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話し合い後
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この間の件以降今日は初めて薫に会う。
薫にはきちんと事情を説明してもらわなくちゃね……
私を騙した罪は重いのよ!
そんなことを思いながら教室に入ると薫はすぐさま私に気付いて顔を背ける。
私はそんな薫のところに笑顔で行く。
「おはよう。薫」
「お、おはよう……みのりん。ご、ご機嫌だね?」
「あぁ、分かる?私、薫とずっと大事なお話したかったから今日会えるのが楽しみだったのよ」
「へ、へぇー……そ、それは光栄だなぁ……」
「でしょう?だから、昼休み、私に付き合ってくれるよね?」
「も、もちろん!喜んで!」
薫の笑顔は冷や汗でいっぱいだった。
まるで蛇に睨まれた蛙のよう……
それじゃあ、昼休み楽しみにしてるねとだけ伝えて自分の席に着く。
後ろからは緊張してる雰囲気が伝わってくる。
輝には今日は教室に来るなと言ってあるので問題ない。
ゆっくり話が出来るはず……
早く昼休みになれと思いながら授業を受けた。
そして、念願の昼休み。
私は薫を連れて屋上の踊り場に来ていた。
薫は私の前で正座をして座っている。
「薫?私が言いたいこと分かるよね?」
「……えっと、騙しててごめん?」
「なんで疑問形なのかしら?」
「あぁ!違うんだよ!みのりんを傷付けちゃったことは本当に反省してるんだよ?でも、ああでも言わなきゃみのりんは出てきちゃうと思ったから……」
「うん。それで?」
「だ、だから、あんな言い方したって言うか……ボクは本当に輝くんのこと何とも思ってないから!安心して!」
「……それは信じるけど。どうして、輝の名前知ってたの?」
「え?輝くんから聞いてないの?」
「聞いたけどやっぱり本人の口からも聞こうと思って」
「あぁ、そっか。みのりんはそういうタイプか……えっと、この間、ボクらと一緒にいた彼女はボクの友達だった人で輝くんに困ってるところを助けられて一目惚れしたらしくってその後何回か輝くんと会って話して連絡先を交換したら輝くんのことを恋人だと勘違いしちゃってね。元々妄想が激しい子だったんだ。で、そんな彼女の勘違いの相談に乗ってたのがボク。輝くんが彼女を呼び出して縁を切ろうとしてる現場にも実はいたんだよ。だから、輝くんを知ってたんだ」
「ふーん……それで、縁を切ったはずのその子と輝が何でまた会ってたの?」
「それも彼女の勘違いって言うか……ボクが聞いた限りただの友達関係としてもお断りしてるように思ったんだけど彼女は気の迷いと思ったらしくてみのりんのこともその時はもう知ってたと思うよ。それで、ボクが輝くんと同じ学校になったことを知ってまた相談受けるようになっちゃって。正直、ウザかったしうんざりしてたから輝くんに責任取ってもらおうとわざわざ呼び出して会わせたんだ」
確かに聞いてる限りだと輝のせいだししょうがないわよね……
「まぁ、会わせても解決どころか悪化しただけだったけどね?みのりんが来てくれて逆に助かったよ。ありがとう」
「それはどういたしまして。薫のお陰で自分の気持ちに気付かされたわよ」
「そ、それは……おめでとう、なのかな?」
「さぁ?でも、輝と付き合うことになったらありがとう、かしら?」
「えっ!?本当にあんな奴と付き合うの!?止めときなよ!絶対後悔するって!」
「まぁ、確かに初デートも最初は散々な目に遭ったけど……楽しかったわよ」
「ち、ちょっとー!この学校では公表しない方がいいんじゃない!?って言うかしちゃ駄目だよ!絶対嫌がらせとかされるって!」
「嫌がらせ?上等よ。正々堂々と戦う気がない奴は敵じゃないし」
「強いね!?輝くんってどちらかと言うときゃー、虫怖ーい、助けてーってタイプが好きなんじゃ……?」
「……そんなの私じゃないわよ。私は輝に心配かけたくないしそのせいで輝が離れちゃったら意味ないじゃない」
「……しょうがないなぁ。みのりんのそういうとこ、ボクも好きだし応援してあげるよ。二人のこと。みのりんのためだしね。何があってもボクが庇ってあげるから!」
「ありがと、薫」
そう言って薫と一緒に座ってお昼を食べる。
それから三日も経たないうちに私と輝が付き合い始めたと言う噂が流れた――――
薫にはきちんと事情を説明してもらわなくちゃね……
私を騙した罪は重いのよ!
そんなことを思いながら教室に入ると薫はすぐさま私に気付いて顔を背ける。
私はそんな薫のところに笑顔で行く。
「おはよう。薫」
「お、おはよう……みのりん。ご、ご機嫌だね?」
「あぁ、分かる?私、薫とずっと大事なお話したかったから今日会えるのが楽しみだったのよ」
「へ、へぇー……そ、それは光栄だなぁ……」
「でしょう?だから、昼休み、私に付き合ってくれるよね?」
「も、もちろん!喜んで!」
薫の笑顔は冷や汗でいっぱいだった。
まるで蛇に睨まれた蛙のよう……
それじゃあ、昼休み楽しみにしてるねとだけ伝えて自分の席に着く。
後ろからは緊張してる雰囲気が伝わってくる。
輝には今日は教室に来るなと言ってあるので問題ない。
ゆっくり話が出来るはず……
早く昼休みになれと思いながら授業を受けた。
そして、念願の昼休み。
私は薫を連れて屋上の踊り場に来ていた。
薫は私の前で正座をして座っている。
「薫?私が言いたいこと分かるよね?」
「……えっと、騙しててごめん?」
「なんで疑問形なのかしら?」
「あぁ!違うんだよ!みのりんを傷付けちゃったことは本当に反省してるんだよ?でも、ああでも言わなきゃみのりんは出てきちゃうと思ったから……」
「うん。それで?」
「だ、だから、あんな言い方したって言うか……ボクは本当に輝くんのこと何とも思ってないから!安心して!」
「……それは信じるけど。どうして、輝の名前知ってたの?」
「え?輝くんから聞いてないの?」
「聞いたけどやっぱり本人の口からも聞こうと思って」
「あぁ、そっか。みのりんはそういうタイプか……えっと、この間、ボクらと一緒にいた彼女はボクの友達だった人で輝くんに困ってるところを助けられて一目惚れしたらしくってその後何回か輝くんと会って話して連絡先を交換したら輝くんのことを恋人だと勘違いしちゃってね。元々妄想が激しい子だったんだ。で、そんな彼女の勘違いの相談に乗ってたのがボク。輝くんが彼女を呼び出して縁を切ろうとしてる現場にも実はいたんだよ。だから、輝くんを知ってたんだ」
「ふーん……それで、縁を切ったはずのその子と輝が何でまた会ってたの?」
「それも彼女の勘違いって言うか……ボクが聞いた限りただの友達関係としてもお断りしてるように思ったんだけど彼女は気の迷いと思ったらしくてみのりんのこともその時はもう知ってたと思うよ。それで、ボクが輝くんと同じ学校になったことを知ってまた相談受けるようになっちゃって。正直、ウザかったしうんざりしてたから輝くんに責任取ってもらおうとわざわざ呼び出して会わせたんだ」
確かに聞いてる限りだと輝のせいだししょうがないわよね……
「まぁ、会わせても解決どころか悪化しただけだったけどね?みのりんが来てくれて逆に助かったよ。ありがとう」
「それはどういたしまして。薫のお陰で自分の気持ちに気付かされたわよ」
「そ、それは……おめでとう、なのかな?」
「さぁ?でも、輝と付き合うことになったらありがとう、かしら?」
「えっ!?本当にあんな奴と付き合うの!?止めときなよ!絶対後悔するって!」
「まぁ、確かに初デートも最初は散々な目に遭ったけど……楽しかったわよ」
「ち、ちょっとー!この学校では公表しない方がいいんじゃない!?って言うかしちゃ駄目だよ!絶対嫌がらせとかされるって!」
「嫌がらせ?上等よ。正々堂々と戦う気がない奴は敵じゃないし」
「強いね!?輝くんってどちらかと言うときゃー、虫怖ーい、助けてーってタイプが好きなんじゃ……?」
「……そんなの私じゃないわよ。私は輝に心配かけたくないしそのせいで輝が離れちゃったら意味ないじゃない」
「……しょうがないなぁ。みのりんのそういうとこ、ボクも好きだし応援してあげるよ。二人のこと。みのりんのためだしね。何があってもボクが庇ってあげるから!」
「ありがと、薫」
そう言って薫と一緒に座ってお昼を食べる。
それから三日も経たないうちに私と輝が付き合い始めたと言う噂が流れた――――
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