いながらゼノスがソファーに横になり休む。
こんな状態になっても明日になればきちんと仕事をしてくれる。
ウィルを見ると軽々とゼノスを抱え上げる。

「ジーク、ゼノスが限界の様ですので本日はこれでお開きとしましょう。」

「そうだな。」

「では『おやすみなさい陛下』」

「あぁおやすみ」

4人が部屋を出ていきパタンと静かに扉が閉まった。
私も1冊の本を手に寝室に向かった。
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