異世界製作 〜転生しようと思ったら異世界作る側だった〜

寝占 羊

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第一章 「村開拓とモブ対抗戦」

第40世 「冒険開始!」

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 天気の良い冒険日和びより
村を出る前、一度噴水周りに集まったみんなは、1人知らない村人がいる事に気付く。

 「え…誰?!どっから入ったわけ?」

 「バカ!ホノン!ミオじゃわい!俺の息子に…」

 「は、ははっ…。驚かせたならごめん…そりゃそうだ。僕、昨日の夜に成人したみたいで…急に大人化した…」

 「え?もう成人来たの?早く無い?」

 「まぁ、ミオくんは大人っぽいですものね…」

 その知らない村人は大人化したミオだった。村人の中じゃ年齢がどうというより大人化すれば成人したって事らしい…。成人に個人差があるとは…。

 「よし!そしたら、この冒険帰って来れたら、成人祝いにミオには俺から職業をやろう!」

 「スム!ほんと?
ありがとう、光栄だよ。」

 「よし!じゃあ出発だ!」

 「うい!」

 そうして村を出て、しばらく歩いた後、俺がよく木こりに来ていた森に入った。

「ここで1人リンゴと茶キノコを見つけて欲しい!比較的村にも近いし、1人にしても安全だろう…」

 創夢がそう言うと、すぐマップが答えた。

 「おい!それなら丁度良いだろ…病み上がりのソイド」

 それを大きな声で否定するソイド。

 「待て!矢を撃たれた腕ならとっくの前に治ってる」

 「でも怪物と戦闘するのはまだきついんじゃねーの?」

 「そんな事は…」

 ソイドを見ながらミオも言った。

 「僕はマップに賛成かも…父さんは今はまだ休めた方がいい…」

 「まぁ、ミオもそう言ってるし、ここはソイドに任せる!」

 「くっ、
そうか、分かった!だが見つけ次第俺も後を追わせてもらうぞ?」

 「迷子になるなよおっさん!」

 適当に流し先に行こうとするみんなだったが、創夢は忠告していた。

 「ダメだぞソイド!危険だから、村かこの森以外は行くな!」

 「舐められたものだ…俺も昔は冒険くらい…」

 「違うんだソイド!前までの君と今の君は別だと考えろ、昔は攻撃しなきゃ寄っても来なかったゾンビかもしれないが、今は積極的に追い詰めて来るぞ…」

 そう言い残し、森の先へ進んだ。

そう、彼らは今はプレイヤー同然。つまり、今までは村人として生き、怪物モブに手を出されなかったとしても、今は違う…プレイヤーとして認知され、襲って来る。

 その後、俺達は森を抜けると、クリープとクモを3体倒し、火薬とクモの眼球を集めた。
そして、二つ目の森を回避して、回り込むように砂浜にたどり着く、順調に冒険を進めた。
一方、ソイドもすぐ、リンゴは3つ、いやそれ以上集まり、茶キノコも見つけた。
そしてリンゴを齧りながらみんなの後を追い、森の奥へ向かった。
その道中、やたらと怪物に遭遇していた。
「ヴゥー!」

 「まだ追って来るか…創夢の言う通りだな。大量の怪物が当たり前かのように追って来る。日向に出られたら問題無いんだが…」

 創夢らがすぐに抜けたはずの森をずっと進んでいた。そうして、自分が迷っている事を知らずに先を目指した。

 一方、創夢らは必要なものは集められたので、村へ帰る事にした。

 「まずはソイドのおっさんを迎えに行かなきゃだよな…」

 「あぁ、置いて帰りたいところだが、そうだなホノン。
あの森だが…ここからなら近道して行ける。」

 「おう!ならそうするぞ!
マップ!ほんとお前の地図には助けられる!
どこに行けばいい?」
 俺がそう言うとマップは左を指差して言った。

 「あの森へ入る!そこを抜けたら、すぐおっさんがいた森だ」

 おいおい、近道って森かよ、行きで、入りたく無いからって回避して来た森なのに…

 「も、森かぁ~やだなぁ~…」

 「分かるぞホノン…俺も森は嫌いだ…
だけど!日もすぐ暮れるし!仕方ない!あの森を抜けるぞ!」

 俺のその合図でみんなは嫌そうに森へ入って行った。しばらく歩くが、中々先が見えない。

 「おい!マップさんよぉ!長くない?」

 「仕方ない…頑張れホノン!
でも、言っても後少しだ。」

 「どのくらい?」

 「んー、後、2000歩くらい?」

 「分からん!てか!絶対長い!」

 マップとホノンが先頭で会話しながら歩いていると、ミオが叫んで左前方へ走り始めた。

 「待って!お父さんだ!」

 「いやいや!お前が待てミオ!
あの森はまだ先だぞぉ?歩き過ぎて変になったか?」

 マップは軽い声でそう言うが、ミオの走って行った先、よく見ると人が木のふもとに座り込んでいた。

 「いや!誰か居る!おい!一旦ミオに続け!」

 そうしてその場に行くと、そこには眠りコケたソイドが居た。

 「お父さん!」

 「おい!起きろおっさん!」

 「はぁ?やっと帰ったかお前ら、ほい、キノコとリンゴ、集めて来たぞ…」

 「いや、危な過ぎだろ!」

 本当にマップの言う通りだ。なぜここまで危機感が無いんだろうなこの年寄りは…
 そう思いながらも話を聞くと、みんなを追って迷子になった挙句、リンゴの食べ過ぎで眠くなって寝ていたそう。

 「でも、見つけられて良かったですわね。」

 「本当だな、このまま俺ら帰ってたらどうなっていたことやら。で?創夢!もう帰っていんだよな?」

 「ちょっと待ってくれ!作業したい事がある!」

そう言うと、俺は今日集めた材料から必要な物を生成していた。
サトウキビ→砂糖
茶キノコ+砂糖+クモの眼球→発酵したクモの眼球
砂→ガラス→大量のガラス瓶

そして終わると、すぐ帰る準備をした。
「よし!帰るぞ!マップ!また案内頼んだ!」

 「おうよ!」

 そうして俺達は村へ帰り始め、長い森を歩いた。
しばらくして、またすぐミオが異変に気付き始めた。

 「ねぇ、待って?」

 「次はなんだ?ミオ!もう待ってる時間ねぇぞ?」

 「そ、そうだね、
いや、やっぱり…なんでも無いや!早く帰ろう!」

 ミオも気のせいだ。と片付け、しばらく歩くが、やはりおかしいと思い、ミオはまたみんなを止めた。

 「やっぱり待って!」

 「なんだよ!定期的に待たせるな!」

 「落ち着けマップ…ミオ、どうした?この変な匂いの事か?話せ。」

 「僕らの荷物…徐々に取られていってない?」

 「は?」 「え?」

 「みんな!すぐに手持ちを確認し…」

そう言いながら確認すると、ミオの予感通り、さっき作った発酵したクモの眼球や、水入りの瓶などが手持ちから消えていた…
 「無い!」

それは創夢以外にも起こっていた。
 「本当ですわ!矢が10本ほど…」
 「私も!ケバブジジイから貰った肉がぁー!」
 「くそ!地図をやられた!」
 「うわ!俺もだ、クロスボウと今日ようやく見つけた茶キノコが!一つだけだが消えてる!」
 「そうだよね!僕は…いや、僕は取られてない…」

 「ミオは取られてないのによく気がついたな…
とにかく何かおかしい」

 こんな時でもマップはソイドに突っ込む。

 「ってか!おっさんクロスボウ持ってたのか?そんな趣味が?」

 「え?あ、いや、間違えた!剣だ剣!剣を取られた!」

 「剣?剣なら今腰に持ってるだろ?」

 「あぁ、本当だ…」

ミオは感じた事を話した。

 「なんか、一瞬誰かの気配がして、その瞬間にみんなの荷物が揺れたように感じたから…
何かあると思って…」

 「そうか…
ミオ!その気配がした場所、分かるか?!」

 そのミオのした気配をたどり。俺達は犯人を探した。その気配は言われてみれば俺も感じていた、同時に、俺は微かに森には無いはずの独特な匂いも感じ取っていた…。

 「お前ら!気配は分からないかもしれないが、匂い…」

 そう言った瞬間、ベルミーが言った。

 「待って、創夢さん…この匂い…
もしかしたら、薬…
は!ホノン…」

 ホノンもベルミーと目を合わせ、何かを理解した。
 「なるほどねベルミー…確かに、その匂いだ。」

 マップは訳が分からずまた突っ込む。

 「なんだお前ら?いや、はっきり言えよ…」

 「マップ…静かに…」

 俺はマップにそう言うと、ベルミーとホノンに目をやった。
ベルミーが言葉を言った瞬間、ホノンは何かを理解したような顔をしていた。
そしてあの時俺も理解した。きっと敵はポーション使い、気配と匂い…これは透明化のポーション。
そしてポーションを使う敵って時点で俺はさらに理解した。

敵が魔女だと言う事を…。



▫︎第40話用語解説



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