【完】太陽の王が愛する妖精王の寵児

奏直

文字の大きさ
上 下
34 / 127

34.男子会②

しおりを挟む
「娘は…フロリスはそれで良いと言っていた。だから早くオフィーリア嬢を見つけてくれ。ジークのためにもな。」

「はい。」

ーそうだな。ウィルとフローの為にもオフィーリアを早く見つけないとな。あっ‼︎そういえば忘れていたが…

「そうだ!ダニーおめでとう‼︎叔父上も宰相もおめでとうございます‼︎」

『⁇⁇⁇⁇⁇』

「どうした?」

「ジーク何の話だ?」

「‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎⁉︎⁇」

ーまさか…知らないのか…?

「ダニー最近…マリーベル夫人と喧嘩したか?」

「うっ。いや…マリーとは喧嘩はしたが…何でそれをジークが知っている?」

ーあの話は本当だったのか‼︎

◆◆◆◆◆◆◆

「ジークフリート陛下‼︎」

「マリーベル夫人。お久しぶりです。珍しいですねこちらにいらっしゃるのは。」

「陛下にお会いできるかと思いまして。丁度陛下のお側に誰もいらっしゃらなくて良かったですわ。」

「何か深刻な相談事ですか?」

「えぇ。陛下は察しがよくて助かります。今朝ダニエルと喧嘩しまして。」

「喧嘩ですか…私に2人の仲を取り持つ様に言ってますか?」

「まさか。喧嘩はよくするので誰かに取り持ってもらう必要はありません。その逆ですよ。私、今回は本当に腹に据えかねてて。だから陛下、私はダニエルに一矢報いたいんです。ご協力下さい。」

「私で…よければ?」

「ありがとうございます。実はですね……」

◆◆◆◆◆◆◆

ーあの時、協力するなんて言わなければ良かった。マリーベル夫人の笑顔を思い出し、フィアの話しは何よりも絶対に…絶対に優先して聞こうと決めた。

「仲直りはしてないのか?」

「しましたけど。」

ー仲直りはしたがマリーベル夫人は許していないのか…

「はぁ。ダニー私は気が進まないが…協力すると言った以上その約束は守ろうと思う。そもそも大切な話があると言ったのに、今はそんな時間はないと言ってダニエルがマリーベル夫人の話を蔑ろにしたのがいけないのだから。」

「何で喧嘩の内容まで知ってるんだよ‼︎」

「ダニーおめでとう。春には父親になるんだってな。」

「…………え?ジーク…今…なんて…?」

「マリーベル夫人はご懐妊だそうだ。」

『何だと~‼︎‼︎‼︎‼︎』

「ほ・本当か…ジーク…」

「ジーク本当か?私に孫ができるのか?レリーに早く報告しなくては‼︎」

「そうなのかジーク…マリーが妊娠しているのか⁉︎直ぐにシアに伝えなければ‼︎」

ー叔父も宰相も私の前では決して夫人を愛称呼びしないのだが感極まっているのだろうな。

「何でジークが知っているんだよ…何でマリーは俺じゃなくジークに伝えるんだよ。俺の子なのに…」

「私だって本意ではない。ダニーと夫人が喧嘩した日、夫人が私に会いに来て言ったんだ。“今回は本当に腹に据えかねてて。だからダニエルに一矢報いたいんです。”とな。“ダニエルが話を聞く気がないなら自分からは決して妊娠の事は伝えないから陛下から伝えてくださいませんか”と。私だってあれから日が経っていたし流石に聞いていると思っていたんだよ。」

「そんな~俺の子なのに‼︎‼︎何でそんな事協力するんだよ~」

「夫人を怒らせたダニーが悪い。だから今日は早く家に帰って夫人に必死で謝れ。」

「そうする。そうするが…あ~」

「ジーク私もレリーに伝えるから帰るよ。」

「私も帰ります。シアに早く報告しなくては。」

残された私たちは悲愴な顔で帰るダニーとご機嫌な足取りで帰る叔父と宰相を見送った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

【完結】お姉様の婚約者

七瀬菜々
恋愛
 姉が失踪した。それは結婚式当日の朝のことだった。  残された私は家族のため、ひいては祖国のため、姉の婚約者と結婚した。    サイズの合わない純白のドレスを身に纏い、すまないと啜り泣く父に手を引かれ、困惑と同情と侮蔑の視線が交差するバージンロードを歩き、彼の手を取る。  誰が見ても哀れで、惨めで、不幸な結婚。  けれど私の心は晴れやかだった。  だって、ずっと片思いを続けていた人の隣に立てるのだから。  ーーーーーそう、だから私は、誰がなんと言おうと、シアワセだ。

捨てられた王妃は情熱王子に攫われて

きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。 貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?  猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。  疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り―― ざまあ系の物語です。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。

鶯埜 餡
恋愛
 ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。  しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

身代わりの私は退場します

ピコっぴ
恋愛
本物のお嬢様が帰って来た   身代わりの、偽者の私は退場します ⋯⋯さようなら、婚約者殿

【完結】「君を手に入れるためなら、何でもするよ?」――冷徹公爵の執着愛から逃げられません」

21時完結
恋愛
「君との婚約はなかったことにしよう」 そう言い放ったのは、幼い頃から婚約者だった第一王子アレクシス。 理由は簡単――新たな愛を見つけたから。 (まあ、よくある話よね) 私は王子の愛を信じていたわけでもないし、泣き喚くつもりもない。 むしろ、自由になれてラッキー! これで平穏な人生を―― そう思っていたのに。 「お前が王子との婚約を解消したと聞いた時、心が震えたよ」 「これで、ようやく君を手に入れられる」 王都一の冷徹貴族と恐れられる公爵・レオンハルトが、なぜか私に異常な執着を見せ始めた。 それどころか、王子が私に未練がましく接しようとすると―― 「君を奪う者は、例外なく排除する」 と、不穏な笑みを浮かべながら告げてきて――!? (ちょっと待って、これって普通の求愛じゃない!) 冷酷無慈悲と噂される公爵様は、どうやら私のためなら何でもするらしい。 ……って、私の周りから次々と邪魔者が消えていくのは気のせいですか!? 自由を手に入れるはずが、今度は公爵様の異常な愛から逃げられなくなってしまいました――。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

旦那様には愛人がいますが気にしません。

りつ
恋愛
 イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。 ※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。

処理中です...