【完】太陽の王が愛する妖精王の寵児

奏直

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33.男子会①

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私の私室に移動すると飲みながら話し始める。
先程とは変わって砕けた話し方になる。

「そう言えばゼノスとウィルはこの2週間でアルバートと仲を深められたか?」

「うん。僕は仲良くなれたよ。ぼ・く・は・ね!」

ーもう堅苦しい話し方をしなくていいからか笑顔で生き生きと話し始めるゼノスは憎めない可愛い奴だ。

「俺は……上官か何かと思われている……。俺も仲良くしたいのに…」

「そ…そうか…だが上官の様に尊敬されているのだろう?それはそれで良かったじゃないか。ところで例の女性の事は何か話したか?」

「ううん。それについてはジーク兄さんと会った時に話すって。今度は緊張していても全部話すって言ってた。」

「そうか。叔父上とネイト宰相は話を聞いてどう思いました?」

「マホーティス家には何処かの貴族の後ろ盾があるな。」

「宰相の言う通りだな。だが繋がりがあるのはリズベット夫人の方だろうな。」

「やはりリズか…」

「昔馴染みは疑いたくないよな。」

「はいまぁ、幼い頃はよく遊んでいましたので。親同士は私達を結婚させても良いと思っていた様ですが、私が妻と四侯会議で出会って一目惚れをしまして…両親に頼んで婚約の申入れをしたんですよ。アリシアも私に一目惚れだったらしく晴れて婚約したのが私が10歳アリシアが9歳の時でした。今のアリシアも綺麗だがあの頃のアリシアも可憐で可愛かった。」

「うわぁ親の馴れ初めと惚気ををここで聞く事になるとは…」

「あれ?ウィルは聞いた事なかった?私は宰相の仕事を教わる時によく聞かされているけど?」

「そうなのかルド⁉︎それは…酷く過酷な訓練だな。」

「おい!ウィルどういう意味だ‼︎」

ーうん話は逸れたし、宰相は酒に弱いのかな?それに夫人の事が本当に大切で愛おしいのだろう。フィアが拐われた後、夫人は体調を崩し倒れた。その報告を聞いた時の宰相の取乱しようは忘れられない。

「そう言えばルド。レミが最近会う暇がないと愚痴っていたよ。」

「あぁその事なら大丈夫だよレオ。」

「もう対策済みか。流石だな。」

ールドは隙がないからな。だがルドは次期宰相になるために寝る間を惜しんで勉強している。それでもレミリア嬢に寂しい思いをさせない様に会う時間を作っているのは大切だからだろう。本当にネイト宰相に似ているよ。余談だがレミリア嬢はレオンの妹だ。

「それで言えばウィル…フローが早く婚約したいそうだ。」

「ダニー義兄さんそれについてはお断りしたじゃないですか。理由だって知ってるくせに。」

「何だとウィリアム‼︎私の娘の何が気に入らないのだ‼︎」

ーウィリアムは言葉の選び方がな…脳筋だからな…ダニーも理由は知っていても可愛い妹の願いを叶えてやりたいのだろう。

「気に入らないとかじゃなく…リアが見つかるまでは俺は誰とも婚約しません。そう決めているとフロリス嬢にもそれは伝えています。」

「ほぉ。という事は娘は待っていてもいいのだな?」

「…っ。俺はその時が来るまでは恋人になる事もありません。フロリス嬢がそれでも良いのなら。」

ーウィルはフィアが拐われたのは自分が弱かったせいだと思っている。だから騎士になった。騎士の中でも強い近衛騎士に。それは並大抵の努力でなれるものではない。ウィルは本当に強い男なんだ。
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