【完】太陽の王が愛する妖精王の寵児

奏直

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32.レオンの報告②

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「私ではなくアリシアが…妻が言っていた事なのですがリズベット夫人は気に入ったモノへの執着や思い込みが激しいと言っていた事があったなと。私は感じたことは無いのですが…」

「確かに邸に訪ねてくることが度々ありましたが母はあまり嬉しそうではなかったですね。」

「そうですね。ウィルが言うようにリズベット夫人に会う時はいつも憂鬱そうにしていましたね。」

「似た様なことをマレリアも言っていたな。マレリアは…執念深いと表現していたかな?私は夜会で挨拶わ交わす程度だったから分からなかったが女性同士だとそう感じるものがあるのだろうな。」

「固執する人間は視野が狭くなり己の正義を振りかざすことに躊躇いがなくなりやすいからな……大公、宰相。夫人達は王都内に来ているのか?」

『はい』

「明日の午前中に王城に呼んでもらいたい。当事者である夫人たちに直接聞きたい。良いだろうか?」

『御意に。』

「レオン資金繰り以外に何か気になる事はあったか?」

「気にっなったという程度ですがよろしいですか?」

「構わない。」

「マホーティス侯爵邸の作りが変?だったんですよね。」

「変というと?」

「本当に些細な事なんですが、侯爵邸から庭にかけて不自然に補強されている部分があるんです。特に補強されている部分に四阿や噴水が建てられているんです。一見すると普通の事なんですが僕には不自然に見えたんです。何かを隠しているように見えるんです。」

「ゼノス」

「はい。」

「明日の午後アルバートを呼べ。アルバートが前に話していた時“いつも、ある部屋に行っていた”と言っていた。中の構造を確認するには住んでいた人間に聞くのが1番だ。」

「御意に。」

畏まっていたゼノスが無意識に問いかけてくる。

「それよりもジークに……っと陛下…は何か思い当たることがあるのですか?」

大公とダニーがゼノスを睨んでいる。

ーこの2人は何処から見ても親子だと分かるな。それにしてもゼノスも大公の息子なのに緊張感に欠けるな。夫人もしっかりした人なのにゼノスが緩いのは末っ子だからか?だがフィアの所の末の双子はしっかりしているから…これがゼノスという事か?そう考えると残念な奴だ。

「推測を並び立てても事実を聞くには敵わないからなぁ。」

「えっ?どういう意味?」

「陛下は明日まで待てと仰っているんだ。」

「そんなぁ。」

ダニーの言葉にガックリと肩を落とすゼノスを見て大公もダニーも大きな溜め息を吐く。

ー本当にどうして……ゼノスよこのままではお前を文官にするのも不安だ…

ゼノスのお陰で気が抜けてしまったため、私は場所を移し酒を飲みながら話をすることを提案した。
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