異世界製作 〜転生しようと思ったら異世界作る側だった〜

寝占 羊

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第一章 「村開拓とモブ対抗戦」

第15世 「村長」

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 次の日の朝。

 「おはよーそうむ!」

 「あぁ、おはようオマエ。」

 オマエといつもの挨拶を交わすと創夢は村の柵を越え、近くの川へ人目を気にして向かった。

 「なぁルプ。昨日の…」

 「はい、おそらく創夢様が不思議な予感を感じたのはジョニーが旗を奪ったからでしょう…」

 「それは分かってるんだよ」

 「創夢様ほど鈍感じゃなければ普通部屋に入って来ただけで気が付きます。」

 「いや、オマエもいただろ…
そうじゃなくて、問題はなぜ奪ったのかって事だ。」

 「さぁ、
ですがあの創夢様が倒して旗を拾った村人。
彼に関係がある事は確かですね。」

 「いや、まだ分かんねぇだろ。
あの感じ、俺はジョニーなりに部外者の俺から村を守るべく、そして敵をよく知るべく、旗を研究しようとしていた様にも感じた。
だから最後にあんな事言ったんじゃ無いのか?」

 「敵も含めてみんなを鎮魂したいだけ。ですか…。
確かに、創夢様を敵とも味方ともとらえているかの様な発言。ですがそんな相手にあれほど熱意を持って神だとか言えますかね…」

 「んー、さぁなぁ。
だけど、彼なりに何か考えている。旗を奪ったのはこの旗が神の力と何か関係があると仮定したのかもな。」

 「はぁ。もう考えるのめんどくさくなって来ましたよ。まぁ旗も無い今、できる事はとにかく、あの創夢様が倒した村人について調べる事とかじゃ無いですか?」

 「まぁ確かになぁ…
まさかハァーン村の住人だったとか?」

 「コピーはしてあるのでもし…」

 「まさしく!
そいつはレボリーじゃ。」

 その時、片目に眼帯をした武器鍛冶のソイドが急に現れ、話に入って来た。

 「はっ!」
 驚いた顔でソイドを見つめる。
この人、どこから?

 「んん?違ったか?
あぁ、すまんなぁ、何か1人でブツブツ悩んでいるようじゃから。
あいつの事かと声をかけてみたが…」
 その時、ソイドもリアルな人間の姿になる。

 「レボリー…ですか?
それは…」

 新しい名前の登場だ。
そいつはかつてのハァーン村の住人なのか?

 「いやぁ、反応を見るに違うみたいじゃなぁ…
なんでもない。

まぁ悩む時はとことん悩んだらええが、
ほとんどの事はそんなに重要じゃ無い。

あまり深くは考えすぎるな…」
 そう言いながらソイドは川で釣りを始めた。

 このおっさん、なんでこんなに言葉を話せる?
昨日のジョニーに続き、なんなんだよ。
でもこいつ、この前オマエが言ってた村長だ。

 少し礼儀を持って話すか…

 「あ、あのぉ、村に入れてくれて感謝してます。
前から挨拶はしたかったんすけど…」

 「いやぁ、こちらこそだよ、村を強化してもらい、言語を伝えてくれて、挙句に息子と仲良く遊んでくれるなんて、なんと礼をすれば良いか。」

 あれ?案外気さくな人だな。
 「あ!ミオの父親ですか?!」

 「あぁ、そうだ。知らなかったのか…
あいつは弱虫だからなぁ、とことん鍛えてやってほしい。」

 「そんな事ないと思いますけどね。きっと勇敢に育ちますよ。
あ、そういえば言語はどこで?」

 「あぁ、オマエ君からなぁ、
村長としてちゃんと覚えるべきだって、いっぱい勉強させられてな。」

 「はぁ、そうだったんですね。」
 だけど、それでここまでペラペラに学べているのはすごいな。
オマエ、教えるのが得意なのか?

 「いやぁ、だけどまぁ、俺ははっきり村長という訳では無いんだがな…
確かに、この村の大黒柱としてこの村を守って来たつもりだが。」

 あれ?村長じゃ無いのか?
 「じゃあ、他に村長が?
誰ですか?」

 「いやぁ、
この村に村長はいないんだ。」

 「え?」

 「元々ハァーン村は、色んな出身の人が集まってできた村と言っても良い。
君が来たみたいにね。
ちゃんとハァーン村が出身なのは、今はもうオマエ君しかいないよ。
俺は元々デスト村出身だ。」

 「そうなのか。じゃあオマエの親戚はみんなもういないのか?」

 「さぁ、そんな個人的な事は本人に聞きな。
とにかく、そゆことだから、君が村に来る事も、この村では普通だし、村長もはっきりしない。

そこでなんだが!
ほぼ村長代わりの俺から、提案したい。

君が村長にならないか?」

 「え?俺が?
村のみんなが受け入れてくれるなら、
全然引き受けるぞ?」

 「じゃあそれで決まりだ!
どうせみんな賛成するさ、
お前以上の適任はいないだろう。」

 適任…まぁ、そりゃ俺が作った世界だもんな…

 「で、レボリーってのは誰だ?
ハァーン村と何か関係があるのか?」

 「ん?あぁあぁ。忘れてくれ。
知らんのならあんまりさぐるな。」

 「頼む!なんかジョニーが困ってるみたいなんだよ。
村長としても助けなきゃだろ?」

 「それならもうお前さんは1度あいつを救っとる。気にするな。
それより、ジョニーには近付かん方が良い。
あいつは洗脳を受けとる…何を企んでいるか分からんからな。」

 「それはどういう事だ?」

 「…」
無言で釣りを続けるソイド。

 バシャバシャ

 「おぉ!釣れた釣れた。」

 この村には何か隠したいことでもあるのか?
ジョニーは同胞どうほう鎮魂ちんこんを望んでいる。か。
まぁ良いや…

 「よし、ありがとうおっさん!」

 「創夢様、何かをひらめいたのですか?」

 「おう、よく分かったな。
次は、"鉄の巨人"を作る!」

 「鉄の巨人?」



▫︎第15話用語解説
・今のところ無しで。


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