俺の惑星は宇宙一!目指すは評価星五つ!

柳 蛙

文字の大きさ
上 下
7 / 7
第一章:迫る評価、危ういボーナス

7:転生の条件

しおりを挟む
「そうだ……クラウス。その手で行こう」

「その手って…どの手だ?」

「人間に技術を伝えさせるのさ」

「はぁ?何言ってんだ?そんな人間、イノスには…」

「違う、アースの人間に伝えさせるんだよ」

アースの人間に…?
まさか…。

「気づいたね。そう、転生制度を使う」

転生制度…神が管理する惑星はどんな形であれ知的生命体、すなわち人が住むことになる。
しかし、人全員が満足できる星にできるとも限らない。
中には人と人との争い、心の痛み、他者からの一方的な責め…様々な理由で命を捨てる人もいる…。
そんな人間の救済措置として、神同士の合意、その人の合意があれば他の惑星に転生させることができるのだ。

「でも…いいのか?転生制度はその星で人を幸せにできないと言わしめるもの、自分の星の評価を下げる可能性だって…」

「なぁに、ちゃんと転生者には戻れるようにするし、こっそりすれば大丈夫さ。それに、僕の星でも幸せになれない人がいるのも事実。そんな人たちには、君の星のようにのんびりした空気が合うのかもしれないしね。ま、未来への投資ってやつだよ」

「……わかった。すまない」

「かまわないよ。可愛い弟分がやる気になったんだ。協力するのが兄貴分ってもんさ」

そう言ってウェルナーは笑った。
こいつはいつもそうだ…俺のためにいろいろしてくれる…。
でも俺はこいつに…。

「いつか……どんな形でもいいから返してくれればいい…。君なら大丈夫だ。一度の失敗でくじける君じゃないだろう?」

「……あぁ、いつかお前の星よりもすごくなって、次は俺が助けてやるから」

「ふふ……その出世払いを期待しているよ。さてと、いろいろ忙しくなってきた。僕は人材の選抜をしておくよ。君は……信託の挨拶でも考えておきなよ。君の神様として、二回目の仕事だよ」

「わかってるよ」

そう言ってウェルナーは俺の部屋から出て行った。

「二回目…そうだな…」

俺は珍しく、ベットではなく机についた。
あの星に必要なもの…技術…人材…。
どう伝え、どう広めるのか…。
リミットは500年。

先を見据え紙に今後の流れなんかを書き連ねていく。

こんなに頭を使ってるのは久しぶりかもしれない。
あの星の人のため…そして、『一回目』の人たちへの罪滅ぼしのため…。

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

転生しても山あり谷あり!

tukisirokou
ファンタジー
「転生前も山あり谷ありの人生だったのに転生しても山あり谷ありの人生なんて!!」 兎にも角にも今世は “おばあちゃんになったら縁側で日向ぼっこしながら猫とたわむる!” を最終目標に主人公が行く先々の困難を負けずに頑張る物語・・・?

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

野草から始まる異世界スローライフ

深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。 私ーーエルバはスクスク育ち。 ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。 (このスキル使える)   エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。 エブリスタ様にて掲載中です。 表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。 プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。 物語は変わっておりません。 一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。 よろしくお願いします。

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~

みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】 事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。 神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。 作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。 「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。 ※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...