【完】太陽の王が愛する妖精王の寵児

奏直

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13.誤解と告白

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「…ご機嫌様、フィア。…今日もお勧めの本を持ってきたよ。」

「私も借りていた本、持ってきたわ…。この本も、とても面白かった…。ギルが勧めてくれる本は本当に面白いわね…。」

そう言って本を交換する。

ーそうだフィアが面白いって言った本をフロリスに貸そうか。

「じっと本を見つめてどうしたの?」

「あぁ、フィアが面白いって言ってたくれたからフロリスにも貸そうかと思って。」

「フロ…リス…様?」

「あぁ、さっき会った時に貸して欲しいと言われてね。だからこの本を…」

そう言ってフィアを見ると瞳に涙を浮かべていた。

「フィア?どうしたの?」

「その………フ…フロリス様が……ギルが前に言っていた誓いたいと思う人なの?」

「えっ?」

ーフィアは今なんて言った?フロリスが俺の誓いたい相手?誓いたいって…………ラピスラズリの誓いのことか?……‼︎‼︎まさか、フィアは私がフロリスとラピスラズリの誓いをしたいと思っていると言ったのか?何でそうなるんだ?

「そう…なんでしょ?ごめんなさい。私…今日はもう…帰るね。」

そう言っていつものようにフィアが消えようとしているのを見て、慌てて腕を掴んで引き寄せた。
私の腕の中で驚き固まるフィアを思わずギュッと抱きしめる。
フィアを腕の中に閉じ込めながら、混乱する頭で何故フィアがそう言ったのか必死で考える。

ーフィアはさっき何て言った?私が誓いたいと言った相手がフロリスだと言ったんだよな。だけど私が前に誓いたいと言った相手はフィアのことだった。でも、フィアはそう思ってなかったという事だよな。

「フィア…好きだ。私がラピスラズリの誓いをしたい相手はフィアだ。」

気づいたらそう言っていた。

「ふえっ?わ…私ですか?えっ?えっ?」

「そうフィアだよ!フィアが好きだ。フィアが好きなんだ…フィアが好きだ。」

混乱するフィアを気にすることもできず私は何度もフィアに言った。
そう言っていたらフィアが伝えてくれる。

「わた…私も…ギルが…す………す……」

腕の中のフィアを少しだけ解放して顔を見る。

「ん?」

顔を真っ赤にしたフィアが口をパクパクさせている。

「す…す……好き…です。」

と言って涙が溢れるのを隠すように私の胸に顔を埋めるフィアが可愛くて可愛くて、また抱きしめる。
私の瞳からも涙が流れる。

ーでも間に合って良かった。フィアが消える前で本当に良かった。もしあの時、間に合っていなかったら…もう2度とフィアに会えなくなっていたかもしれないと思うと恐ろしくて仕方ない。本当に良かった。

「フィア、ありがとう。」

そう言ってからフィアの手を取りいつもお茶をしている席に案内する。

「顔、真っ赤だよフィア。」

「…っ。ギルは…思ったよりも意地悪です。」

そう言ったフィアも可愛かった。
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