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最終章:無双代行の結末
オルテストの戦い⑤・命懸けの証明
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どうなっておる!?
エリガラードが連れて来た仲間は!?
アドニサカの人間どもは!?
妾の軍はどこに消えたというのか!?!?
「かように辺りを見回しようがお前の配下は見つからんぞリセ?」
父上・・・。
「アクメルの新しい下僕の術でな。ここではない別の世界に封じた。」
「そん、な・・・。」
「そう悲しむな。近い内に会える。地獄の業火の中でな!!」
「いいえ。私達が再会するのはここです。みんな揃って、生きて。」
トヴィリン?
「なんだ小娘。貴様の友が窮地を脱すことができると?」
「ええ。」
「断言とはな・・・。その根拠は?」
「エリガラード様も、スドラ様も付いてくれてますから。あの人達はそう簡単に死にません。仲間を死なせることも尚更です。」
「ならば貴様らどうだ?もはや朽鬼どもは我が手中。そう易々と助かるとは思わんな?」
「絶対生き残りますよ。私とトリシアは。勿論、リセさんも。」
この娘・・・。
以前に黎明の開手の根城で会った時は、威勢など微塵も感じさせぬ風体をしておったが、今は魂が魔性の妾にすら羨望の眼で見てしまいそうになるほどの雄姿をしておる。
一体何が、この者を奮い立たせたというのか・・・。
「その目。蛮勇ではなく静かな怒りを湛えた、戦う意志に満ちた目・・・。見ていてとても腹立たしい。良かろう小娘!!まずは貴様から殺そうとしようッッッ!!!」
「よっ、止せトヴィリン!!父上は❝冥王❞の名を冠する最強の魔族だぞ!!お前如きが敵う相手ではないッッッ!!!」
「大丈夫ですよリセさん。倒そうなんて思ってません。ただ証明するだけです。」
「証明?何をだ?」
「今目の前にいるのが、本当にあなたのお父さんなのか。ただでさえ悲しんでるあなたに、親殺しなんて追い打ちをかけるようなことはしたくないですから。」
「しっ、しかし・・・!!どうやってするつもりだ!?」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「隙は私が作る。頼んだよ、トリシア。」
「ケケッ!マカセロヨォ、アネキィ。」
言葉を交わし、トヴィリンとその影は互いに大きく頷いた。
「話は済んだか?ではどこからでもかかって・・・ッッッ!!!」
素早い踏み込みで、トヴィリンは父上の脇腹を影の剣で裂いた。
「❝戦いの最中に無駄話はするな。❞ルイギから口酸っぱく言われたことです。」
「ぎぃぃ・・・!!粋がるなよ小虫がッッッ!!!」
怒りで顔を歪ませ、父上は冥府の炎でこしらえた鞭をトヴィリンに振るった。
それをトヴィリンは、先読みの神感で華麗に避けてゆく。
「先読みの魔能か!?随分恵まれた物を持っておるではないかッッッ!!!」
「リセさん!!私が戦ってる間に周りの朽鬼達をお願いしますッッッ!!!」
妾を露払いに徹しさせるか。
どこまでも無謀なことを・・・!!!
だが認めたくはないが、今の妾にできることはこれしきのみ・・・。
いいだろうトヴィリン!!
乗ってやろうではないかッッッ!!!
周囲の朽鬼どもの相手をする合間、妾はトヴィリンに目をやった。
生まれながらの固生魔能を惜しげもなく振るい、父上と互角に渡り合っている。
あの❝冥王ヘルヴェ❞に・・・。
「天級第三位・冥海の魔蛸よ来たれ!!」
地面に冥府の海の一部が顕現し、そこから棘の生えた吸盤が付いた無数の触手が伸びてトヴィリンを絡めとろうとする。
しかしトヴィリンは、魔能で全ての触手の動きを見切り、鮮やかな剣捌きで斬り伏せていった。
そして父上の間合いまで入ると、剣で腕を吹き飛ばした。
「動きが全部筒抜けです。そんなんじゃ、私を殺せませんよ?」
人間一人仕留められない冥王を、トヴィリンは鼻で笑った。
「ならば・・・先読みが意味を成さぬほど、この辺り一帯を焼き尽くしてくれるわッッッ!!!」
父上が斬り飛ばされた腕を生やし、再びその腕で鞭を握った。
「天級第二位・冥鞭の鏖振ッッッ!!!」
父上が冥府の鞭を大きく振るうと、周囲の家屋が吹き飛ばされ、焼き尽くされる。
このままゆけば、この一帯が焦土と化してしまうッッッ!!!
「いかんトヴィリン!!急いでそこから退けッッッ!!!」
しかし何故か、トヴィリンはそこから動かなかった。
「何をしておる!?そこにおれば灰になるぞッッッ!!!」
「心配いりませんリセさん!!」
「何!?」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「今だよトリシア!!潜ってッッッ!!!」
「アイヨッッッ!!!」
トヴィリンの影から、先程から姿が見えなかった奴の妹が飛び出し、父上の影に潜った。
「くかっ・・・!?」
父上は目を大きく見開き、ピクピク痙攣し動きを封じられた。
「見せてもらうよ。あなたの本当の姿を・・・。」
エリガラードが連れて来た仲間は!?
アドニサカの人間どもは!?
妾の軍はどこに消えたというのか!?!?
「かように辺りを見回しようがお前の配下は見つからんぞリセ?」
父上・・・。
「アクメルの新しい下僕の術でな。ここではない別の世界に封じた。」
「そん、な・・・。」
「そう悲しむな。近い内に会える。地獄の業火の中でな!!」
「いいえ。私達が再会するのはここです。みんな揃って、生きて。」
トヴィリン?
「なんだ小娘。貴様の友が窮地を脱すことができると?」
「ええ。」
「断言とはな・・・。その根拠は?」
「エリガラード様も、スドラ様も付いてくれてますから。あの人達はそう簡単に死にません。仲間を死なせることも尚更です。」
「ならば貴様らどうだ?もはや朽鬼どもは我が手中。そう易々と助かるとは思わんな?」
「絶対生き残りますよ。私とトリシアは。勿論、リセさんも。」
この娘・・・。
以前に黎明の開手の根城で会った時は、威勢など微塵も感じさせぬ風体をしておったが、今は魂が魔性の妾にすら羨望の眼で見てしまいそうになるほどの雄姿をしておる。
一体何が、この者を奮い立たせたというのか・・・。
「その目。蛮勇ではなく静かな怒りを湛えた、戦う意志に満ちた目・・・。見ていてとても腹立たしい。良かろう小娘!!まずは貴様から殺そうとしようッッッ!!!」
「よっ、止せトヴィリン!!父上は❝冥王❞の名を冠する最強の魔族だぞ!!お前如きが敵う相手ではないッッッ!!!」
「大丈夫ですよリセさん。倒そうなんて思ってません。ただ証明するだけです。」
「証明?何をだ?」
「今目の前にいるのが、本当にあなたのお父さんなのか。ただでさえ悲しんでるあなたに、親殺しなんて追い打ちをかけるようなことはしたくないですから。」
「しっ、しかし・・・!!どうやってするつもりだ!?」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「隙は私が作る。頼んだよ、トリシア。」
「ケケッ!マカセロヨォ、アネキィ。」
言葉を交わし、トヴィリンとその影は互いに大きく頷いた。
「話は済んだか?ではどこからでもかかって・・・ッッッ!!!」
素早い踏み込みで、トヴィリンは父上の脇腹を影の剣で裂いた。
「❝戦いの最中に無駄話はするな。❞ルイギから口酸っぱく言われたことです。」
「ぎぃぃ・・・!!粋がるなよ小虫がッッッ!!!」
怒りで顔を歪ませ、父上は冥府の炎でこしらえた鞭をトヴィリンに振るった。
それをトヴィリンは、先読みの神感で華麗に避けてゆく。
「先読みの魔能か!?随分恵まれた物を持っておるではないかッッッ!!!」
「リセさん!!私が戦ってる間に周りの朽鬼達をお願いしますッッッ!!!」
妾を露払いに徹しさせるか。
どこまでも無謀なことを・・・!!!
だが認めたくはないが、今の妾にできることはこれしきのみ・・・。
いいだろうトヴィリン!!
乗ってやろうではないかッッッ!!!
周囲の朽鬼どもの相手をする合間、妾はトヴィリンに目をやった。
生まれながらの固生魔能を惜しげもなく振るい、父上と互角に渡り合っている。
あの❝冥王ヘルヴェ❞に・・・。
「天級第三位・冥海の魔蛸よ来たれ!!」
地面に冥府の海の一部が顕現し、そこから棘の生えた吸盤が付いた無数の触手が伸びてトヴィリンを絡めとろうとする。
しかしトヴィリンは、魔能で全ての触手の動きを見切り、鮮やかな剣捌きで斬り伏せていった。
そして父上の間合いまで入ると、剣で腕を吹き飛ばした。
「動きが全部筒抜けです。そんなんじゃ、私を殺せませんよ?」
人間一人仕留められない冥王を、トヴィリンは鼻で笑った。
「ならば・・・先読みが意味を成さぬほど、この辺り一帯を焼き尽くしてくれるわッッッ!!!」
父上が斬り飛ばされた腕を生やし、再びその腕で鞭を握った。
「天級第二位・冥鞭の鏖振ッッッ!!!」
父上が冥府の鞭を大きく振るうと、周囲の家屋が吹き飛ばされ、焼き尽くされる。
このままゆけば、この一帯が焦土と化してしまうッッッ!!!
「いかんトヴィリン!!急いでそこから退けッッッ!!!」
しかし何故か、トヴィリンはそこから動かなかった。
「何をしておる!?そこにおれば灰になるぞッッッ!!!」
「心配いりませんリセさん!!」
「何!?」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「今だよトリシア!!潜ってッッッ!!!」
「アイヨッッッ!!!」
トヴィリンの影から、先程から姿が見えなかった奴の妹が飛び出し、父上の影に潜った。
「くかっ・・・!?」
父上は目を大きく見開き、ピクピク痙攣し動きを封じられた。
「見せてもらうよ。あなたの本当の姿を・・・。」
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