俺の惑星は宇宙一!目指すは評価星五つ!

柳 蛙

文字の大きさ
上 下
1 / 7
第一章:迫る評価、危ういボーナス

1:2000年の昼寝からの目覚め

しおりを挟む
俺は、どのくらい眠りについていただろうか…。

「………きて」

あぁ…でも俺はこのまま惰眠を謳歌していたい。

「……え、……きてって」

なんかさっきから聞こえるけど、もういいだろう。
このまま俺を寝かせてくれ…。 

「早く起きないと、死んじゃうぞ~」

当然にできていた息が急にできなくなった。
鼻と口になにかあたってる?
だんだん苦しくなり、ジタバタと動くが俺の体に空気は入ってこない。
ついに惰眠どころではなくなって、俺はカバっと起き上がる。

「やっと起きてくれたね…」

「なんだ…ウェルナーか…」

まだ生まれたての神の時から色々と世話を焼いてもらってるウェルナーが呆れ顔で俺を見ている。

「君ねぇ…いつまでそうやって眠ってるつもり?」

「まぁ…飽きるまで?」

「逆に2000年眠り続けていつ飽きがくるの?」

「あぁ…2000年も経ってたのかぁ…」

「はぁ…まぁいいや。クラウス、自分の星はどうなんだい?」

「なんかあれば、アラームなるようになってるから」

俺はあくびしながら、ベッドの上についてるランプを指差して答える。

「そうかい。それよりちょっと付き合ってくれないかな?」

「え?どこ行くんだ?」

「僕の星だよ。最近様子を見てるところがちょうど今日、祭りなんだ」

「あんまり人間に囲まれんのはなぁ…」

「いいから行くよ。さっさと起きてよ」

「うへぇ~…」

俺はウェルナーに引っ張られてベッドから起き上がり、そのままウェルナーの管理する惑星、アースへと向かった。

アースは綺麗な青色をしており、ウェルナーが向かったのは、小さな島国だった。
時間は夜だが、明るい。
たくさんの屋台と明かりが、賑やかな人々を照らしていた。

「ここだよ」

「えっと…なにしてんだ?」

「ここでは今日、『花火大会』って言って、魔法使いたちが火の魔法を使って誰が綺麗な花を空に咲かせるかって大会をしてるんだよ」

「ほー…」

俺はヒューという音の後の大きな破裂音とともに夜空に広がる大輪の花を眺めた。

「クラウス、綺麗だろう?」

「あぁ…綺麗だ」

誰もいない丘で、ウェルナーとともに眺めたその花は、俺の記憶に深く焼き付いた。
そして、最後に今までのものよりも大きな花が咲き、花火大会は終了を迎えた。

「これどうやって勝敗を決めるんだ?」

「見に来ている人たちから意見を集めるそうだよ。でも、見る限り最後のものが優勝だろうね」

「たしかに、最後のやつは見事だった」

俺はそう言って丘から花火をあげた人たちの方を見る。
人々は皆、笑顔で勝敗の結果を待っている。
結果は予想通り最後の花火をあげた魔術師が優勝だった。
優勝者は誇らしげに、負けた人たちも悔しそうではあるが、優勝者へ拍手を送り、また次の大会への情熱を瞳に宿しているようだった。

「……なんかいいな。こういうの」

「そうだろう?僕も毎年この大会だけは見ているよ」

俺は人々の様子を見た後に、それを見るウェルナーの方を向く。
人々を見るウェルナーの表情は、暖かく、またどこか誇らしそうな、そんな顔をしていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

世界中にダンジョンが出来た。何故か俺の部屋にも出来た。

阿吽
ファンタジー
 クリスマスの夜……それは突然出現した。世界中あらゆる観光地に『扉』が現れる。それは荘厳で魅惑的で威圧的で……様々な恩恵を齎したそれは、かのファンタジー要素に欠かせない【ダンジョン】であった! ※カクヨムにて先行投稿中

処理中です...