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最終章:無双代行の結末
最終決戦⑧・復讐の瞬間
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頭痛い・・・めちゃくちゃ・・・。
おまけになんか・・・変な汗も出っ放し・・・。
これが、天級第一位魔能同時使用の反動ってワケ・・・?
想像してたよりも、すんごくキツイ・・・。
でもおかげで、理性を失うことがなく、最大火力の救済神の涙の範囲を絞ることができた・・・。
人殺しの汚名・・・これでちょっと軽くなってくれると、いいな・・・。
「ミラ!!大丈夫か!?」
「大丈夫だよ、ラリーちゃん・・・。そっちは・・・?」
「そんなあからさまに具合悪そうな顔しといて他人の心配かよぉ?全員無事だ!!正直❝こりゃ無理だ。❞って思ったぜ!」
「そっか・・・。良かった・・・。」
「ミラ様、あれを?」
ヒューゴ君の指差す方を見てみると、右側の上半身が抉れたアクメルが、プルプル震えながら立っている。
「やって、くれたな・・・ミラ。さっきのお前の攻撃から、逃れるために、6割の魔力が、持っていかれたじゃ、ないか・・・。おかげで、傷の治りも、遅くて、仕方ない・・・!!」
よく見ると、アクメルの抉れた上半身が、『グチュグチュ・・・。』と音を立てて再生している。
絶対回復の効果が、明らかに落ちてるッッッ!!!
ここに来て、初めて奴に大ダメージを与えることができたッッッ!!!
その見返りに、こっちまでしんどい思いをするハメになってしまったけれど・・・。
けれどこのチャンスを逃すワケにはいかない!!
かなりキツイけど、身体は動く!!
この隙に奴の血をッッッ!!!
「祖級第零位・灰滅壁!!」
アクメルの周囲に円形のバリアが展開され、それに触れたあたしの腕が、灰になって消えた。
慌てたあたしはバリアから急いで離れた。
「残念だったな。傷の治りは遅いが、魔力はその倍のスピードで回復できる。あと2分もすれば、完全に回復するだろう。そうとなればこっちのものだ。その間僕には、誰も近づけさせない。もし迂闊に近づけば・・・。分かってるだろうな?」
「ちっ・・・!!」
多分これは、触れた敵を灰にして消す防御魔能だろう。
無理やり入ろうとすれば、全身が消し飛んでしまう・・・。
こうしてる間にも、奴の魔力は回復の真っ最中だ。
もし100パーまで戻ってしまえば、また勝負を向こうに持ってかれる。
クソがッッッ!!!
やっとこっちを有利にさせることができたのに、また振りだしになっちゃうなんて・・・冗談じゃないッッッ!!!
どうすればいいんだよ!?!?
「私が道を開きます。だからそこで待ってて。」
えっ!?
今の、エリガラー・・・
次の瞬間、エリガラードの氷の結界が、アクメルの防御魔能と激しくぶつかった。
「エリガラード!?」
「ようやくあなたを追い詰めることができたのです。この戦果を、みすみす無駄にしてたまりますか。」
「バカか?お前の結界くらいで、僕の灰滅壁が破れるワケ・・・ッッッ!!!」
エリガラードの結界が当たってるところが、段々ヒビ割れしてきた。
「何だよコレ!?」
「先程のミラのマネをしてみました。リヴンポーラーを覆っている結界と同じものを、私の周囲に一点集中させて発動しました。本来ならばそれでもこの防壁を破ることは不可能。ですが今の、弱体化したあなたのだったら、私一人通れる隙間くらいはこじ開けることができるでしょう。」
「それでもお前は無傷で済まないぞ?その開けた隙間を通るのと同時に致命傷を負う。」
「構いません。次の一手がありますから。私一人の命であなたを弱らせたままにできるのなら、悔いはありません。」
「そこまでして夫の仇を取りたいか?」
「当たり前でしょう?」
「全くお前という奴は・・・。つくづく未練がましい女だな。森精人には寿命なんてないんだろ?だったらキッパリ忘れて、新しい男を作ればいいじゃないか。それを3000年も永い間ネチネチネチネチ・・・。」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「忘れられるワケ・・・ないじゃないですか。」
「んん?」
「私には、ヴァリエルしかいなかった・・・。ずっと、ずっと・・・この世界が終わるその瞬間まで、一緒にいたいと願った・・・。それを・・・あなたが・・・!!あの時、私は彼を、守れなかった・・・。そして、❝自分は弱くて、何もできない。❞って諦めてた。だから❝世界の観察者❞なんていう、体のいい傍観者に逃げた。卑怯にも、逃げてしまった・・・。」
「だったらずっとそうしていればいいのに。そしたら今日死なずに済んだものの・・・。」
「確かにそっちの方がずっと楽だったかもしれない。だけどあの人に焦がれる想いは・・・お前に対する憎悪の感情は、何百年、何千年経とうが消えなかった!!お前を殺してやりたいとずっと思ってた!!だけど私には、どう足掻いたって無理だ。だったらせめて、それが出来る者に、道を開いてやりたい!!今の私は怖くも何ともない!!むしろ清々しい!!だって復讐を・・・3000年も待っていたのだからッッッ!!!」
感情をさらけ出すのに応えるかのように、アクメルの防壁のヒビが大きくなっていく。
だけどそれと同じく、エリガラードの結界も壊れ始め、彼女の身体が崩壊し始める。
「えっ、エリガラードッッッ!!!」
あたしが彼女の名前を叫んだ瞬間、アクメルの防壁に隙間が開いて、エリガラードはそこから中に滑り込んだ。
「天級第一位・魂氷結の命水ッッッ!!!」
防壁に入ったエリガラードは、自分の胸に手を突っ込んで凍った小瓶を出すと、それをアクメルの心臓にブチ当てた。
「やっと届きましたよ。私の復讐心が・・・。」
おまけになんか・・・変な汗も出っ放し・・・。
これが、天級第一位魔能同時使用の反動ってワケ・・・?
想像してたよりも、すんごくキツイ・・・。
でもおかげで、理性を失うことがなく、最大火力の救済神の涙の範囲を絞ることができた・・・。
人殺しの汚名・・・これでちょっと軽くなってくれると、いいな・・・。
「ミラ!!大丈夫か!?」
「大丈夫だよ、ラリーちゃん・・・。そっちは・・・?」
「そんなあからさまに具合悪そうな顔しといて他人の心配かよぉ?全員無事だ!!正直❝こりゃ無理だ。❞って思ったぜ!」
「そっか・・・。良かった・・・。」
「ミラ様、あれを?」
ヒューゴ君の指差す方を見てみると、右側の上半身が抉れたアクメルが、プルプル震えながら立っている。
「やって、くれたな・・・ミラ。さっきのお前の攻撃から、逃れるために、6割の魔力が、持っていかれたじゃ、ないか・・・。おかげで、傷の治りも、遅くて、仕方ない・・・!!」
よく見ると、アクメルの抉れた上半身が、『グチュグチュ・・・。』と音を立てて再生している。
絶対回復の効果が、明らかに落ちてるッッッ!!!
ここに来て、初めて奴に大ダメージを与えることができたッッッ!!!
その見返りに、こっちまでしんどい思いをするハメになってしまったけれど・・・。
けれどこのチャンスを逃すワケにはいかない!!
かなりキツイけど、身体は動く!!
この隙に奴の血をッッッ!!!
「祖級第零位・灰滅壁!!」
アクメルの周囲に円形のバリアが展開され、それに触れたあたしの腕が、灰になって消えた。
慌てたあたしはバリアから急いで離れた。
「残念だったな。傷の治りは遅いが、魔力はその倍のスピードで回復できる。あと2分もすれば、完全に回復するだろう。そうとなればこっちのものだ。その間僕には、誰も近づけさせない。もし迂闊に近づけば・・・。分かってるだろうな?」
「ちっ・・・!!」
多分これは、触れた敵を灰にして消す防御魔能だろう。
無理やり入ろうとすれば、全身が消し飛んでしまう・・・。
こうしてる間にも、奴の魔力は回復の真っ最中だ。
もし100パーまで戻ってしまえば、また勝負を向こうに持ってかれる。
クソがッッッ!!!
やっとこっちを有利にさせることができたのに、また振りだしになっちゃうなんて・・・冗談じゃないッッッ!!!
どうすればいいんだよ!?!?
「私が道を開きます。だからそこで待ってて。」
えっ!?
今の、エリガラー・・・
次の瞬間、エリガラードの氷の結界が、アクメルの防御魔能と激しくぶつかった。
「エリガラード!?」
「ようやくあなたを追い詰めることができたのです。この戦果を、みすみす無駄にしてたまりますか。」
「バカか?お前の結界くらいで、僕の灰滅壁が破れるワケ・・・ッッッ!!!」
エリガラードの結界が当たってるところが、段々ヒビ割れしてきた。
「何だよコレ!?」
「先程のミラのマネをしてみました。リヴンポーラーを覆っている結界と同じものを、私の周囲に一点集中させて発動しました。本来ならばそれでもこの防壁を破ることは不可能。ですが今の、弱体化したあなたのだったら、私一人通れる隙間くらいはこじ開けることができるでしょう。」
「それでもお前は無傷で済まないぞ?その開けた隙間を通るのと同時に致命傷を負う。」
「構いません。次の一手がありますから。私一人の命であなたを弱らせたままにできるのなら、悔いはありません。」
「そこまでして夫の仇を取りたいか?」
「当たり前でしょう?」
「全くお前という奴は・・・。つくづく未練がましい女だな。森精人には寿命なんてないんだろ?だったらキッパリ忘れて、新しい男を作ればいいじゃないか。それを3000年も永い間ネチネチネチネチ・・・。」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「忘れられるワケ・・・ないじゃないですか。」
「んん?」
「私には、ヴァリエルしかいなかった・・・。ずっと、ずっと・・・この世界が終わるその瞬間まで、一緒にいたいと願った・・・。それを・・・あなたが・・・!!あの時、私は彼を、守れなかった・・・。そして、❝自分は弱くて、何もできない。❞って諦めてた。だから❝世界の観察者❞なんていう、体のいい傍観者に逃げた。卑怯にも、逃げてしまった・・・。」
「だったらずっとそうしていればいいのに。そしたら今日死なずに済んだものの・・・。」
「確かにそっちの方がずっと楽だったかもしれない。だけどあの人に焦がれる想いは・・・お前に対する憎悪の感情は、何百年、何千年経とうが消えなかった!!お前を殺してやりたいとずっと思ってた!!だけど私には、どう足掻いたって無理だ。だったらせめて、それが出来る者に、道を開いてやりたい!!今の私は怖くも何ともない!!むしろ清々しい!!だって復讐を・・・3000年も待っていたのだからッッッ!!!」
感情をさらけ出すのに応えるかのように、アクメルの防壁のヒビが大きくなっていく。
だけどそれと同じく、エリガラードの結界も壊れ始め、彼女の身体が崩壊し始める。
「えっ、エリガラードッッッ!!!」
あたしが彼女の名前を叫んだ瞬間、アクメルの防壁に隙間が開いて、エリガラードはそこから中に滑り込んだ。
「天級第一位・魂氷結の命水ッッッ!!!」
防壁に入ったエリガラードは、自分の胸に手を突っ込んで凍った小瓶を出すと、それをアクメルの心臓にブチ当てた。
「やっと届きましたよ。私の復讐心が・・・。」
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