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第一章 「村開拓とモブ対抗戦」
第10世 「自動焼肉機」
しおりを挟む「そーむ!言ったたジョーホー、集めて来た!」
「おぉ!ナイスだオマエ!」
するとオマエは手に持っていた紙とそこに描いてきたイラストを見ながら話しはじめる。
「ウシ、ヒツジ、コムギ、スキ、ヨセル、ダケ、デキル、ドウスル、デテクル」
「分かった、貸せ貸せ!見たら分かる。
そんなカタコトで説明されても良くわかんねぇしうるせぇ。」
オマエの手から紙を奪ってみると、動物の絵、その横にハート、その横に食べ物の絵、がそれぞれの動物で描かれている。
要するに各動物の好きな食べ物リストである。
「カンネーヨウルセェ?アリガト!そーむ、朝しい!」
「いや褒めてねぇよ!それ言うなら朝しいじゃ無くて、優しい!」
なんで俺自分を優しいとか言ってんだ。
「だがナイスだオマエ。これで…」
「ヤキニクキ?」
「そうだ、自動焼肉機を作る!
そのための知識だ。」
「チシキダ、カ、
チシキダタベル。」
はぁ、こいつはすっかり俺を疑う目がない。
まぁそれは良い事なんだけど、
それはこの村の中でオマエだけに限った話だ。
他の村人は…
というと、
外へ出ても、目も合わない、
言う言葉はハァーンかフン。くらいだ。
表情も何一つ変えず、
要するに本当にただの村人。
だとおもったが、いや、思いたかったが、
唯一違うのは、俺が近くにいるとわかると、オマエが最初にしたような超嫌な顔をする事。
オマエがあんな風に村人っぽく無くなって"心"を持ったのは、オマエが唯一"特別な存在"だったからだ。って最初は思いたかった。
だが、無事ここの村人には全員嫌な顔をして嫌われたよ。
オマエの例に当てはめると、"嫌な顔"ができるってことは全員言葉も覚えられる普通とは違う村人達って事だ。
ま、まぁこの"村"が特別なのかな?
嫌な顔は最初はマインドクラフトの新要素だとも思ったが、やはりそんなところをアップデートする気がしない。それに、感情を表す表情が変えられるって事はやっぱり"心"の現れだと思う。
何にせよだ!人生、人との繋がりが大切なように、
「このまま嫌われていては何も進まない。」
そして、何より…食料を分けてくれない!
それから、マインドクラフトでは、村との友好度みたいなのがあったはずだ!
「なんか良い感じの事を言ってるようで、最後のが本当の目的みたいですね。」
「うるさいぞルプ。今なぜ俺が自動焼肉機。なんてものを作ろうとしているのかを説明してるってのに。」
「誰にでしょうか?」
「うるせぇ、使えないヘルプは呼んでないはずだぞ。」
「あ?もう一度記憶障害を起こしてあげましょうか?」
「そ、そんな事ができたのか?
てか?記憶障害…お前の仕業か?!
分かった、とりあえず悪かった。」
「いいえ、できません。」
「なんだよ!」
さて、そんなこんなで食料が欲し過ぎて、村人と仲良くしたい訳だが…
「本音…言っちゃってますよ。」
だがだ!
「畑も小さい!もらったところで生ものばかり!」
「チサイ!バカリ!」
そう、村人は質素な生活をしているんだ…
「俺は…俺はこれを、こんな村人の状況を変えてやりたい!」
(ちぇ、なんで神にもなって食いたい物食い放題のはずの俺が調理されてないもんばっか食べなきゃいけないんだよ…)
「ですから、本音が…小声で言っても聞こえてますよ」
「そこで俺は考えた!」
マインドクラフトでよく作られる、全自動〇〇!
あれをこの世界で作り、
ほぼ無限に食料が手に入れば!
「村人とも和解!俺も万歳!一件落着!」
そーゆー訳だ。
「はぁ…残念な思考力で…
この数日、暇してると思ってたら、そんな事考えてたんですね。
攻略は?どうされたんですか?」
「いやいや、攻略にとっても、食糧ってのは大事だろ!」
「いやいや、全自動は難易度高すぎますよ。
力…使うつも…」
「ワカイ!バンザイ!ラクチク!イェーイ!
けどそーむ、それ、ハナシ、ニカイメ…」
「あぁ?何回言っても理解してねぇだろお前は。オマエも人に言うようになったなぁ」
「アァ?オマエ、オマエ、オルマエロマエ?
チゲェダロ!」
「何がだよ!」
「まぁ、つまり、食糧その為の労働力。と、村との友好度を保たなければこの先大変だから仲良くしたい訳ですね?」
「あぁ、まぁ結論そゆ事だ。
まぁ単純に装置も作ってみたいし、肉も食いたいし、
村の英雄になりたいし…みたいな。」
「なるほど、英雄?
ほとんど何を企んで…
オホン、考えてるか分かりました。創夢様…すごく素直なんですね。
気持ち悪いです。」
「おいおい!何を誤解してる?何も企んでねぇよ!てか!主人をそんなに侮辱して良いのかよ」
「はい、創夢様が素直に来たので、こちらも素直に返さなければ失礼となります。
企んで?私はちゃんと考えて!に言い直しましたけど?
それから、別に創夢様は主人では無いのでやめて頂いてもよろしいでしょうか。」
「おれー、お前嫌いだわー。
とりあえず、この件も俺とオマエだけでなんとかするし、ルプは休んでてくれよ。」
「当たり前じゃないですか、手伝う気など毛頭ありません。では、英雄になって女性の村人にでもチヤホヤされてて下さい。」
「はぁ、」
気の合わない奴がヘルプに付いちまうとは、リセマラできるなら頼みたいくらいだ。
だが、そう!女の村人が居る事を知ったんだ…
別にいやらしい事を考えている訳ではない、だって女の"村人"だぞ?見た目もブロックだし。
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となると、今この世界に無いのは"性"だ!
でもどうなんだろう村人達の中にはそういう概念は無いのだろうか…。
色んな意見、情報を集める為にも、村人と仲良くなりたい、と創夢は張り切っていた。
しかし、自動焼肉機は2人だけで作るにはあまりにも大変すぎる材料と作業。
何より動物を扱わなければならなかった。
豚や牛や鶏、彼らを探しに行き、連れて来て捕まえて。そんな面倒な事を創夢がするはずもなく、
彼はまた人頼り、力頼りになっていく。
結局今回もあっさりと流れる様に力を使って焼肉機を完成させていた。
▫︎第10話用語解説
・無し!
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