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最終章:無双代行の結末

空中城塞攻略⑱・愛狂

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ソールの身体から放たれた衝撃波をまともに食らって、私達は壁に叩きつけられ、床に『ドサッ!』と落ちた。

全身のほとんどが真っ黒に焦げて、突き刺すような激痛が治まらない・・・。

しかも何だか、頭がクラクラして、吐きそ・・・!?

「ウムッ・・・!?ゲェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ・・・!!!」

頭痛と胃の底が跳ね上がる感触に我慢できなくなって、私は盛大に吐いた。

「クケッ・・・!!はぁ・・・!!はぁ・・・!!」

全回復フル・ヒーリング。」

口から胃液を垂らして脂汗を掻く私に、ヒューゴが治癒魔能をかけてくれた。

「ヒュー・・・ゴ・・・。」

「しっかりして下さい。へばったままでいると・・・死にますよ?」

辺りを見ると私以外の他のみんなは、全回復フル・ヒーリングでの治癒を済ませていた。

「存外しぶといではないか?大口を叩くだけのことはある。ただし・・・。」

ソールは私の方に視線を移すと、馬鹿にしたように鼻で笑った。

リリーナその娘は、ちと力不足みたいだがな。」

「なっ、何・・・!!!」

返す言葉が見つからない。

確かに、ソールの言う通りだ。

今の私じゃ、コイツの相手なんかまるで務まらない・・・。

ヒューゴとローランドはミラお姉様との共醒きょうせいをとっくに出来ているし、まだ共醒できてないドーラだって、全回復フル・ヒーリングで受けた傷を完治させている。

それに比べて私は、敵からのダメージをロクに治すことが出来ず、ヒューゴに助けられている・・・。

私だけ・・・みんなから置いてかれている・・・。

ミラお姉様の、である、私が・・・。

・・・・・・・。

・・・・・・・。

悔しい。

悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しいッッッ!!!!!!

私がミラお姉様を一番愛してるはずなのにッッッ!!!

あの方への気持ちなら、誰にだって負けないはずなのにッッッ!!!

だけど・・・他のみんなより、遅れた道を歩いてる・・・。

そんな自分に・・・どうしても・・・怒りが、湧く・・・。

こんなんじゃ、全然だめだ・・・。

限界を・・・超えるんだ。

ミラお姉様への想いの。

ミラお姉様への・・・愛のッッッ!!!

天級ヘヴン第五位・雷玉の喰い寄せグリーディ・ライトニングジェムッッッ!!!」

杖の先に雷の玉を作った私は、単身でソールに突撃した。

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

「なるほど。で私を引き寄せ、痺れさせる魂胆か。」

「アンタだったら、こんなモノ食らったところで死にはしないでしょ!?」

「そうだな・・・。引き寄せることすら出来んがな。」

「えっ・・・!?」

天級ヘヴン第三位・手上の太陽インハンド・サン。」

ソールが手を広げると、その上にこぶし大サイズの太陽が現れた。

といこうではないか。」

「なっ・・・!?!?」

ソールの手の平の太陽は、彼に杖を向けて踏ん張る私を、強力な重力で引き寄せていく。

「くぅ・・・!!ふぅ・・・!!」

このままじゃ・・・こっちが・・・負けちゃう・・・。

「情けない顔をしているな。ミラへの忠誠心が足りないようだな?」

その言葉を聞いた瞬間、私の頭の何かが『ブツ!!』っと弾けて切れた。

・・・・・・・。

・・・・・・・。

・・・だって?」

「ん?」

「私の・・・ミラお姉様への想いを・・・そんな軽々しい言葉で・・・表すな。」

「何?」

・・・・・・・。

・・・・・・・。

「愛だよ愛。私がミラお姉様への気持ちは、それ以外に有り得ない。勿論・・・ただの愛なんかじゃないわよ?一緒のベッドで寝たいと思ってる同じジュースを飲み合いっこしたいと思ってる四六時中仲良くしたいと思ってるキスしたいと思ってる結婚したいと思ってる子作りしたいと思ってるッッッ!!!私のミラお姉様への愛は、太陽よりも輝いて大海原より広いのッッッ!!!ああ・・・ミラお姉様。愛しの・・・愛しのミラお姉様・・・大好き♡♡♡・・・大好きだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!♡♡♡♡♡♡」

その時、私の中に何かが流れ込んでくる感覚がした。

それと同時に、杖の先の雷玉が急激に肥大化して、ソールを飲み込んで盛大にスパークした。

「リリーナ・・・・・・」

集まる視線を不思議に感じながら私は、ジロジロ見られている気がする髪を手に持った。

・・・・・・・。

・・・・・・・。

「ミラお姉様の・・・ミラお姉様の髪だぁ♡♡♡はぁ・・・♡♡♡何だかいい匂いがする気がするぅ♡♡♡私も、やっと、ミラお姉様と同じになれたぁ♡♡♡」

ミラお姉様と同じ、プラチナブロンドに染まった自分の髪に鼻を擦り付ける私は、ミラお姉様と同じになれた喜びと、魂の底に流れ込んでくるミラお姉様の力のせいで、身体中の火照りが止まらなかった。

はぁん・・・♡♡♡

幸せぇ・・・♡♡♡




◇◇◇




「ふぅぅぅぅぅぅぅ・・・!?!?」

何か今、ものすっごい寒気を感じたんだけど。

まさかリリーが私と共醒して、あの子の溢れんばかりの百合っ気があたしに流れ込んできた!?

って、そんなバカな・・・。
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