異世界製作 〜転生しようと思ったら異世界作る側だった〜

寝占 羊

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第一章 「村開拓とモブ対抗戦」

第21世 「違和感」

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 少し前、オマエは地表へ無事に辿り着いていた。

 「ふぅー、やっと外だー。まだ朝だねぇー。
天気が曇って来てるのに、まだ眩しぃー!」

 そこにジョニーがやって来た。

「やぁオマエ君、君だけ?」

 「あ、ジョにいさん!木こりは終わったの?」

 「あぁ、もう大体ね。ノルマ分はとっくの前に終わって、おまけに5チャンクくらいは取っといたよ。」

 「え、それすごすぎない?」

 「まぁね、元々これが仕事だったからな。で、そっちは?」

 「あぁ、みんなが集めて来たのがこれ!」

 オマエはみんなが集めて、いっぱいになったチェストを並べた。

 「ゾンビの大群が現れてさ、みんな今それと戦ってるよ。」

 「そうか、そんなに大きい洞窟には見えないが…
それは大変だったね。」

 そこに運搬組のホノンの声が聞こえる。

 「おーい!洞窟の奴らは帰って来たって?
お!オマエいんじゃん!ほれ!助っ人2人追加だ!」

 するとホノンの後ろからダルそうなレイと、手を胸の前で組んだベルミーも出てくる。
荷物を見てすぐレイは言う。

 「あ…重たそう…」

 「れいは力が無さそうですものね、私が1番重い物持って行ってあげますわ」

 そこにミオとアンもやって来る。
「俺も重い物持って行くぜ!なぁミオ!どっちが早く着くか競走だ!」

 「アンには勝てないよ…」

 「最初から決めつけんなよ!俺とお前は力も体力も同じくらいだろ?」

 「分かった…」

 ホノンはアンに話しかける。
「最初から決めつけんな、か…
アンちゃん、大人みたいな事言うねぇ。
かっこいいじゃん!」

 「え、へへ、へへへ、いや、そんな…」

照れながらホノンと話すアンを見ながら、ミオは1つ荷物を持ち上げた。

 「あ、アン?、僕お父さんに怒られるから早く帰るね?
ねぇ聞いてる?卑怯者とか言わないでね…」

 ミオがそう言うも、ミオの言葉に気付かずホノンと話すアン。

 「その調子でさ、れいも働くように説得してよ!」

 「良いぜ!え?れいさん?
あ、でもれいさんとはあんまり話した事が…」

 「そうだよねぇ…」

その間に、ミオはアンを置いて行ってしまった。

 「ってあれ?
おい!ミオ!あいつ先に帰ってやがるし!卑怯者め!」



 そして日は暮れていき、洞窟の3人も地表近くまで戻って来たが…

 「おい!ここ入り口だったよな?どうなってる?マップ」

 「あぁ、俺も見覚えがある、ここは入って来た場所のはず…ここに壁なんかあったか?」

 洞窟の入り口だった場所が、土と石のブロックが混じり混じりの壁で塞がれていた。

 「そしたら掘って進めば良い話じゃろう。ただの土ブロックじゃ」

ザザザザザ

 「まぁ、それはそうだが…」

カリカリ

 「ん?」

 土ブロックを掘って行くと硬いブロックが出て来た。

 「こりゃ石ブロックじゃな、ツルハシ…もうあまり使いたくは無いが…」

ボロボロボロ
カキンッ

 「ほれ!壊れてしもたわい!」

 「おい!これどう言う事だよ!もうツルハシはおっさんのそれで最後だったし、松明も残り少ないぞ!」

 「すまない、私が書いていた紙を落としたから…
出口がはっきりしない…
製図家失格だ…」

 「いや、そんな事はない、ここは…
多分出口…だった場所だ。合ってる。
人為的に塞がれてるみたいだ…」

 「はぁ!そりゃあのオマエ君がわしらを閉じ込めようとしたって事か?」

 「なに?俺にはそんな奴には見えないが…」

 「あぁ、もちろんオマエはそんな事する奴でも無ければできるほどの頭を持ってねぇ…」

 「確かに。それに、動機が無い…」

 「そうだ!つまりこれは、オマエがやったように見せて俺らをはめたい誰かさんの仕業って訳だ…」

 「そんな奴が…
は!それ、ジョニーじゃ無いのか?」

 ジョニー…あいつか?
もし違うくてもあいつに疑いがかかるのは当然だ。
不思議な奴だしな…
どうする?ここでまた力を使って外に出るのか?

 「ま、まぁまだ外に出るチャンスがあるかも分からないだろう、一旦落ち着い…」

ボロボロボロボロ

 その時外側から掘って来る音が聞こえる。

ボロボロ

 「皆…大丈夫ですか?」

 それはジョニーだった。

 「おい!なんだよこれ!オマエがやったのか?」

 「これは…土砂崩れですよ…おそらく…」

 外は暗く、雨が降っていた。
土砂崩れか。なんだ…ただの考え過ぎだったみたいだ…。

 「大丈夫です。村の方では曇りですから。
待ってましたよ。早く帰りましょう。」

 「そうか、ありがとうジョニー!」

 はぁ、力を使わなくて済んだ。

 「ほっほっほ
今日はみんなでパーティーしたい気分じゃのぉ」

 「俺も、お腹が空いたよおっさん」

 「あぁ、みんなたらふく食わせてやるわい!」



 村に着くとみんな心配そうな顔で待っていた。

オマエはみんなに抱きついた。
 「みんな!おかえり!色々ミスしてごめん!」

 「はぁ、明日も明後日もこれが続くと思うと、パーティーの気分じゃ無くなってきた…」

 「そこはマップに賛成ですね。私はご飯の前に祈って来ます。では。」

 「いやぁ、お疲れだったみんな。建築は、まだ骨組みの段階だが一応全て終わらせた。明日からが本番だ。」

 「そうか、ソイドもみんなもお疲れだ。」

 「よし、飯じゃ飯!」

 「あ…あの…おじさん…飯無限の券って…」

 「お?なんじゃ、れい!話しているところは珍しいのぉ。なんの話か知らんが…
まぁ今日は食いたいだけ食えばええわい!」

 「あ…ありがとう…やった。」



▫︎第21話用語解説



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