異世界製作 〜転生しようと思ったら異世界作る側だった〜

寝占 羊

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第一章 「村開拓とモブ対抗戦」

第23世 「アンとミオ」

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 村拡大を開始してから約1ヶ月以上過ぎた頃。
村の拡大は終盤を迎えていた。
今日で、
もう後一作業で、終わる。
というところで、夜が来る。

 創夢とマップはもうすでに拡大後の事を考え、高台の上で今日も2人で話していた。

 「俺は今まで色んな場所を見つけ、地図を描いてきた。
森にある変なデカい建物や、水中に神殿を見つけた事もある!
あと、ピラミッドや、緑っぽいポータルもだ!」

 「お前それスレンダーポータルもか?!
分かった、その地図を頼りに、冒険に出よう。」

 「スレンダーポータル?あれが何かを知ってるのか?そうか!創夢、それなら俺は他にも色んな変な場所を知ってる!それがどんな目的を持つどんな場所なのか、全部教えてくれよ!

俺は…見つけてもそれにどんな意味があるかなんて知らないんだ。」

 「あぁ、まぁ、その前にだ…
冒険に出る事は確定としても…
問題は奴らをどう説得するかだ、」

 「あぁ、そうだな、ソイドにジョニーなぁ…
人の話を聞かねぇ奴らだ…」



 一方その彼らは、
「ふぅ、あと一作業と見直し、修繕、と点検、
んー、それくらいか、それで終わりだな!」

 「お?じゃあソイドさん、予定通り今日で終わらせますよね?」

 「あぁもちろんだカーター。もうこっちは俺1人でも充分だろう、別の奴かミオの面倒を頼む。」

 「りょーかーい!」

 他の仕事を探しに行くカーターと、グランマルは空の色を見ながら言う。

 「ほら、もう暗くなってきたし、
子供達は家に帰っててよー?
アン!ミオちゃんも!ほら」

 アンが答える。

 「えぇー!もう終わりなんだろー?俺らも手伝うよママ!」

 ミオも答える。

 「ぼ、僕は帰っても良いですが…
アンの言う通り柵で囲われている以上危険は無いですし、何か簡単に手伝える事があれば…
グランマルおばさん」

 「(み、ミオちゃん、大人みたいな事言うなぁ…)
はぁ、良いわよ、もう人手は足りてるから。
ほら、ミオちゃん、うちの子も連れて帰らせてくれる?私の言う事も聞かないから…」

 「まぁ僕の言う事も聞きませんが…
分かりました。ほら帰るぞアン…」

 「えぇー!なんでだよミオ!嫌だよ!」

 すると遠くで作業しながら聞いていたソイドが言う。

 「まぁぐずるなら少し働かせてやれ!グランマル。
柵はできてる。安全だ。」

 「はぁ、ソイドさんまで…
分かったわ、アン?安全が第一だからね?
あと一仕事だけよ?終わったら帰るんだよ?」

 「はいはい、分かってるよ。」

 「ミオちゃんも、頼んだよ」

 「はい」

 そして2人は村を歩きまわる。



 「全く…俺をなんだと思ってるんだママは」

 「そりゃ大事だろうね…」

 「俺はダイヤモンドじゃねぇぞ!そんな貴重に守られなくても…」

 「いや、きっとダイヤモンド以上だよ…
それにダイヤなら誰も破壊できないから守る必要は無いだろ…」

 「そうか…でも俺は強くなんだ!
ダイヤなんかよりずっと強い英雄になってやる!」

 「お!やぁ!2人は?暇ですか?」

 ジョニーに会った。

 「おぉ!ジョにい
作業終わったの?!
暇?いいや!暇じゃねぇよ、仕事探してんだ!」

 「ほんと?それは良かった。2人で柵の見回り点検を一周して来てくれないか?
私はまだ噴水の作業があるんだ…」

 「えぇー、それは嫌だ。ちょーおもんねぇじゃん。」

 「そうか?でももう君達に任せられる他の仕事もみんな点検くらいしか無いよ。
柵が嫌ならー、そうだな…」

 「いいや!行って来るよ。
どうせ退屈なやつしかないなら柵の点検の方が良い!」

 「待って…でも柵は、外に近いから危な…」

 「おう、そうか!感謝する。
それじゃよろしくなぁー、アン、ミオ。」

 「おう!行くぞミオ!」

 「って待ってよアン!」

 ジョニーに頼まれ、2人は柵の見回りをしに行く事になった。



 「ねぇ柵は危険だよ。夜だし…」

 「何言ってんだ!誰も入ってやこれねぇし、こんくらいで怖がってちゃ英雄になんてなれねぇよ」

 「べ、別に僕は英雄になんて…」

 そう言いながらも2人は柵を進んだ。

 「ほら見ろ、もう端っこだ。」

 「でもこの先は森側だから暗いし誰もいな…」

 「まぁまぁ!だからこそ誰かが見に行く必要があるんだろ?
ほれ、行くぞー」

 「ねぇ!待って!僕の話も聞いてよ!アン!」

 「なんだよ。
キレてんのか?珍しいな」

 「当たり前だ!いつもだ!僕の話だけ聞いてくれない!」

 溜め込んで爆発するタイプのミオは、不安が着火剤となるように怒りを起こした。
アンは少し真剣になって、ミオの目を見た。

 「おいおい、ミオ…?
ちゃんと聞いてるだろ?」

 「聞いてないだろ!じゃあなぜ何も返事が無いんだよ…」

 「分かった、分かった、嘘だ。聞いてないよ。
だけど…
お前だからだミオ。

なんていうか…
きっと俺とお前は一心同体なんだ…
お前の考えている事なんて聞かなくても分かるさ。」

 「じゃあなぜ進むの?」

 「柵の点検くらい何に気を張る必要がある?」

 「はぁ、アンは今回の事だけに怒ってると思ってるんだね。
もちろん柵の点検は安全なのかも知れないけど…
今までアンが僕の注意を聞かなかった時は必ず悪い事が起きてるじゃないか!」

 「悪い事?違うだろ。楽しかった思い出だ。
なぁミオ、俺ら2人ならきっと大丈夫なんだよ。
俺はお前と2人なら力が湧いて来るんだ。
今までもそうだっただろ?

2人で川に流され溺れそうになった時も、お前が岩を見つけて俺は掴んでお前を助けた。

洞窟に肝試しに行った時も、お前が道を覚えててくれて、俺が松明で敵を避けて進んだから帰れた。

クソデカい渓谷に落ちそうになった時も、
爆発物を見つけた時も、

全部大丈夫だった。

だから安心しろ、何があってもお前が傷付く事はない、俺が全部守ってやるから…」

 「全然分かってないんだ…
守ってなんか…」

 「ほら行くぞ」

 その時、柵の外から男の声がする。



▫︎第23話用語解説



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