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12.ままならない気持ち
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フィアが明らかに話を逸らしたと感じた。
フィアは私の事を恋愛感情として好きではないという事なのだろうと思ってしまった。
だからフィアの質問にただ答えることしかできなかった。
ひどく動揺していた。
それをフィアにだけは悟られないように意識したことで、私はフィアの様子に気が付かなかった。
それでも私は明日もフィアに会えるように約束をする。
私がラピスラズリの誓いをしたいと思うのはフィアだけだ。
そのフィアにはおそらく想い人がいる。
それが分かっても、私はフィアに会いたかった。
フィアが私に会いに来なくなるまで。
別れの時間が近づく。
離れたくないのに、1人にもなりたくて…
ー私はいつも通り笑えているかな…
「ギル…また明日…」
「フィア…また明日…」
フィアがいつものように消えてしまう。
消える直前、夕日がフィアの顔に当たり頬に涙が伝っているように見えた。
「フィア…好きだよ。」
誰もいない庭で、私の告白は夕陽に飲まれていった。
あれから数週間が過ぎていたが私の気持ちは晴れなかった。
寧ろどんどん重くなっていく。
久々に眠れぬ日が続いていた。
フィアの想い人はどんな人だろうか…
今まで互いに気にしていなかったが婚約者はいるのだろか…
フィアは想い人と両想いなのだろうか…
気になるとその思考のループから抜け出せなくなって眠れなかった。
あの日の夜も眠れなくて、夜通しフィアに貸す本を選んでいた。
フィアはこの間貸した本が面白かったと言っていたから、似たものにしようか…それとも違うものにしようか…とフィアを思い本を手にとっていた。
明け方まで。
翌日、フィアに本を渡したけれどぎこちないままだった。
あれからずっとぎこちないままだ。
どんどんぎこちなくなっていってる気がする。
なのに今日もフィアの為に選んだ本を持ってフィアに会いに行く。
「ジークお兄様‼︎」
振り向くとそこには従姉妹のフロリスがいた。
綺麗なカーテシーを披露するのを見て、さすが公爵令嬢だと思った。
「フロリス。元気そうだね。」
「はい。ジークお兄様はご機嫌いかがですか?本をお持ちになって何処に向かわれるのですか?」
「ちょっとね。」
「そうですの…そうだ、ジークお兄様。私にもお兄様のお勧めの本を教えてください。」
「分かった、今度な。」
「そう言って、いつになるかわからなじゃないですか。」
「分かったから。今度ちゃんとフロリスにも貸すから。」
「絶対ですよ!ジークお兄様‼︎」
フロリスはフィアよりも年齢が上だが、フィアよりも幼く感じる所がある。
元々ダニーの妹なのもあって、私にとっても実の妹の様に感じているからかもしれない。
苦笑いを浮かべながらフロリスと別れる。
フロリスと話したため少し遅れて庭に着く。
少し遅れてしまったためかフィアが先にいた。
私は直ぐには声をかけずに、1人で庭の花を眺めるフィアを見ていた。
少ししてフィアが振り返る。
「あっ!ギル…いつからいたの?来たなら声をかけてくれれば良いのに……ギル、ご機嫌様。」
そう言って綺麗なカーテシーで挨拶をするフィア。
顔を上げると可愛い笑顔を向けてくれる。
けれどその笑顔はここ最近見る様になった不自然な…張り付けたような笑顔だった。
フィアは私の事を恋愛感情として好きではないという事なのだろうと思ってしまった。
だからフィアの質問にただ答えることしかできなかった。
ひどく動揺していた。
それをフィアにだけは悟られないように意識したことで、私はフィアの様子に気が付かなかった。
それでも私は明日もフィアに会えるように約束をする。
私がラピスラズリの誓いをしたいと思うのはフィアだけだ。
そのフィアにはおそらく想い人がいる。
それが分かっても、私はフィアに会いたかった。
フィアが私に会いに来なくなるまで。
別れの時間が近づく。
離れたくないのに、1人にもなりたくて…
ー私はいつも通り笑えているかな…
「ギル…また明日…」
「フィア…また明日…」
フィアがいつものように消えてしまう。
消える直前、夕日がフィアの顔に当たり頬に涙が伝っているように見えた。
「フィア…好きだよ。」
誰もいない庭で、私の告白は夕陽に飲まれていった。
あれから数週間が過ぎていたが私の気持ちは晴れなかった。
寧ろどんどん重くなっていく。
久々に眠れぬ日が続いていた。
フィアの想い人はどんな人だろうか…
今まで互いに気にしていなかったが婚約者はいるのだろか…
フィアは想い人と両想いなのだろうか…
気になるとその思考のループから抜け出せなくなって眠れなかった。
あの日の夜も眠れなくて、夜通しフィアに貸す本を選んでいた。
フィアはこの間貸した本が面白かったと言っていたから、似たものにしようか…それとも違うものにしようか…とフィアを思い本を手にとっていた。
明け方まで。
翌日、フィアに本を渡したけれどぎこちないままだった。
あれからずっとぎこちないままだ。
どんどんぎこちなくなっていってる気がする。
なのに今日もフィアの為に選んだ本を持ってフィアに会いに行く。
「ジークお兄様‼︎」
振り向くとそこには従姉妹のフロリスがいた。
綺麗なカーテシーを披露するのを見て、さすが公爵令嬢だと思った。
「フロリス。元気そうだね。」
「はい。ジークお兄様はご機嫌いかがですか?本をお持ちになって何処に向かわれるのですか?」
「ちょっとね。」
「そうですの…そうだ、ジークお兄様。私にもお兄様のお勧めの本を教えてください。」
「分かった、今度な。」
「そう言って、いつになるかわからなじゃないですか。」
「分かったから。今度ちゃんとフロリスにも貸すから。」
「絶対ですよ!ジークお兄様‼︎」
フロリスはフィアよりも年齢が上だが、フィアよりも幼く感じる所がある。
元々ダニーの妹なのもあって、私にとっても実の妹の様に感じているからかもしれない。
苦笑いを浮かべながらフロリスと別れる。
フロリスと話したため少し遅れて庭に着く。
少し遅れてしまったためかフィアが先にいた。
私は直ぐには声をかけずに、1人で庭の花を眺めるフィアを見ていた。
少ししてフィアが振り返る。
「あっ!ギル…いつからいたの?来たなら声をかけてくれれば良いのに……ギル、ご機嫌様。」
そう言って綺麗なカーテシーで挨拶をするフィア。
顔を上げると可愛い笑顔を向けてくれる。
けれどその笑顔はここ最近見る様になった不自然な…張り付けたような笑顔だった。
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