13 / 127
13.誤解と告白
しおりを挟む
「…ご機嫌様、フィア。…今日もお勧めの本を持ってきたよ。」
「私も借りていた本、持ってきたわ…。この本も、とても面白かった…。ギルが勧めてくれる本は本当に面白いわね…。」
そう言って本を交換する。
ーそうだフィアが面白いって言った本をフロリスに貸そうか。
「じっと本を見つめてどうしたの?」
「あぁ、フィアが面白いって言ってたくれたからフロリスにも貸そうかと思って。」
「フロ…リス…様?」
「あぁ、さっき会った時に貸して欲しいと言われてね。だからこの本を…」
そう言ってフィアを見ると瞳に涙を浮かべていた。
「フィア?どうしたの?」
「その………フ…フロリス様が……ギルが前に言っていた誓いたいと思う人なの?」
「えっ?」
ーフィアは今なんて言った?フロリスが俺の誓いたい相手?誓いたいって…………ラピスラズリの誓いのことか?……‼︎‼︎まさか、フィアは私がフロリスとラピスラズリの誓いをしたいと思っていると言ったのか?何でそうなるんだ?
「そう…なんでしょ?ごめんなさい。私…今日はもう…帰るね。」
そう言っていつものようにフィアが消えようとしているのを見て、慌てて腕を掴んで引き寄せた。
私の腕の中で驚き固まるフィアを思わずギュッと抱きしめる。
フィアを腕の中に閉じ込めながら、混乱する頭で何故フィアがそう言ったのか必死で考える。
ーフィアはさっき何て言った?私が誓いたいと言った相手がフロリスだと言ったんだよな。だけど私が前に誓いたいと言った相手はフィアのことだった。でも、フィアはそう思ってなかったという事だよな。
「フィア…好きだ。私がラピスラズリの誓いをしたい相手はフィアだ。」
気づいたらそう言っていた。
「ふえっ?わ…私ですか?えっ?えっ?」
「そうフィアだよ!フィアが好きだ。フィアが好きなんだ…フィアが好きだ。」
混乱するフィアを気にすることもできず私は何度もフィアに言った。
そう言っていたらフィアが伝えてくれる。
「わた…私も…ギルが…す………す……」
腕の中のフィアを少しだけ解放して顔を見る。
「ん?」
顔を真っ赤にしたフィアが口をパクパクさせている。
「す…す……好き…です。」
と言って涙が溢れるのを隠すように私の胸に顔を埋めるフィアが可愛くて可愛くて、また抱きしめる。
私の瞳からも涙が流れる。
ーでも間に合って良かった。フィアが消える前で本当に良かった。もしあの時、間に合っていなかったら…もう2度とフィアに会えなくなっていたかもしれないと思うと恐ろしくて仕方ない。本当に良かった。
「フィア、ありがとう。」
そう言ってからフィアの手を取りいつもお茶をしている席に案内する。
「顔、真っ赤だよフィア。」
「…っ。ギルは…思ったよりも意地悪です。」
そう言ったフィアも可愛かった。
「私も借りていた本、持ってきたわ…。この本も、とても面白かった…。ギルが勧めてくれる本は本当に面白いわね…。」
そう言って本を交換する。
ーそうだフィアが面白いって言った本をフロリスに貸そうか。
「じっと本を見つめてどうしたの?」
「あぁ、フィアが面白いって言ってたくれたからフロリスにも貸そうかと思って。」
「フロ…リス…様?」
「あぁ、さっき会った時に貸して欲しいと言われてね。だからこの本を…」
そう言ってフィアを見ると瞳に涙を浮かべていた。
「フィア?どうしたの?」
「その………フ…フロリス様が……ギルが前に言っていた誓いたいと思う人なの?」
「えっ?」
ーフィアは今なんて言った?フロリスが俺の誓いたい相手?誓いたいって…………ラピスラズリの誓いのことか?……‼︎‼︎まさか、フィアは私がフロリスとラピスラズリの誓いをしたいと思っていると言ったのか?何でそうなるんだ?
「そう…なんでしょ?ごめんなさい。私…今日はもう…帰るね。」
そう言っていつものようにフィアが消えようとしているのを見て、慌てて腕を掴んで引き寄せた。
私の腕の中で驚き固まるフィアを思わずギュッと抱きしめる。
フィアを腕の中に閉じ込めながら、混乱する頭で何故フィアがそう言ったのか必死で考える。
ーフィアはさっき何て言った?私が誓いたいと言った相手がフロリスだと言ったんだよな。だけど私が前に誓いたいと言った相手はフィアのことだった。でも、フィアはそう思ってなかったという事だよな。
「フィア…好きだ。私がラピスラズリの誓いをしたい相手はフィアだ。」
気づいたらそう言っていた。
「ふえっ?わ…私ですか?えっ?えっ?」
「そうフィアだよ!フィアが好きだ。フィアが好きなんだ…フィアが好きだ。」
混乱するフィアを気にすることもできず私は何度もフィアに言った。
そう言っていたらフィアが伝えてくれる。
「わた…私も…ギルが…す………す……」
腕の中のフィアを少しだけ解放して顔を見る。
「ん?」
顔を真っ赤にしたフィアが口をパクパクさせている。
「す…す……好き…です。」
と言って涙が溢れるのを隠すように私の胸に顔を埋めるフィアが可愛くて可愛くて、また抱きしめる。
私の瞳からも涙が流れる。
ーでも間に合って良かった。フィアが消える前で本当に良かった。もしあの時、間に合っていなかったら…もう2度とフィアに会えなくなっていたかもしれないと思うと恐ろしくて仕方ない。本当に良かった。
「フィア、ありがとう。」
そう言ってからフィアの手を取りいつもお茶をしている席に案内する。
「顔、真っ赤だよフィア。」
「…っ。ギルは…思ったよりも意地悪です。」
そう言ったフィアも可愛かった。
0
お気に入りに追加
122
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

【完結】お姉様の婚約者
七瀬菜々
恋愛
姉が失踪した。それは結婚式当日の朝のことだった。
残された私は家族のため、ひいては祖国のため、姉の婚約者と結婚した。
サイズの合わない純白のドレスを身に纏い、すまないと啜り泣く父に手を引かれ、困惑と同情と侮蔑の視線が交差するバージンロードを歩き、彼の手を取る。
誰が見ても哀れで、惨めで、不幸な結婚。
けれど私の心は晴れやかだった。
だって、ずっと片思いを続けていた人の隣に立てるのだから。
ーーーーーそう、だから私は、誰がなんと言おうと、シアワセだ。
捨てられた王妃は情熱王子に攫われて
きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。
貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?
猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。
疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り――
ざまあ系の物語です。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる