異世界製作 〜転生しようと思ったら異世界作る側だった〜

寝占 羊

文字の大きさ
上 下
20 / 47
第一章 「村開拓とモブ対抗戦」

第21世 「違和感」

しおりを挟む






 少し前、オマエは地表へ無事に辿り着いていた。

 「ふぅー、やっと外だー。まだ朝だねぇー。
天気が曇って来てるのに、まだ眩しぃー!」

 そこにジョニーがやって来た。

「やぁオマエ君、君だけ?」

 「あ、ジョにいさん!木こりは終わったの?」

 「あぁ、もう大体ね。ノルマ分はとっくの前に終わって、おまけに5チャンクくらいは取っといたよ。」

 「え、それすごすぎない?」

 「まぁね、元々これが仕事だったからな。で、そっちは?」

 「あぁ、みんなが集めて来たのがこれ!」

 オマエはみんなが集めて、いっぱいになったチェストを並べた。

 「ゾンビの大群が現れてさ、みんな今それと戦ってるよ。」

 「そうか、そんなに大きい洞窟には見えないが…
それは大変だったね。」

 そこに運搬組のホノンの声が聞こえる。

 「おーい!洞窟の奴らは帰って来たって?
お!オマエいんじゃん!ほれ!助っ人2人追加だ!」

 するとホノンの後ろからダルそうなレイと、手を胸の前で組んだベルミーも出てくる。
荷物を見てすぐレイは言う。

 「あ…重たそう…」

 「れいは力が無さそうですものね、私が1番重い物持って行ってあげますわ」

 そこにミオとアンもやって来る。
「俺も重い物持って行くぜ!なぁミオ!どっちが早く着くか競走だ!」

 「アンには勝てないよ…」

 「最初から決めつけんなよ!俺とお前は力も体力も同じくらいだろ?」

 「分かった…」

 ホノンはアンに話しかける。
「最初から決めつけんな、か…
アンちゃん、大人みたいな事言うねぇ。
かっこいいじゃん!」

 「え、へへ、へへへ、いや、そんな…」

照れながらホノンと話すアンを見ながら、ミオは1つ荷物を持ち上げた。

 「あ、アン?、僕お父さんに怒られるから早く帰るね?
ねぇ聞いてる?卑怯者とか言わないでね…」

 ミオがそう言うも、ミオの言葉に気付かずホノンと話すアン。

 「その調子でさ、れいも働くように説得してよ!」

 「良いぜ!え?れいさん?
あ、でもれいさんとはあんまり話した事が…」

 「そうだよねぇ…」

その間に、ミオはアンを置いて行ってしまった。

 「ってあれ?
おい!ミオ!あいつ先に帰ってやがるし!卑怯者め!」



 そして日は暮れていき、洞窟の3人も地表近くまで戻って来たが…

 「おい!ここ入り口だったよな?どうなってる?マップ」

 「あぁ、俺も見覚えがある、ここは入って来た場所のはず…ここに壁なんかあったか?」

 洞窟の入り口だった場所が、土と石のブロックが混じり混じりの壁で塞がれていた。

 「そしたら掘って進めば良い話じゃろう。ただの土ブロックじゃ」

ザザザザザ

 「まぁ、それはそうだが…」

カリカリ

 「ん?」

 土ブロックを掘って行くと硬いブロックが出て来た。

 「こりゃ石ブロックじゃな、ツルハシ…もうあまり使いたくは無いが…」

ボロボロボロ
カキンッ

 「ほれ!壊れてしもたわい!」

 「おい!これどう言う事だよ!もうツルハシはおっさんのそれで最後だったし、松明も残り少ないぞ!」

 「すまない、私が書いていた紙を落としたから…
出口がはっきりしない…
製図家失格だ…」

 「いや、そんな事はない、ここは…
多分出口…だった場所だ。合ってる。
人為的に塞がれてるみたいだ…」

 「はぁ!そりゃあのオマエ君がわしらを閉じ込めようとしたって事か?」

 「なに?俺にはそんな奴には見えないが…」

 「あぁ、もちろんオマエはそんな事する奴でも無ければできるほどの頭を持ってねぇ…」

 「確かに。それに、動機が無い…」

 「そうだ!つまりこれは、オマエがやったように見せて俺らをはめたい誰かさんの仕業って訳だ…」

 「そんな奴が…
は!それ、ジョニーじゃ無いのか?」

 ジョニー…あいつか?
もし違うくてもあいつに疑いがかかるのは当然だ。
不思議な奴だしな…
どうする?ここでまた力を使って外に出るのか?

 「ま、まぁまだ外に出るチャンスがあるかも分からないだろう、一旦落ち着い…」

ボロボロボロボロ

 その時外側から掘って来る音が聞こえる。

ボロボロ

 「皆…大丈夫ですか?」

 それはジョニーだった。

 「おい!なんだよこれ!オマエがやったのか?」

 「これは…土砂崩れですよ…おそらく…」

 外は暗く、雨が降っていた。
土砂崩れか。なんだ…ただの考え過ぎだったみたいだ…。

 「大丈夫です。村の方では曇りですから。
待ってましたよ。早く帰りましょう。」

 「そうか、ありがとうジョニー!」

 はぁ、力を使わなくて済んだ。

 「ほっほっほ
今日はみんなでパーティーしたい気分じゃのぉ」

 「俺も、お腹が空いたよおっさん」

 「あぁ、みんなたらふく食わせてやるわい!」



 村に着くとみんな心配そうな顔で待っていた。

オマエはみんなに抱きついた。
 「みんな!おかえり!色々ミスしてごめん!」

 「はぁ、明日も明後日もこれが続くと思うと、パーティーの気分じゃ無くなってきた…」

 「そこはマップに賛成ですね。私はご飯の前に祈って来ます。では。」

 「いやぁ、お疲れだったみんな。建築は、まだ骨組みの段階だが一応全て終わらせた。明日からが本番だ。」

 「そうか、ソイドもみんなもお疲れだ。」

 「よし、飯じゃ飯!」

 「あ…あの…おじさん…飯無限の券って…」

 「お?なんじゃ、れい!話しているところは珍しいのぉ。なんの話か知らんが…
まぁ今日は食いたいだけ食えばええわい!」

 「あ…ありがとう…やった。」



▫︎第21話用語解説



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

鍛冶師ですが何か!

泣き虫黒鬼
ファンタジー
刀鍛冶を目指してた俺が、刀鍛冶になるって日に事故って死亡…仕方なく冥府に赴くと閻魔様と龍神様が出迎えて・・・。 えっ?! 俺間違って死んだの! なんだよそれ・・・。  仕方なく勧められるままに転生した先は魔法使いの人間とその他の種族達が生活している世界で、刀鍛冶をしたい俺はいったいどうすりゃいいのよ?  人間は皆魔法使いで武器を必要としない、そんな世界で鍛冶仕事をしながら獣人やら竜人やらエルフやら色んな人種と交流し、冒険し、戦闘しそんな気ままな話しです。 作者の手癖が悪いのか、誤字脱字が多く申し訳なく思っております。 誤字脱字報告に感謝しつつ、真摯に対応させていただいています。 読者の方からの感想は全て感謝しつつ見させていただき、修正も行っていますが申し訳ありません、一つ一つの感想に返信出来ません。 どうかご了承下さい。

ぽっちゃりおっさん異世界ひとり旅〜目指せSランク冒険者〜

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
酒好きなぽっちゃりおっさん。 魔物が跋扈する異世界で転生する。 頭で思い浮かべた事を具現化する魔法《創造魔法》の加護を貰う。 《創造魔法》を駆使して異世界でSランク冒険者を目指す物語。 ※以前完結した作品を修正、加筆しております。 完結した内容を変更して、続編を連載する予定です。

転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

転生幼女の異世界冒険記〜自重?なにそれおいしいの?〜

MINAMI
ファンタジー
神の喧嘩に巻き込まれて死んでしまった お詫びということで沢山の チートをつけてもらってチートの塊になってしまう。 自重を知らない幼女は持ち前のハイスペックさで二度目の人生を謳歌する。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜

早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。 食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した! しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……? 「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」 そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。 無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

処理中です...