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11.失恋…⁉︎
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「でも、誓いをしたいと思う人はいるよ。」
そうギルが言ったのを聞いて私は目の前が真っ暗になった。
ギルと出会った時、私は恋に落ちていた。
宵闇の濃紺の髪にトパーズの黄金の瞳を見た瞬間にこの人だと身体中の血が沸騰した。
一目惚れだった。
そして毎日同じ時間に会って過ごしているとギルの優しさに更に心が惹かれていった。
私が片想いなのは分かっている。
いつも落ち着いているギルが私の事を好きなはずがない。
恐らく妹の様に思っているのだろう。
それでも、毎日会えることが嬉しく幸せだった。
そんな時にギルの両親の話を聞いた。
とても面白いご両親のようで、叶うならお会いしたいと思いました。
それから、ラピスラズリの誓いについても…。
話を聞いた時、すごく素敵な話だと思いました。
叶わなくとも夢に見るくらいは許されるでしょうか…。
そんな事を思っていたからかつい聞かなくても良い事を聞いてしまう。
「ねぇ、ギル。ギルはもう誰かとラピスラズリの誓いをしたの?」
聞いてから後悔した。
ーこれじゃあ私がギルを好きだと言っている様じゃない。
「してないよ。もし、誓いをしていたら毎日こうしてフィアと会ったりしない。その女性に申し訳ないからね。」
「そ…そうよね。」
今はまだそんな相手が居ないんだと安心し良かったと思ったその矢先だった。
「でも、誓いをしたいと思う人はいるよ。」
そう言われ目の前が真っ暗になる。
手先が…身体中が冷えていく様に感じた。
ーわ…わた…し…失…恋したんだわ…分かっていたはずよ…ギルは私の事を好きではないと…誓いをした人が居なくても、そう想う人がいないということを…まだ…知りたくなかった…なのに…何故聞いてしまったのかしら………ギルに想われている人が羨ましいわ……
「そ…そうなのね。……そう言えばギル、この間借りた本だけどすごく面白かったわ。他にもお勧めの本があったらまた借りても良いかしら?」
声が震えないように気を付ける。
これ以上ギルの想い人の話を聞きたくなくて話題を替えることにした。
ギルは少し驚いた顔をしたけど質問に答えてくれる。
「…あぁ。じゃあ明日また持ってくるね。この間の本も気に入ってくれて良かった。」
「ありがとう。」
どこかぎこちない雰囲気になってしまった様に思うのは私の心が沈んでしまったからだろうか。
ー私は上手く笑えているかしら…
そうギルが言ったのを聞いて私は目の前が真っ暗になった。
ギルと出会った時、私は恋に落ちていた。
宵闇の濃紺の髪にトパーズの黄金の瞳を見た瞬間にこの人だと身体中の血が沸騰した。
一目惚れだった。
そして毎日同じ時間に会って過ごしているとギルの優しさに更に心が惹かれていった。
私が片想いなのは分かっている。
いつも落ち着いているギルが私の事を好きなはずがない。
恐らく妹の様に思っているのだろう。
それでも、毎日会えることが嬉しく幸せだった。
そんな時にギルの両親の話を聞いた。
とても面白いご両親のようで、叶うならお会いしたいと思いました。
それから、ラピスラズリの誓いについても…。
話を聞いた時、すごく素敵な話だと思いました。
叶わなくとも夢に見るくらいは許されるでしょうか…。
そんな事を思っていたからかつい聞かなくても良い事を聞いてしまう。
「ねぇ、ギル。ギルはもう誰かとラピスラズリの誓いをしたの?」
聞いてから後悔した。
ーこれじゃあ私がギルを好きだと言っている様じゃない。
「してないよ。もし、誓いをしていたら毎日こうしてフィアと会ったりしない。その女性に申し訳ないからね。」
「そ…そうよね。」
今はまだそんな相手が居ないんだと安心し良かったと思ったその矢先だった。
「でも、誓いをしたいと思う人はいるよ。」
そう言われ目の前が真っ暗になる。
手先が…身体中が冷えていく様に感じた。
ーわ…わた…し…失…恋したんだわ…分かっていたはずよ…ギルは私の事を好きではないと…誓いをした人が居なくても、そう想う人がいないということを…まだ…知りたくなかった…なのに…何故聞いてしまったのかしら………ギルに想われている人が羨ましいわ……
「そ…そうなのね。……そう言えばギル、この間借りた本だけどすごく面白かったわ。他にもお勧めの本があったらまた借りても良いかしら?」
声が震えないように気を付ける。
これ以上ギルの想い人の話を聞きたくなくて話題を替えることにした。
ギルは少し驚いた顔をしたけど質問に答えてくれる。
「…あぁ。じゃあ明日また持ってくるね。この間の本も気に入ってくれて良かった。」
「ありがとう。」
どこかぎこちない雰囲気になってしまった様に思うのは私の心が沈んでしまったからだろうか。
ー私は上手く笑えているかしら…
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