5 / 29
第二章
第5話
しおりを挟む
長野駅を出ると大粒の雪が降っていた。東京を出発したときは曇り空だったが、一時間半ほど新幹線に揺られている間にまるで別世界へ来てしまったようだ。身を切るような寒さに、吐く息も白く染まる。
正月が明けた一月中旬、いよいよ地方ロケ開始の日がやってきた。これから二ヵ月ほどかけて雪山での撮影が行われる。
「あ、仁木くん、あのロケバスだよ! 乗って乗って!」
東京から一緒に来た遊間さんが急かすように走り出した。駅のロータリーに数台のロケバスが止まっている。騒ぎにならないうちに、その中の一台に慌ただしく乗り込んだ。ここからさらに一時間ほどかけて雪深い山間部へと向かうのだ。
二十席ほどあるロケバスの中には、すでに数名の役者やスタッフが座っているのが見えた。「おはようございます」と丁寧に挨拶をしつつ、どこに座ろうかと顔を巡らせて、最後尾に八朔の姿を見つける。マネージャーの、確か伊達さんと言ったか、スレンダーなパンツスーツ姿の女性と一緒に座っている。遊間さんがすかさず挨拶に向かい、二人は笑顔で談笑を始めた。
窓の外を見ていた八朔が俺に気づき、奥二重の切れ長の目でじっと見つめてくる。ドキリとしつつ、平静を装って軽く会釈してみた。途端にぎろりと目つきが険しくなり、ふいっと顔を背けられてしまう。
くっそお。ガキめ……と心中で文句を吐きつつ、ふん、と俺もそっぽを向いて空いている席に落ち着いた。
これまで衣装合わせや台本の読み合わせで何度か現場が一緒になったが、会話らしい会話はほとんどしていない。俺の方から試みてはみたが、さっきみたいに無視されて呆気なく失敗に終わった。
敵対したり、苛めたり苛められたりする配役同士は、敢えて現場では慣れ合わないというスタンスの役者も多いから、八朔もそういうタイプなのかもしれない。
まあ、記者会見のあとの、あの敵意剥き出しの様子からして、役柄関係なく俺と仲良くする気はないんだろう。何もしない内からなんで嫌われたんだろう……と悲しくなるが、俺は大人だ。それも仕事上の関係だ。いちいち気にしてはいられない。
「仁木さん、おはようございます。お隣いいですか?」
コロコロと鈴の音のような可愛い声がして、顔を上げると、女優の水無瀬花が立っていた。つるんとした卵のような美肌で、ウェーブのかかった髪を首の後ろ辺りで緩くまとめている。その場がぱっと明るくなるような華やかな笑顔を欠かさない女優さんだ。
「ああ、おはよう、水無瀬さん」
俺は笑顔で返し、どうぞ、と隣の席に手を差し出した。とたんに彼女はリスのようにぷうっと頬を膨らませて不満気な顔をする。
「やだ、苗字じゃなくて、花って呼んでくださいよ。前にもお願いしたでしょ?」
俺の隣に腰を下ろして、くるんとしたつぶらな瞳で要求してくる。なかなかグイグイくるタイプだ。初顔合わせの台本読みのときから臆することなく積極的に話しかけてくれたので、人見知りしない快活な性格なんだろう。
俺は内心たじろぎながら苦笑した。
「あ、ああそうだね。じゃあ、花ちゃん」
「はい! 長野って雪すごいんですね。この中で撮影するなんて大変そう」
窓の外は降りしきる雪で真っ白だ。花ちゃんは不安げな顔をする。
彼女が演じるのは俺の妹役だ。生まれつき身体が弱く、目も見えない難しい役どころである。俺が演じる科学者カンザキの唯一残された家族で、ともに研究所から逃げ出し逃亡生活を送る。カンザキは彼女を守るためにどんな無茶なことでもやってのける。
普段の花ちゃんからは想像できないほどの儚げで幸薄そうな役柄だが、水無瀬花の演技力には定評があった。役柄をしっかりと理解し、危なげない演技で七変化する器用さも兼ね備えている。若手女優の中ではいま最も注目されていると言っていいだろう。彼女が配役されたことで、映画の期待度がさらに跳ね上がっているらしい。
そうえいば、と俺はふと思い出した。
「花ちゃんてさ、確か八朔くんと同じ事務所だったよね?」
「ええ、そうですよ。何度も共演してるし」
八朔レオと水無瀬花。すでに人気芸能人としての華々しい道を歩んでいる二人だ。遊間さんと話しているマネージャーの伊達さんもかなりのやり手だと聞くし、さすがは大手プロダクションである。二人と揉めたりしたら、俺なんか一発で芸能界から抹殺されそうだ。遊間さんには申し訳ないけれど、それほど俺たちの中小芸能事務所とは規模も影響力も違う。
「八朔くんってさ、いつもああなの?」
「ああって?」
「何て言うか、一人でいるっていうか、誰とも慣れ合わないっていうか……」
八朔に聞こえないように俺は声を落とす。花ちゃんは「それよく聞かれるんですよ」と頷いた。
「まあ大抵そうですね。よく言えばクールですけど、無愛想で他人に興味ないって感じです。やな感じですよね~」
コロコロと笑いながら明け透けに言う。それでも少し神妙な顔つきになり、
「でもあの事故にあってからは、余計になに考えてるか分かんなくなったって言うか……」
とヒソヒソ声で教えてくれた。
「現場でも一人でむっつり考え込んでるんですよね。多分、仕事のことじゃなくて、もっとプライベートなことで悩んでるのかも。なんか声掛けられる雰囲気じゃないから聞いたことないんですけど」
そういえば遊間さんもそんなことを言ってたっけ。八朔は事故に遭ってから人が変わったようになったと。確かに、一時は生死の境を彷徨ったほどの大事故だったわけだし、人生観が変わったとしてもおかしくはない。大きなショックを受けただろうし、もしかしたら身体に後遺症が残っているとも考えられる。
復帰後第一作の今回の映画が、八朔にとっても重要であることは確かだ。俺みたいなぽっと出の役者に台無しにされないようにと警戒しているのかもしれない。そう考えると、あの冷たい態度も致し方ないのかもしれなかった。
「とにかく、さらに扱いが面倒になったのは確かですね! そうだ、仁木さん。八朔のこと、絶対レオって名前で呼んじゃだめですよ。激おこするから。ファンにも公言してるんです」
初めて知った。変わった名前ではあるけれど、確か本名だったはずだ。ちなみに俺も本名で活動している。
「花ちゃんは八朔くんと仲良いんだね」
遠慮のない口ぶりはそれほど距離が近いということだ。確か二人は同い年だったはずだし、恋人同士なのではと何度か噂になっているのをSNSで見たこともある。
花ちゃんは憤慨したような顔になって、またぷうっとリスのほっぺになった。
「仲良くなんかないですよ! あいつ私のこと〝おい〟とか〝お前〟とか言うんですよ。偉そうでしょ? だから私も呼び捨てにしてやってるんです」
俺のことも初対面から「あんた」だったもんな。かなり俺様らしい。誰に対してもあんな態度なら――俺だけじゃないのだとしたら、心持ちほっとするけれど。
「それより私は、仁木さんともっと仲良くなりたいって思ってるんですからね! 映画撮影もすごく楽しみにしてたんです。うふふ」
積極的な花ちゃんが親しげに肩を寄せてくる。本気なのか冗談なのか、演技派女優の本音を見抜ける力が今の俺には足りない。ははは、と苦し紛れに笑っておく。
可愛い女優さんに言い寄られて、俺としてはまんざらでもないんだけど、初のW主演映画でスキャンダルは避けたい。熱愛報道が出て「番宣だ!」と疑惑をかけられるのは絶対嫌だ。ここは上手く躱しつつ大人しくしておこう。
心に誓っていると、後頭部にやけにチクチクとした視線を感じた。何だろうと後ろを振り返ると、最後尾の座席から、八朔の三白眼がじっとこちらを睨んでいる。
俺を見てるのか? さっきは顔を背けたくせに。
それにしても何て目つきで見るんだよ。まるで青い炎が燃えているみたいだ。冷たくて熱くて、触れたら火傷しそうなほどだ。もしかして花ちゃんと仲良く話していたからだろうか。二人の噂はあながち間違いではなくて、八朔は花ちゃんに惚れているとか?
もしそうなら、ますます現場の雰囲気が剣呑なものになりそうだ。
俺はげんなりして、八朔から隠れるようにずるずると身体を下にずらした。それでも八朔の視線はしつこく俺に向けられているような気がした。
正月が明けた一月中旬、いよいよ地方ロケ開始の日がやってきた。これから二ヵ月ほどかけて雪山での撮影が行われる。
「あ、仁木くん、あのロケバスだよ! 乗って乗って!」
東京から一緒に来た遊間さんが急かすように走り出した。駅のロータリーに数台のロケバスが止まっている。騒ぎにならないうちに、その中の一台に慌ただしく乗り込んだ。ここからさらに一時間ほどかけて雪深い山間部へと向かうのだ。
二十席ほどあるロケバスの中には、すでに数名の役者やスタッフが座っているのが見えた。「おはようございます」と丁寧に挨拶をしつつ、どこに座ろうかと顔を巡らせて、最後尾に八朔の姿を見つける。マネージャーの、確か伊達さんと言ったか、スレンダーなパンツスーツ姿の女性と一緒に座っている。遊間さんがすかさず挨拶に向かい、二人は笑顔で談笑を始めた。
窓の外を見ていた八朔が俺に気づき、奥二重の切れ長の目でじっと見つめてくる。ドキリとしつつ、平静を装って軽く会釈してみた。途端にぎろりと目つきが険しくなり、ふいっと顔を背けられてしまう。
くっそお。ガキめ……と心中で文句を吐きつつ、ふん、と俺もそっぽを向いて空いている席に落ち着いた。
これまで衣装合わせや台本の読み合わせで何度か現場が一緒になったが、会話らしい会話はほとんどしていない。俺の方から試みてはみたが、さっきみたいに無視されて呆気なく失敗に終わった。
敵対したり、苛めたり苛められたりする配役同士は、敢えて現場では慣れ合わないというスタンスの役者も多いから、八朔もそういうタイプなのかもしれない。
まあ、記者会見のあとの、あの敵意剥き出しの様子からして、役柄関係なく俺と仲良くする気はないんだろう。何もしない内からなんで嫌われたんだろう……と悲しくなるが、俺は大人だ。それも仕事上の関係だ。いちいち気にしてはいられない。
「仁木さん、おはようございます。お隣いいですか?」
コロコロと鈴の音のような可愛い声がして、顔を上げると、女優の水無瀬花が立っていた。つるんとした卵のような美肌で、ウェーブのかかった髪を首の後ろ辺りで緩くまとめている。その場がぱっと明るくなるような華やかな笑顔を欠かさない女優さんだ。
「ああ、おはよう、水無瀬さん」
俺は笑顔で返し、どうぞ、と隣の席に手を差し出した。とたんに彼女はリスのようにぷうっと頬を膨らませて不満気な顔をする。
「やだ、苗字じゃなくて、花って呼んでくださいよ。前にもお願いしたでしょ?」
俺の隣に腰を下ろして、くるんとしたつぶらな瞳で要求してくる。なかなかグイグイくるタイプだ。初顔合わせの台本読みのときから臆することなく積極的に話しかけてくれたので、人見知りしない快活な性格なんだろう。
俺は内心たじろぎながら苦笑した。
「あ、ああそうだね。じゃあ、花ちゃん」
「はい! 長野って雪すごいんですね。この中で撮影するなんて大変そう」
窓の外は降りしきる雪で真っ白だ。花ちゃんは不安げな顔をする。
彼女が演じるのは俺の妹役だ。生まれつき身体が弱く、目も見えない難しい役どころである。俺が演じる科学者カンザキの唯一残された家族で、ともに研究所から逃げ出し逃亡生活を送る。カンザキは彼女を守るためにどんな無茶なことでもやってのける。
普段の花ちゃんからは想像できないほどの儚げで幸薄そうな役柄だが、水無瀬花の演技力には定評があった。役柄をしっかりと理解し、危なげない演技で七変化する器用さも兼ね備えている。若手女優の中ではいま最も注目されていると言っていいだろう。彼女が配役されたことで、映画の期待度がさらに跳ね上がっているらしい。
そうえいば、と俺はふと思い出した。
「花ちゃんてさ、確か八朔くんと同じ事務所だったよね?」
「ええ、そうですよ。何度も共演してるし」
八朔レオと水無瀬花。すでに人気芸能人としての華々しい道を歩んでいる二人だ。遊間さんと話しているマネージャーの伊達さんもかなりのやり手だと聞くし、さすがは大手プロダクションである。二人と揉めたりしたら、俺なんか一発で芸能界から抹殺されそうだ。遊間さんには申し訳ないけれど、それほど俺たちの中小芸能事務所とは規模も影響力も違う。
「八朔くんってさ、いつもああなの?」
「ああって?」
「何て言うか、一人でいるっていうか、誰とも慣れ合わないっていうか……」
八朔に聞こえないように俺は声を落とす。花ちゃんは「それよく聞かれるんですよ」と頷いた。
「まあ大抵そうですね。よく言えばクールですけど、無愛想で他人に興味ないって感じです。やな感じですよね~」
コロコロと笑いながら明け透けに言う。それでも少し神妙な顔つきになり、
「でもあの事故にあってからは、余計になに考えてるか分かんなくなったって言うか……」
とヒソヒソ声で教えてくれた。
「現場でも一人でむっつり考え込んでるんですよね。多分、仕事のことじゃなくて、もっとプライベートなことで悩んでるのかも。なんか声掛けられる雰囲気じゃないから聞いたことないんですけど」
そういえば遊間さんもそんなことを言ってたっけ。八朔は事故に遭ってから人が変わったようになったと。確かに、一時は生死の境を彷徨ったほどの大事故だったわけだし、人生観が変わったとしてもおかしくはない。大きなショックを受けただろうし、もしかしたら身体に後遺症が残っているとも考えられる。
復帰後第一作の今回の映画が、八朔にとっても重要であることは確かだ。俺みたいなぽっと出の役者に台無しにされないようにと警戒しているのかもしれない。そう考えると、あの冷たい態度も致し方ないのかもしれなかった。
「とにかく、さらに扱いが面倒になったのは確かですね! そうだ、仁木さん。八朔のこと、絶対レオって名前で呼んじゃだめですよ。激おこするから。ファンにも公言してるんです」
初めて知った。変わった名前ではあるけれど、確か本名だったはずだ。ちなみに俺も本名で活動している。
「花ちゃんは八朔くんと仲良いんだね」
遠慮のない口ぶりはそれほど距離が近いということだ。確か二人は同い年だったはずだし、恋人同士なのではと何度か噂になっているのをSNSで見たこともある。
花ちゃんは憤慨したような顔になって、またぷうっとリスのほっぺになった。
「仲良くなんかないですよ! あいつ私のこと〝おい〟とか〝お前〟とか言うんですよ。偉そうでしょ? だから私も呼び捨てにしてやってるんです」
俺のことも初対面から「あんた」だったもんな。かなり俺様らしい。誰に対してもあんな態度なら――俺だけじゃないのだとしたら、心持ちほっとするけれど。
「それより私は、仁木さんともっと仲良くなりたいって思ってるんですからね! 映画撮影もすごく楽しみにしてたんです。うふふ」
積極的な花ちゃんが親しげに肩を寄せてくる。本気なのか冗談なのか、演技派女優の本音を見抜ける力が今の俺には足りない。ははは、と苦し紛れに笑っておく。
可愛い女優さんに言い寄られて、俺としてはまんざらでもないんだけど、初のW主演映画でスキャンダルは避けたい。熱愛報道が出て「番宣だ!」と疑惑をかけられるのは絶対嫌だ。ここは上手く躱しつつ大人しくしておこう。
心に誓っていると、後頭部にやけにチクチクとした視線を感じた。何だろうと後ろを振り返ると、最後尾の座席から、八朔の三白眼がじっとこちらを睨んでいる。
俺を見てるのか? さっきは顔を背けたくせに。
それにしても何て目つきで見るんだよ。まるで青い炎が燃えているみたいだ。冷たくて熱くて、触れたら火傷しそうなほどだ。もしかして花ちゃんと仲良く話していたからだろうか。二人の噂はあながち間違いではなくて、八朔は花ちゃんに惚れているとか?
もしそうなら、ますます現場の雰囲気が剣呑なものになりそうだ。
俺はげんなりして、八朔から隠れるようにずるずると身体を下にずらした。それでも八朔の視線はしつこく俺に向けられているような気がした。
15
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説

ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話
あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハンター ライト(17)
???? アル(20)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後半のキャラ崩壊は許してください;;
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
【完結】イケメン騎士が僕に救いを求めてきたので呪いをかけてあげました
及川奈津生
BL
気づいたら十四世紀のフランスに居た。百年戦争の真っ只中、どうやら僕は密偵と疑われているらしい。そんなわけない!と誤解をとこうと思ったら、僕を尋問する騎士が現代にいるはずの恋人にそっくりだった。全3話。
※pome村さんがXで投稿された「#イラストを投げたら文字書きさんが引用rtでssを勝手に添えてくれる」向けに書いたものです。元イラストを表紙に設定しています。投稿元はこちら→https://x.com/pomemura_/status/1792159557269303476?t=pgeU3dApwW0DEeHzsGiHRg&s=19
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる