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25.ラピスラズリの誓いの事実①
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「その可能性は高いな。」
私も紅茶を口に含み同意を示す。
「別に宰相を責めているわけではない。貴族であれば少なからず他貴族との確執は必ずある。しかも侯爵はこの国の宰相でもあるのだから尚更だ。」
それに私とフィアの事は非公表である為、私に害をなしたい者の犯行ではない事を考えればその可能性が1番高いのだ。
「そうですね。リアだけが拐われた所を一見すると女性を狙った犯行にも見えますが、ウィルは犯人が7・8人の男達だと言っていました。話を聞く限りでは不慣れな者の犯行でしょう。なのに見つからない。仮にもこの国の王族と宰相が捜しているのにです。」
「なら貴族が裏で糸を引いている可能性が高いな。」
宰相は苦い顔をする。
それは侯爵家に恨みのあるものが犯人である可能性が高いということだ。
「……やはりそうですよね。」
宰相が大きなため息を吐き出すと、臣下の顔から父の友人の顔になる。
「……実はジークがリアとラピスの誓いをしたと聞いた時、怒りで我を忘れそうだった。殴ってやりたかった。」
「宰相の…お義父さんの気持ちも考えず軽率な事をしたこと本当に申し訳ありません。」
「謝るな。そしてお義父さんと呼ぶな。…だが今は感謝しているんだ。」
「なぜ…?」
「ラピスの誓いはリアを護っている。少なからず命と…リアの貞操を護っている。」
「ラピスラズリの誓いはその相手としか子供を成すことはできなくなり、そういう行為もできなくなるから?」
「国王夫妻は子供のジークにも分かる様に言ったのだろうが実際の文献にはこの様に書いてある。」
そう言うと持ってきていた本を机に置きページを捲り、ある文を指で指し示す。
"ラピスノ花嫁ニ手ヲ出セバソノ身ハ凍テツキ、ラピスノ花婿ニ手ヲ出セバソノ花ヲカラス"
「意味…分かるか?」
「呪われる…って事ですか?」
「手を出した者がどうなるか想像つくか?」
「凍てつきは凍るって事で花を枯らすは…」
「簡単に言えば子を成せなくなる。そういった事も出来なくなると言う意味だ。」
「は?」
「はぁ~国王夫妻も教えるならきちんと教えて頂きたかったものだ。」
「私も今はそう思っている。」
「あ~つまり花嫁に手を出せば男として機能しなくなるという意味で、花婿に手を出せば老いて子を産めなくなるという意味だ。ゾッとするだろ?」
今ならその恐ろしさがよく分かるがこの時の私には残念ながら理解できていたか怪しい…
「ならもし今フィアを襲おうとする奴がいたら、そいつは男として終わるって事?」
「そうだ。ラピスラズリの誓いは妖精の力を借りるから邪な考えで手を出そうとすれば呪われる。唇を奪うことすら出来ない。それ程までに妖精はこの誓いを大切にしている。だからこそ…」
と言いまたページを捲り指差す。
"ラピスラズリノ紋章ハ伴侶ナル者ガ死スレバ変異ス。ソレガ非業ノ死トナラバ伴侶ナル者ノ怒リデ身ヲ焼ク。"
私も紅茶を口に含み同意を示す。
「別に宰相を責めているわけではない。貴族であれば少なからず他貴族との確執は必ずある。しかも侯爵はこの国の宰相でもあるのだから尚更だ。」
それに私とフィアの事は非公表である為、私に害をなしたい者の犯行ではない事を考えればその可能性が1番高いのだ。
「そうですね。リアだけが拐われた所を一見すると女性を狙った犯行にも見えますが、ウィルは犯人が7・8人の男達だと言っていました。話を聞く限りでは不慣れな者の犯行でしょう。なのに見つからない。仮にもこの国の王族と宰相が捜しているのにです。」
「なら貴族が裏で糸を引いている可能性が高いな。」
宰相は苦い顔をする。
それは侯爵家に恨みのあるものが犯人である可能性が高いということだ。
「……やはりそうですよね。」
宰相が大きなため息を吐き出すと、臣下の顔から父の友人の顔になる。
「……実はジークがリアとラピスの誓いをしたと聞いた時、怒りで我を忘れそうだった。殴ってやりたかった。」
「宰相の…お義父さんの気持ちも考えず軽率な事をしたこと本当に申し訳ありません。」
「謝るな。そしてお義父さんと呼ぶな。…だが今は感謝しているんだ。」
「なぜ…?」
「ラピスの誓いはリアを護っている。少なからず命と…リアの貞操を護っている。」
「ラピスラズリの誓いはその相手としか子供を成すことはできなくなり、そういう行為もできなくなるから?」
「国王夫妻は子供のジークにも分かる様に言ったのだろうが実際の文献にはこの様に書いてある。」
そう言うと持ってきていた本を机に置きページを捲り、ある文を指で指し示す。
"ラピスノ花嫁ニ手ヲ出セバソノ身ハ凍テツキ、ラピスノ花婿ニ手ヲ出セバソノ花ヲカラス"
「意味…分かるか?」
「呪われる…って事ですか?」
「手を出した者がどうなるか想像つくか?」
「凍てつきは凍るって事で花を枯らすは…」
「簡単に言えば子を成せなくなる。そういった事も出来なくなると言う意味だ。」
「は?」
「はぁ~国王夫妻も教えるならきちんと教えて頂きたかったものだ。」
「私も今はそう思っている。」
「あ~つまり花嫁に手を出せば男として機能しなくなるという意味で、花婿に手を出せば老いて子を産めなくなるという意味だ。ゾッとするだろ?」
今ならその恐ろしさがよく分かるがこの時の私には残念ながら理解できていたか怪しい…
「ならもし今フィアを襲おうとする奴がいたら、そいつは男として終わるって事?」
「そうだ。ラピスラズリの誓いは妖精の力を借りるから邪な考えで手を出そうとすれば呪われる。唇を奪うことすら出来ない。それ程までに妖精はこの誓いを大切にしている。だからこそ…」
と言いまたページを捲り指差す。
"ラピスラズリノ紋章ハ伴侶ナル者ガ死スレバ変異ス。ソレガ非業ノ死トナラバ伴侶ナル者ノ怒リデ身ヲ焼ク。"
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