俺の惑星は宇宙一!目指すは評価星五つ!

柳 蛙

文字の大きさ
上 下
4 / 7
第一章:迫る評価、危ういボーナス

4:神の本気の改心

しおりを挟む
ご飯を終えて、俺はサーニャの部屋で共に眠ることになった。
ふかふかとまではいかないが、布で簡易のクッションを作ってくれたのでそこに横になる。
そんな俺に、ベットに入っているサーニャが話しかけてくる。

「ねぇ、わんちゃん。わんちゃんは神様っていると思う?」

突然の質問に戸惑う。そもそも目の前にいる犬が神とは到底思うまい。
まぁ…正体をバラしても何ら問題はないのだが。
神の中には自分で作った惑星に人として紛れ生活する者もいるし、中には人と子まで成す者もいる。
だから、自分の惑星に自らを神だとバラしても何ら問題も、懲罰もない。

「私はね…昔からパパが神様に祈る姿を見てきたからね…いるって信じたいの…。でも、パパが何度も何度も祈りを捧げてるのに、一度も返事をしてくれないなんて…ひどいよね…」

いや、ほんとそれはマジごめんなさい。

「神様が信託を下せば、きっとイノスはさらにいい世界になる…パパはそう言ってるけど…このまま祈り続けて、本当に信託はもらえるのかな…」

こんな小さな子にまで心配をさせて…俺はいったい何をやってたんだ…。
俺は心配そうな顔をするサーニャの方を見る。

「……サーニャ」

「…!?だれ!?」

「お前の目の前にいる犬だ」

「わんちゃんが…喋ってる!?」

サーニャは驚きでガバッと起き上がる。

「静かにせよ。私はこのような姿をしているが、このイノスを作りし神、クラウスだ」

「………」

サーニャはじとーと俺を見る。

「神様?」

「そう、神様」

「わんちゃんなのに?」

「そうだ」

「こんなに足が短いのに?」

「人の姿はもっと長いの!」

悪かったな!足が短くて!
この仮の姿はイデアに基づいて決められるから自分では選べないのだ。

「本当に神様なら、教えて。何で今まで信託をくれなかったの?」

「それは…」

俺はしばらく考えた後に、答えた。

「イノスの人々の行く末を、深く考えていると時間が経ってしまった」

さすがに2000年の間眠ってた、なんて言えるわけもなくあやふやに答えてしまった。

「ふーん…本当に神様なんだよね?」

「そうだ」

「それじゃあ神様。何か面白い話を聞かせてください」

「は?」

何だその無茶振りは…。
面白い話なんてないぞ…。

「ないの?神様なのに?」

「そ、そんなことはないぞ。そうだな…先日、友の神の世界に行った時の話なのだが…」

俺は花火大会のことや、アースで見てきたものなんかの話を聞かせた。
サーニャはその話を真剣に、また目を輝かせて聞いていた。

その様子を見て俺は、神も人も、楽しいことが好きなんだなと、実感したのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生しても山あり谷あり!

tukisirokou
ファンタジー
「転生前も山あり谷ありの人生だったのに転生しても山あり谷ありの人生なんて!!」 兎にも角にも今世は “おばあちゃんになったら縁側で日向ぼっこしながら猫とたわむる!” を最終目標に主人公が行く先々の困難を負けずに頑張る物語・・・?

俺がいなくても世界は回るそうなので、ここから出ていくことにしました。ちょっと異世界にでも行ってみます。ウワサの重来者(甘口)

おいなり新九郎
ファンタジー
 ハラスメント、なぜだかしたりされちゃったりする仕事場を何とか抜け出して家に帰りついた俺。帰ってきたのはいいけれど・・・。ずっと閉じ込められて開く異世界へのドア。ずっと見せられてたのは、俺がいなくても回るという世界の現実。あーここに居るのがいけないのね。座り込むのも飽きたし、分かった。俺、出ていくよ。その異世界って、また俺の代わりはいくらでもいる世界かな? 転生先の世界でもケガで職を追われ、じいちゃんの店に転がり込む俺・・・だけど。

人見知り転生させられて魔法薬作りはじめました…

雪見だいふく
ファンタジー
 私は大学からの帰り道に突然意識を失ってしまったらしい。  目覚めると 「異世界に行って楽しんできて!」と言われ訳も分からないまま強制的に転生させられる。 ちょっと待って下さい。私重度の人見知りですよ?あだ名失神姫だったんですよ??そんな奴には無理です!!     しかし神様は人でなし…もう戻れないそうです…私これからどうなるんでしょう?  頑張って生きていこうと思ったのに…色んなことに巻き込まれるんですが…新手の呪いかなにかですか?   これは3歩進んで4歩下がりたい主人公が騒動に巻き込まれ、時には自ら首を突っ込んでいく3歩進んで2歩下がる物語。 ♪♪   注意!最初は主人公に対して憤りを感じられるかもしれませんが、主人公がそうなってしまっている理由も、投稿で明らかになっていきますので、是非ご覧下さいませ。 ♪♪ 小説初投稿です。 この小説を見つけて下さり、本当にありがとうございます。 至らないところだらけですが、楽しんで頂けると嬉しいです。 完結目指して頑張って参ります

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

転生幼女の異世界冒険記〜自重?なにそれおいしいの?〜

MINAMI
ファンタジー
神の喧嘩に巻き込まれて死んでしまった お詫びということで沢山の チートをつけてもらってチートの塊になってしまう。 自重を知らない幼女は持ち前のハイスペックさで二度目の人生を謳歌する。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...