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最終章:無双代行の結末
空中城塞攻略㉖・流撃
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「地級第二位・大地の大槍!!」
2体のキネ・ヴァラードに第一撃を与えたのはグレースだった。
地上から極大の岩の大槍が飛び出し、キネ・ヴァラード達の腹に深々と刺さる。
「これ程度どうとでもないですわね、わたくし。」
「そうですわね、わたくし。」
槍が刺さっているキネ・ヴァラード達の腹が、まるで液体のように蠢いている。
そして、横にずれる形でグレースの出した岩の大槍から脱した。
「くっ・・・!!竜の身体が受けた痛みが本体に及ぶと思ったけど、あれには痛覚自体がないのね!!」
浮遊魔能で旋回しながら、グレースは歯がゆい表情を見せた。
「だったら次は火よ!!天級第五位・冥府の炎流!!」
今度はリリーナが冥府の炎の波を全身から放つ。
それはキネウラの本体が入った、体躯の大きいキネ・ヴァラードの頭を灰にして吹き飛ばした。
「やった!!よしこのまま、身体を炙って削っていけば・・・!!」
「そう簡単にはいきませんよ?」
無くなったキネ・ヴァラードの頭が、10秒も経たずに再生した。
「眷族召喚の力で再生って・・・あの身体、本当に飾りに過ぎないの!?!?」
有効だと思っていた攻撃手段が歯が立たないと分かったところで、乙女の永友とエリガラードは、一旦地上へと降りた。
「エリガラード殿!!其方の氷はどうだ!?」
「そんなのとっくに試しましたよ。ですが手足を凍らせてバラバラに砕いても、すぐに再生してしまいます。」
「クソ!!これでは八方塞がりではないか!!火も氷も効かず、腕や足を吹き飛ばそうものなら、そこから新しいのが湧いてきてしまう・・・!!どうすれば良い!?」
「やはり本体であるキネウラに直接攻撃を与えるしかないようですね。」
「だがヒューゴ!!奴はあの身体の中で逃げ回れるのだぞ!!どうやって攻撃を当てようというのだ!?」
「それが唯一の問題です。それさえ攻略すれば・・・。」
キネウラにダメージを与える手段を思いつくため、ヒューゴは知恵を搾った。
「ヒューゴ、一つ・・・試してみたいことあるのだが。」
「イスラルフ様。何ですか?試したいことって・・・って、それ!!」
イスラルフは軍蟻種の首を儂掴みにしていた。
「今から私に、お前の一番強力な精神魔能をぶつけてくれ。」
「なっ、何言っているのですか急に!?そんなのできるわけ・・・!!」
「とにかくやるのだ!上手くゆけばキネウラに一撃与えることができるやもしれん!!」
「うっ・・・!!どっ、どうなっても知りませんからねッッッ!!!」
イスラルフの気迫に圧され、ヒューゴも覚悟は覚悟を決めた。
「死の幻!!」
ヒューゴはイスラルフに幻の死を与える魔能を行使した。
「あがぁ・・・!!!」
すると何と、小さい方のキネ・ヴァラードが突然苦しみだし、そのまま崩れていった。
「ふむ・・・こういう結果か。」
「イスラルフ様!!今のは一体・・・!?」
「❝天級第四位・我が痛み主僕へ流れよ❞。自分が受けるはずだった魔能の効果を従属種の魔物に肩代わりしてもらい、そのまま他の下僕や主に流すという、いわば・・・主従関係型の魔物に対する切り札だ。」
イスラルフは動かなくなった軍蟻種を投げ捨てた。
「こいつは小さい方の一部だった軍蟻種でな。コイツを媒介に大きい方も斃れると思っていたが、そうはいかなかったらしい。」
「つまり・・・!!」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「大きい方から欠片をもぎ取ってくれば、キネウラをあの気色悪い蟻の竜の身体から引きずり出せるということだ。」
2体のキネ・ヴァラードに第一撃を与えたのはグレースだった。
地上から極大の岩の大槍が飛び出し、キネ・ヴァラード達の腹に深々と刺さる。
「これ程度どうとでもないですわね、わたくし。」
「そうですわね、わたくし。」
槍が刺さっているキネ・ヴァラード達の腹が、まるで液体のように蠢いている。
そして、横にずれる形でグレースの出した岩の大槍から脱した。
「くっ・・・!!竜の身体が受けた痛みが本体に及ぶと思ったけど、あれには痛覚自体がないのね!!」
浮遊魔能で旋回しながら、グレースは歯がゆい表情を見せた。
「だったら次は火よ!!天級第五位・冥府の炎流!!」
今度はリリーナが冥府の炎の波を全身から放つ。
それはキネウラの本体が入った、体躯の大きいキネ・ヴァラードの頭を灰にして吹き飛ばした。
「やった!!よしこのまま、身体を炙って削っていけば・・・!!」
「そう簡単にはいきませんよ?」
無くなったキネ・ヴァラードの頭が、10秒も経たずに再生した。
「眷族召喚の力で再生って・・・あの身体、本当に飾りに過ぎないの!?!?」
有効だと思っていた攻撃手段が歯が立たないと分かったところで、乙女の永友とエリガラードは、一旦地上へと降りた。
「エリガラード殿!!其方の氷はどうだ!?」
「そんなのとっくに試しましたよ。ですが手足を凍らせてバラバラに砕いても、すぐに再生してしまいます。」
「クソ!!これでは八方塞がりではないか!!火も氷も効かず、腕や足を吹き飛ばそうものなら、そこから新しいのが湧いてきてしまう・・・!!どうすれば良い!?」
「やはり本体であるキネウラに直接攻撃を与えるしかないようですね。」
「だがヒューゴ!!奴はあの身体の中で逃げ回れるのだぞ!!どうやって攻撃を当てようというのだ!?」
「それが唯一の問題です。それさえ攻略すれば・・・。」
キネウラにダメージを与える手段を思いつくため、ヒューゴは知恵を搾った。
「ヒューゴ、一つ・・・試してみたいことあるのだが。」
「イスラルフ様。何ですか?試したいことって・・・って、それ!!」
イスラルフは軍蟻種の首を儂掴みにしていた。
「今から私に、お前の一番強力な精神魔能をぶつけてくれ。」
「なっ、何言っているのですか急に!?そんなのできるわけ・・・!!」
「とにかくやるのだ!上手くゆけばキネウラに一撃与えることができるやもしれん!!」
「うっ・・・!!どっ、どうなっても知りませんからねッッッ!!!」
イスラルフの気迫に圧され、ヒューゴも覚悟は覚悟を決めた。
「死の幻!!」
ヒューゴはイスラルフに幻の死を与える魔能を行使した。
「あがぁ・・・!!!」
すると何と、小さい方のキネ・ヴァラードが突然苦しみだし、そのまま崩れていった。
「ふむ・・・こういう結果か。」
「イスラルフ様!!今のは一体・・・!?」
「❝天級第四位・我が痛み主僕へ流れよ❞。自分が受けるはずだった魔能の効果を従属種の魔物に肩代わりしてもらい、そのまま他の下僕や主に流すという、いわば・・・主従関係型の魔物に対する切り札だ。」
イスラルフは動かなくなった軍蟻種を投げ捨てた。
「こいつは小さい方の一部だった軍蟻種でな。コイツを媒介に大きい方も斃れると思っていたが、そうはいかなかったらしい。」
「つまり・・・!!」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「大きい方から欠片をもぎ取ってくれば、キネウラをあの気色悪い蟻の竜の身体から引きずり出せるということだ。」
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