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余韻に浸る暇位、頂きたいものです!
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「ほら道端でグズグズするな!まさか、怪我をしたのか!?見た所、怪我は無いようだが……」
目の前には、曇り空のような鈍く光る銀色の髪に、濃い赤色の瞳……いえ、此方を鋭く睨むのは、よく焼かれた煉瓦のような色の瞳。
「おい⁉」
乱暴な物言いなのに、此方を労るような視線。……思わず……あまり身長が変わらないせいか、ハッキリと記憶に焼き付いてしまったわ。
「おい、何か言え!!」
「えっ、あ……だい、じょうぶ……です」
「ならば良し!!」
人がポカーンとしてる間に、凄く慌ただしく馬車が目の前に現れて、目の前から銀と煉瓦色が去ってしまった。
……あ、あれえ?私、無事⁉ 無事ですか⁉
「ぶ、無事だった……。何処も、痛くない……」
イチャモンとか慰謝料とか……無かったの?
ホントに?
さっきの方、間違いなく痛いこと、やりそうだったのに……。
いい方、だったわ。
爽やか……と言うには、ちょっと鋭すぎる視線がネックなものの、……都会には色んなタイプのイケメンが居るのね……。しかもあんないい人なんだか紙一重なんだかな言い方するいい人が居るだなんて……。
ちょっと、いえかなり優しかったな……。
本当に最近優しくされた記憶が薄くて……。
「ちょっと、シェリカ! 道間違えてない⁉ 狭すぎて荷物がつっかえるわ!」
ほら、こんな風がデフォルトなのよ!
分かってますよ! 分かってるけど!! ちょっと位、思わぬ出会いの余韻に浸らせてよ⁉ ええええ、こんな薄汚れた何ちゃって貴族女と普通の貴族とでは、何も発展しないでしょうけど!!
……ん? ええと、つっかえる?
「何してますのよ⁉ 無理矢理進まないで!お姉様!!」
「狭いの!! ここなら空いてる!!」
「横幅を計算してよ!! 塀を壊したらダメですってばーー!!」
よく見たらお姉様の荷物が、いやそれより木の塀が!
ちょっと目を離した隙にメリメリ鳴ってるのは何故!
そしてどうして更に力を込めているの⁉ 何故、路地に突っ込む⁉
お姉様の破天荒さが毎度酷すぎて、お兄様は相変わらずボケッと見てるだけ!! しかも、見物人は集まってくる!!
タウンハウスに着くまで、本当に地獄だったわ!!
私、この中で一番年下なんですよ⁉
目の前には、曇り空のような鈍く光る銀色の髪に、濃い赤色の瞳……いえ、此方を鋭く睨むのは、よく焼かれた煉瓦のような色の瞳。
「おい⁉」
乱暴な物言いなのに、此方を労るような視線。……思わず……あまり身長が変わらないせいか、ハッキリと記憶に焼き付いてしまったわ。
「おい、何か言え!!」
「えっ、あ……だい、じょうぶ……です」
「ならば良し!!」
人がポカーンとしてる間に、凄く慌ただしく馬車が目の前に現れて、目の前から銀と煉瓦色が去ってしまった。
……あ、あれえ?私、無事⁉ 無事ですか⁉
「ぶ、無事だった……。何処も、痛くない……」
イチャモンとか慰謝料とか……無かったの?
ホントに?
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いい方、だったわ。
爽やか……と言うには、ちょっと鋭すぎる視線がネックなものの、……都会には色んなタイプのイケメンが居るのね……。しかもあんないい人なんだか紙一重なんだかな言い方するいい人が居るだなんて……。
ちょっと、いえかなり優しかったな……。
本当に最近優しくされた記憶が薄くて……。
「ちょっと、シェリカ! 道間違えてない⁉ 狭すぎて荷物がつっかえるわ!」
ほら、こんな風がデフォルトなのよ!
分かってますよ! 分かってるけど!! ちょっと位、思わぬ出会いの余韻に浸らせてよ⁉ ええええ、こんな薄汚れた何ちゃって貴族女と普通の貴族とでは、何も発展しないでしょうけど!!
……ん? ええと、つっかえる?
「何してますのよ⁉ 無理矢理進まないで!お姉様!!」
「狭いの!! ここなら空いてる!!」
「横幅を計算してよ!! 塀を壊したらダメですってばーー!!」
よく見たらお姉様の荷物が、いやそれより木の塀が!
ちょっと目を離した隙にメリメリ鳴ってるのは何故!
そしてどうして更に力を込めているの⁉ 何故、路地に突っ込む⁉
お姉様の破天荒さが毎度酷すぎて、お兄様は相変わらずボケッと見てるだけ!! しかも、見物人は集まってくる!!
タウンハウスに着くまで、本当に地獄だったわ!!
私、この中で一番年下なんですよ⁉
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