魔法学園問題児科

蓮ヶ崎 漣

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問題児様、人間界へ①

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 人間界。

そこは私たちが思っていたよりもずっと大変な場所だった。

まず、授業についていけない。

数学って何?

理科や生物は似たようなことをやっていたから大丈夫。

家庭科は裁縫が出来ないけど料理はやっていたから平気。

英語も魔術書に書いてあった文字に似ているから何とかなるけど……

日本史?

世界史?

倫理?

古文?

現代文?

わからないことだらけで私たちはお手上げ状態。

唯一、桜がそこはかとなく理解出来ているため、桜に助けられている。

けれど、みんなクラスが違うので休み時間しか会う時間がない。

人間界での学校では友達は出来そうにないし正直、思っていたほど楽しくない。

人間界で暮らすのにもお金がたくさんかかるしよくこんな世界で生きていけるなと素直に尊敬する。

魔法が使えればお金は必要最低限で済むし代わりに魔力を消耗するけれど休めば回復するし大した問題ではない。

私は深いため息と共に窓の外を見た。

校庭ではどこかのクラスが体育と言うものをやっている。


あ、桜だ……


何気なく眺めていると桜はもう友達がいるみたいで知らない人たちに絡まれていた。


「欅さん!余所見している暇があるんですか!」


「あ!すみません……」


先生に怒られて渋々前を向く。


あぁ、棗先生が恋しい……

早く昼休みにならないかな……


そう思いながら残りの時間を過ごした――――



 半月前、私たちは引率の先生として選ばれた桃ちゃんと一緒に人間界にやってきた。

桃ちゃんが選んだ複数の家から悩みに悩んで答えを出した結果その内の一つの家に四人で一緒に住むことを決める。

桃ちゃんから人間界で生活するための必要最低限な知識を教えてもらいながらしばらく一緒に過ごす。

一週間が経つと私が保護者代わりだから何かあったら水晶玉を使って連絡するようにと言って桃ちゃんは帰った。

桃ちゃんが帰ってからは役割分担やルールを細かく決めて生活している。

今通っている学校は校長が選んだ学校らしい。

なんでこの学校を選んだかは不明だ。

授業終了の鐘が鳴り、私は急いで教科書等を片付けてお弁当を持ち菫の教室に向かう。

待ちに待った昼休み!

昼休みは唯一、桜たちと四人で一緒に入れる時間だ。

菫の教室のドアが開いていたので中を覗くと菫も友達を作ったらしく知らない子と話していた。

菫が私に気付いて近寄ってきてくれた。


「杏ちゃん!ごめんね、今日はクラスメイトと一緒に食べようと思うから一緒に食べれないんだ。楓くんたちにも伝えてくれる?」


「……ん、わかった。じゃあ、家でね」


「うん。ごめんね」


私は手を振って菫と別れた。

桜のクラスは体育だったから先に楓の教室に行く。

ドアを開けようと手をかけると私が開けるより先にドアが開いた。

私は思わず驚いて後退る。

そんな私を出てきた生徒は怪訝そうな顔をして通り過ぎる。

心の中で謝りながら中を覗くと楓が中心となって騒いでいた。


「マジかよ!それ、詳しく教えろよ!楓!」


「お前なんかに教えねぇよ!ばっかじゃねぇの?それよりさぁー……」


私は楓に声をかけることもせずその場を離れた。


なんだ、この学校でうまく出来てないのは私だけか……

みんなそれぞれ新しい友達作って仲良くやっているんだ……


私は一人で屋上に行く。

鍵が閉めてあるが誰もいないことを確認して魔法を使い開ける。

ドアを閉めて再び鍵をかける。

ドアの反対側に回りそこに座ってお弁当を開ける。

今日のお弁当当番は私だ。


「みんなに感想聞こうと思っていたのにな……」


いつもはみんなで喋りながら食べるから楽しいけれど今日は一人。


一人で食べる食事はこんなにも寂しいものなんだ……


なんだか食欲が出ずお弁当を閉じてしばらくボーっとしているとドアが開く音がした。


教師だったらどうしよう……


そんなことを思って思わず縮こまる。

足音が近付いてきて私の傍で止まった。

恐る恐る顔を上げるとそこには桜が立っていた。


「桜……!」


「そうだけど……?杏、そんな縮こまってどうしたの?って言うか楓と菫は?」


「菫はここで出来た友達と一緒に食べるって……楓はなんか声かけづらかったからかけずに私一人でここに来ちゃった」


「ふーん?そっか」


そう言って桜は私の隣に腰を落とす。


「もう食べたの?」


「ううん。まだ」


「そ。じゃあ、一緒に食べよう」


「うん!」


二人でお弁当を開ける。

いただきますと手を合わせて一緒に食べた。

私は桜を見ながら口を開く。


「……どう?」


「ん?あ、そうか。今日のお弁当は杏が作ったんだっけ。うーん、見た目は美味しそうだよ」


「あ、味は……?」


「僕は好きだけど」


「そ、そっか!えへへ、よかった。一人でもそう言ってもらえると嬉しいね」


そう言って私は食べることを再開する。

桜は何か言いたそうだったけど先に食べることにしたらしい。


桜もその内、ここで出来た友達と一緒にお弁当食べるのかな……

そうなったら私は学校で独りぼっち……

嫌だな……


数分足らずで食べ終わりお弁当を片付ける。

片付け終わると桜が口を開いた。


「杏。何かあったの?元気なさそうだけど」


「……ねぇ、桜は友達出来た?」


「友達?あー……声をかけてくる人はいるね。でも、友達とはちょっと違うな。話し難いし。杏は?」


「……出来るどころか話しかけてくる人もいないよ。独りぼっち。勉強も出来ないし折角人間界に来れたのにつまらないよ。あっちに帰りたいな……」


私がそう言うと桜はデコピンをしてきた。


「いった!」


「まだ人間界に来て一ヶ月も経ってないけど?弱音吐くには早過ぎじゃない?」


「……桜は勉強出来るじゃない。私、何も出来ないもん」


「杏は料理が出来るよ。後、洗濯に掃除に……家事全般は出来るじゃん。裁縫は魔法使わないと無理だけど僕たちはどれも魔法を使わないと一日じゃ終われない。菫は杏と一緒に洗濯してもらえるからいいけど僕と楓は一緒に洗濯してもらうわけにはいかないし……この間、楓と二人で洗濯機使ったら泡吹いてうまく洗濯出来なくて結局魔法使って洗濯と後片付けしたよ」


「……ふふっ、あははっ!何それ?学校と全然関係ないじゃない!もう、洗剤どれくらい入れたの?見てみたかったな」


「笑い事じゃないよ。僕たちは大慌てだったんだから。杏と菫は買い出し行ってて本当大変だった……まぁ、この話はもういいとしてとにかく!杏は何も出来なくないよってこと。学校とは関係ないかもだけど出来ないよりか出来た方がいいものだよ、杏が出来ることは」


「……そっか、ありがと。もう少し頑張ってみる」


「うん。そうして?勉強なんか僕が教えるし。その代わり、洗濯の仕方教えてください……」


「ふふっ、いいよ。約束ね?」


そう言って桜と指切りをして。

桜に気付かれないように小指を包む。


私、やっぱり、桜が好きだなぁ……


そろそろ昼休みが終わるからと屋上から出る。

途中まで一緒に歩いていると茶髪のゆるふわヘアで黄色い瞳をした私のクラスメイトに声をかけられた。


「あ、あのっ!欅さんっ!よ、よよよ、よかったら私と友達になってくれませんかっ?」


「えっ!?」


「あっ!私のこと覚えてませんかっ?わ、私、向日むかひあおいですっ!だ、駄目ですかね……?」


「えっ!そんなこと!えぇと……葵ちゃん?」


「はいっ!そうですっ!」


「こんな私でよかったら葵ちゃんの友達にしてほしいな」


「そ、そんな!嬉しいです!ありがとうございます!これからよろしくお願いします!」


「よろしくね」


その様子を一部始終見ていた桜は一瞬、困ったような気まずいようなそんな微妙な顔をしていたけれどすぐ笑って私の頭をポンッと叩くと口を開く。


「よかったね、杏。それじゃあ、教室戻るから。放課後はその子と帰る?」


「え?あ、たぶん?」


「そう。じゃあ、決まったら連絡して。楓たちには僕から連絡するから」


「あ、菫は友達と帰るみたいだよ。楓はわかんないけど」


「ん。わかった。じゃあ、また」


「うん」


桜が離れるとずっと黙っていた葵ちゃんが話しかけてきた。


「あの、欅さんは藤くんとどういう関係なの?」


「え?うーん、幼馴染みたいな感じかな。昔からの友達!」


「そうなんですか。あ、今日、よかったら一緒に帰りませんか?ケーキの美味しい喫茶店を紹介しますよ」


「本当!?行きたい!一緒に帰ろう!」


「はい」


桜に携帯電話と言うのを使ってメールを送る。

何か変な感じがしたけれどあまり気にせず葵ちゃんと一緒に教室に戻った。

放課後は約束通り葵ちゃんにケーキの美味しい喫茶店に連れて行ってもらって。

家の近くで別れて帰宅した。

家に入るとみんなもうすでに帰っているみたいでリビングに行く。


「ただいまー」


「おう、お帰り。そういや、杏、今日は一緒に弁当食えなくて悪りぃ……でも、杏が作った弁当美味かったぜ!」


「お帰り、杏ちゃん。お弁当美味しかったよ。もう料理当番は杏ちゃんに決定したいくらい!」


「本当?よかった!あ、荷物置いてくるね」


そう言ってリビングを出て自分の部屋に向かう。

その途中で桜に会う。


「あ、杏。お帰り」


「うん、ただいま!」


私はそのまま自分に部屋に荷物を置きに行く。

桜は何か言いたそうだったけれどリビングに向かったみたいだった。

自分の部屋に荷物を置くと急いでリビングに戻る。

私が戻る頃には夕飯当番の菫が夕飯を作り始めていて桜と楓がソファーに座って雑談していた。

ちなみに部屋の家具はほとんど魔法で作り出したものだ。

電化製品はちゃんとお金を出して買ったが。

私はキッチンに向かう。


「菫ー何か手伝うことはある?」


「あ、杏ちゃん。今のところ大丈夫!座ってていいよ」


「わかった。何かあったら呼んでね?」


「うん」


私は桜たちのところに行く。


「おう、杏。丁度いいところに。夕飯食べたら桜に勉強教わるんだけどよ、お前はどうする?」


「え!私にも教えて!」


「じゃあ、今日もここで勉強会だね。杏のクラス、今日は何の授業だった?」


「えっとね~……数学と世界史と……古文と英語」


「……ちゃんと授業受けれたの?それ」


「だ、大丈夫!古文は葵ちゃんが教えてくれたし!」


「そう。余裕があったら予習もしようか」


「うん!」


「おう!ところで、杏。今、葵って言ったか?」


「え?うん。言ったけど?」


「葵って向日葵?」


「そうだけど……なんで楓が知っているの?」


「だってそいつ、この間……」


「楓のクラスは今日の授業なんだったっけ?」


「は?あ、あぁ、数学と日本史、倫理、現代文」


「杏とは数学しか被ってないのか……」


楓が何か言いかけたのを桜が遮った気がするけれど私の気のせいかな?

何となく気になったけれど聞ける雰囲気でもなくて私は菫に呼ばれた。


「あ、杏ちゃーん!ち、ちょっとー!」


「あ、今行くー!」


菫のところに行くと鍋が吹き返しかけていた。

私は慌てて鍋の火を止める。

鍋の蓋を開けて中身を確認する。


よかった、焦げていないみたいだ。


「ご、ごめんね。ありがとう。お皿によそって運んどいてもらえる?」


「うん。わかった」


菫に言われた通りに動く。

男性陣はご飯が運ばれてきた瞬間、お喋りを止めて姿勢を正した。

後から菫も飲み物を運んできた。

菫が座ってから口を開く。


「お待たせ、みんな。どうぞ召し上がれ」


いただきますと言って手を合わせ食べ始める。

ご飯を食べ終えると菫と二人で食器を片付けた。

片付けを終えて自分の部屋に戻り勉強道具を持ってリビングに戻る。

みんなで一緒に勉強をしてなんとか予習まで出来たところで解散になった。

さっき気になったことを楓に聞いてみる。


「楓、夕飯前なんて言おうとしていたの?」


「え?あ、あぁ……何だったっけなー覚えてねぇや。悪りぃな。そんじゃ、おやすみ」


そう言うと楓はそそくさと自分の部屋に戻っていった。


何でこんなに違和感を覚えるんだろう?

大した変化はないはずなのに……


そんなことを思いながら私も自分の部屋に戻る。

その日から私はクラスメイトによく話しかけられるようになった――――
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